ネット社会は、国家も宗教もマネーも、「神の姿(理解)」も、激変させる。

明日、東京で皆神塾です。 場所は、飯田橋。 お間違えの無いよう。
2012年の年末に第二次安倍政権が生まれ、翌2013年からアクエリアスが始まったのですが、
ここでは、キリスト教、イスラム教、日本神道で、特異な動きが始まりました。
 キリスト教では、カトリックで、アルゼンチン生まれのフランシスコが法王に就任。
 この人物は、2015年には、「十字架に神はいない」と言い出したのです。
 イスラム教では、2013年の夏から、イラクのシリア国境の山岳部に、IS(イスラム国)が急拡大しました。
 日本からは、湯川・後藤という二人の若者が、犠牲になりました。
 このISは、なぜ、拡大したのか? もちろん、アメリカに本拠を持つ戦争屋が支援していたのですが、
彼らが勢力を拡大し、世界中から同志を集めた裏には、インターネットが普及し、コーランの原本の主張が簡単に広がったことがあります。
 この部分を実際にアラビア語を学び、ムスリムの中に入ってフィールドワークしながら、見事に核心をつかんで解説しているのが、
 上智大学の飯山陽(あかり)さんです。(「イスラム教の論理」新潮新書)
 ISでは、そこに参加した人間は、神の意思を地上世界に広げる同志と自負します。その頂点が自らカリフを名乗ったバグーダディーで、彼は、同じくイスラム教徒になった同志から、その地位を認められるために、より厳しくコーランにそって、現実の人間世界を取り仕切った。そのとき、近代国家の国境も、個人の尊厳という民主主義もなかった。
 カリフの存在は、コーランの決まり通りに物事を決定することが信任される条件だった。コーランの中には、それまでふしだらな生活を送ってきた者でも、イスラム教の言う天国に入るには、イスラムを受け入れない「敵」に対し、ジハード(聖戦)を挑めば、「人生一発大逆転」ができる。これが、ISに集まった若者たちの信仰と行動力の支えになっていた。と。
 実際に2016年からのロシアのプーチンが主導した掃討作戦でISが消されても、このときのインパクトは、世界中のイスラム教徒の心に刻まれていると。
 もともと、パレスチナの地に入り込んで形成されたイスラエル(信仰ユダヤ人とタルムードユダヤ人)は、以後、ムスリムにとっては同胞を追い出した敵で、この敵対関係を、戦後のドル経済をひろめるときに、FRBと一体化した戦争屋が利用していました。
 そのFRBの世界通貨機能を最後まで維持するために、意図してIS(イスラム国)は作られたのですが、これによって、国家とは? 神とは? マネーとは、富とは? 幸福とは? と根源の意味を探らせることになりました。
 
 一方、我が国では、戦前の皇国史観、神武ファンタジーを復活させて、それを、軍事力強化に利用していたのが、安倍政権を支えた日本版軍産複合体(三菱重工が主体)と日本会議・神道政治連盟・統一教会、さらに満州の亡霊たちでした。
 彼らは、神武天皇の実在を信じ、その「人間神武」のY染色体を、日本人は現在も引き継いでいる、という神話を今でも信じていたのです。
 明日の「神と「神」の歴史」は、
・実在の神(リアルに存在し続ける、宇宙の主宰者の権能)と、
 一般人を超越した「誰か」が感じ取った権能の記憶と、その超越者の足跡を言行録として文字化した後、
・教義・経典化した内容で、信仰対象となった「神」
 
の違いを明確にします。
 このとき、地上の人間世界に、境界を設けない、とはどういう意味か?
 民主主義は、国家という枠の中で、ある情報システムに基づいて、富の生産・集中・分配される中で、個々人の尊厳を再認識させた概念だったが、
 イスラムは、全員が、個人の尊厳よりも、実在の神の意志のままに生きろ、という教えでした。
この場合、カリフがそれを判別し、信者を指導した。
カトリックの場合、バチカンのローマ法王が、全能である「三位一体」の神=イエス・キリストの代理人でした。
 
 どうも人類は6000年前から、ユーラシアでは(特にカザフスタン。南シベリア)、宇宙には意思をもった摂理がある、と直感的に感じていたようです。それがミトラであり、誰もがそれを感じ、その存在は、摂理の一部だった。
 個々人それぞれが、神だと感じたもの(作用)があっても、それは、あくまでも神の部分であり、相互に等しくそれを出し合う(言い合う)ことで、より正確な神の姿(権能)が現れる。これがミトラ教であり、そこを基にして、西方の宗教は始まっています。
 しかし、そうした地上の人間世界では、個々人のエゴのために神の意思から離れ、魂は汚れるので、死後の裁きの前に、火で魂を洗う。これがