中国政府はサンフランシスコ講和条約を否定している。これは悲劇か好期か。

1968年の人民日報では、尖閣諸島を日本領に含めていた中国政府ですが、1971年にキッシンジャーが訪中してから、完全に立場を変えたようです。

戦後の日中間のすべての騒動の原因はキッシンジャーです。スカル&ボーンズの策士。この人物は、まだ存命中。昨年11月11日に、野田がTPPの協議参加表明のときに日本にきていましたね。

今年は日中国交回復40周年ですが、4月に、石原慎太郎がワシントンで、東京都による尖閣買取を発言して以来、完全に「眠っていた爆弾」に火がついた形です。 

 サンフランシスコ講和条約のとき、中華民族を代表する政権は、台湾の台北政府(蒋介石)であり、当時の北京政府、すなわち、共産党政権(毛沢東)ではありませんでした。彼らの国際社会への復帰は、1971年7月のキッシンジャーの隠密訪中後で、この年の10月末でした。このとき、このタヌキ爺は、当然、この尖閣の領有問題nに触れられたのですが、日本には一時的に施政権(中国側は、「管理権」といっている)を返すが、領有権は日本に属さない、と明言していたと考えられます。

 今、中国側は、日本が主張する琉球時代の尖閣の帰属を無視するだけでなく、サンフランシスコ講和条約まで否定にかかっています。中国政府が第二次大戦後の国際社会の足場を完全に否定するのでしたら、これは、世界中で対処すべきです。

 この中国の姿勢を、どう考えるか? もし、日本政府が、サンフランシスコ講和条約を無効にすれば、そのまま、日米安保も無効になります。日米安保は、米国の大統領か、日本の首相による、通達だけで破棄できるものです。 これは、日本の平和国家=お花畑状態が、一気に終了することになります。

 1972年に、周恩来が田中角栄と会ったときは、北京政府が、国際連合に加わった直後でした。

当時の日本は、サンフランシスコ講和条約で、軍事的にはアメリカによって丸腰のお花畑になりながらも、高度成長を遂げ、その中で、琉球(尖閣)を取り戻しましたが、

中国は、ソ連と決裂後の四面楚歌の状態から抜け出て、台湾の国民政府から国家主権を奪回し、サンフランシスコ講和条約を否定しながらも、現実的に、経済での「実」をとるために、この問題は、現状のまま触れないとし、

 両者は、ここでは、尖閣の所属を、棚上げすることで、合意しました。 

 しかし、それ以後、中国は、一貫して、この領有を目指し、国家目標にしてきました。 

2012年の今、こうした事態に、もう一度、キッシンジャーの爺サンを呼び出して、中華民国の台湾で、日本、中国(北京政府)、台湾(国民政府)、そして、アメリカの四者で、公開討論するのが一番いい。ここで参加するのは、各国の30才代までの若者。未来に向けて最善の方法を考えてもらう。しかも、そこには、世界中の若者が、オブザーバー参加する。参考意見も言う。 もう、爺さんたちのバカな頭で、問題がさらにややこしくなるのは、止めたい。 特に、ここの領有権問題で、ドンパチやるのは、もっとも、愚かなこと。 これは、中国側も分かっていることです。

 日中が大いに揉めると、必ず、本当の張本人であるアメリカが、双方に恩を売る形で、裏から交渉に入ってきます。その前に、そもそも、お前たちが、こんな禍の種を仕掛けたのだと、私たちは、アメリカを先に引っ張り出して責めなけれなりません。

 石原慎太郎が、本当の国士、愛国者なら、アメリカ(キッシンジャー)にむかって、「お前が落とし前つけろよな」といえるはず。もちろん、野田にしてもそうです。

 サンフランシスコ講和条約の否定。 ・・・  これは、国際社会の爆弾ですね。 でも、この視点での国家戦略は、やりようによっては、現実の日本の姿ある、アメリカの特別行政自治区から出る機会を生み出すことにもなります。ただ、今の野田ドジョウや、福島サティアン発言のノブテルでは、日本国の富も国土も文化も、全部、失ってしまいかねません。 かといって、橋下は、この問題では論外。

 ここでは、ぎりぎり、小沢一郎のみが、次期首相の李克強と、腹を割って話が出来るでしょう。 ただ、私の考えとしては、こうした外交問題まで、政府代表による秘密交渉で解決する時代は、すでに終わり、 自分たちが、どう、人類と地球自然に貢献できるか、という視点で、公開で討論すべきと考えます。 

 また、つい昨日のことですが、今、日本では、静かに、中華系(北京政府とは限らない)による「日本のっとり計画」が進攻していることが分かりました。 その人たちは、始皇帝以来の因縁を持ち出しているようです。彼らは、「本来の日本から離れてしまった日本を救う」と本気で考えているようですが。

