あと10年以内に、人口の半分が65歳以上の日本。

 団塊の世代が全員、定年を迎えるとき、この国はどうなるのか?
 
 まず、30代、40代のサラリーマン家庭が支払っている所得税、保険料、
 年金積み立てなどは、 どんどん、減りますね。
 一方、 サラリーマンを雇う企業側の法人税も、どうなるかわからない。
 経済はグローバル化し、海外の途上国は、企業誘致のために、
 どんどん法人税を優遇します。
 つまり、これまでの公的負担を支えた、企業活動の個人と法人からの税収に、
 先が見えているのです。いや、完全に、行き詰まっています。
 そうなると、消費税などの間接税を大幅に上げることになりますが、
 こうなれば、社会活動は、停滞します。
 つまり、 どう見ても、 これまでの生き方では、もう、終わっているのです。
 「工業化の終わり」 は、 実は、 これまでの近代国家運営をも、
 変更させます。 
 ここまで、視野にいれて、民主党は、発展計画を出せるでしょうか?
 スポーツや芸能の世界のように、ワールドクラスで、活躍できる人間には、
 どんどん市場が広がり、何の問題もありませんが、
 そうではない、普通の人たちに、どのような、素敵な未来像を示せるか、
 ここがポイント。
 数年前、小泉内閣の竹中大臣が、青森のタウンミーティングで、
 高校生から、将来の生き方を、聞かれて、
 「ビルゲイツを目指せばいい」と、 答えていましたが、
 さて、そんなことができる人間は、どれだけいるでしょう。
 運動能力で言えば、100Mを 10秒を切るスピードで走れる才能を
 持つ人のことで、 そうした人間のみを、見つけ、伸ばすことで、
 世の中が幸福になるでしょうか?
 そんな人間は、67億人の中で、 何人いるの?
 だいたい、本当に才能があるとわかれば、今では、民間の資金が、
 どんどん集まります。 
 この方面については、見つけるまでが、 国家の仕事かもしれませんね。
 そうではなく、 普通の人たちに、
 目標として、どういう生き方を、 示せばいいのでしょうか。
 
 そこに暮らしているだけで、楽しい。 孤独でない。
 永続性がある。 健康でいられる。 誇りを持つことができる。
 私は、ここを、出発点に考えています。
 それには、 「結い」 が必要です。
 そのとき、企業論理には、 「結い」があるでしょうか?
 答え:  
  一見、似ているが、 ない。
  企業活動 と、平和で幸福な生活とは、 まったく、次元が違います。
  企業活動とは、 人間の生活を豊かにするための、 道具の一つです。
 道具を、神とあがめ、 道具に、振り回されている。
 そんな状況には、 ホンモノの幸福はない。
 勝ち組は、海外に逃げ出し、 負け組みは、国に補償を求め、
 どちらも、 この国を食いつぶします。
 もっと、生きることの根源から見つめないと、
 この国は、  立ち上がれない。
 そのやり方は、ある。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。