 日本国の同志よ、カネを追うのではなく、郷土を愛せ。 カネがあったら、山野を買って、自分で、守れ。

 それにしても、原発で汚したまま、そこに子供たちまで残している、無策の政府(いや、これは、確信犯か)では、今回の事態も、刺激するばかり、最後に、宗主国のアメリカから裏切られるのではないか、と心配だ。

以下、参考まで:

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<釣魚島が日本のものではない4つの理由>
(人民日報日本語版 2012年7月26日 12:49)
http://j.people.com.cn/94474/7889379.html
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日本が釣魚島(日本名・尖閣諸島魚釣島)の領有権を主張する際の根拠は、釣魚列島(日本名・尖閣諸島)が歴史的に沖縄(琉球)に属していたこと、米国が1951年の「サンフランシスコ講和条約」に基づき琉球を信託統治した際に釣魚列島もその範囲に含まれていたこと、そして1972年に米信託統治当局が琉球の施政権を日本に返還した際にも釣魚列島が含まれていたことだ。(文:羅援・中国戦略文化促進会常務副会長。「環球時報」掲載)

 ここには4つの問題がある。第1に「サンフランシスコ講和条約」の合法性の問題。第2に釣魚列島が琉球列島に属すのか否かという問題。第3に琉球列島が日本に属すのか否かという問題。第4に戦後の日本の領土は結局どの範囲なのかという問題だ。これら4つの問題は互いに絡み合っているが、その中心にあるのは琉球列島の帰属の問題だ。

 第1に「サンフランシスコ講和条約」は不法な条約だ。1951年9月4日、米国は一
方的に52カ国を招請し、サンフランシスコで対日講和会議を行った。だが第二次大戦で日本軍国主義の侵略を迎え撃った主力である中国は荒々しく締め出された。「サンフランシスコ講和条約」で日本は琉球諸島と小笠原諸島を米国を唯一の施政権者とする国際連合の信託統治下に置くことに同意した。同年9月18日、中国政府は講和条約の合法性を認めないとの声明を発表した。

 第2に釣魚列島は琉球列島ではなく中国に属している。「サンフランシスコ講和条約」第二章第三条で国連の信託統治下に置くと定めた領土に釣魚島は含まれていない。釣魚島は古来中国に属している。
早くも明朝初頭から釣魚列島はわが国の版図内にあり、日本で天明五(1785)年に出版された『三国通覧図説』の追図『琉球三省并三十六嶋之圖』でも釣魚列島は琉球王国の国境の外、中国の版図内として印がつけられている。だが米国が琉球信託統治機関に発表した『琉球列島の地理的境界』(布告第27号)は、なんと釣魚列島を琉球列島の地理的境界内に組み入れた。
米国に何の権利があって中国の釣魚列島を琉球の版図に組み入れられるというのだ?

 第3に琉球諸島は日本に属さない。琉球はかつて中国の藩属国だったのだ。琉球諸島は紀元1372年から中国の明朝に朝貢を始めた。国王は明朝の冊封を受け、官民は実に頻繁に明朝と往来していた。1879年に日本が出兵し、占領するまで琉球王国はずっと中国の朝廷に直属する独立王国であり、その国民の大部分は福建省、浙江省、台湾沿海地区の住民であり、祖国大陸と血筋が相連なるのみならず、言語も文字もみな中国語であり、法制や制度も大陸の朝廷と完全に一致していたのだ。1945年に日本が敗戦し、琉球も日本から脱して自主性を回復した。
中米国交樹立が視界に入った1971年、米国は中国が琉球の主権を回復した後に軍事基地の足場を失うことを恐れ、琉球の施政権(決して主権ではないことに注意)を日本に引き渡した。米国の決定を覆す力のない琉球の民衆数万人は広場に集まって号泣し、日本の侵略者を追い払うことを誓った。それから数十年の間彼らは日本を駆逐して独立を勝ち取るための闘争を止めたことはない。2006年3月の琉球全民投票では、75%の民衆が独立して中国との自主的往来を回復する事を要求した。
残る25%は日本人の血筋なので独立こそ要求しなかったが、自治には賛成した。日本はやはり釣魚島問題で中国を相手にむきになってはならない。琉球が日本のものかどうかもさえもが問題になるのだ。

 第4に「ポツダム宣言」第8条は「カイロ宣言ノ条項ハ履行セラルベク又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州、四国及吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルベシ」と定めている。戦後の日本の版図に琉球諸島は全く含まれておらず、釣魚列島にいたっては論外であることがここにはっきりと示されている。これが戦後の取り決めなのだ。日本はこれに服さなければならない。(編集NA)

 

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。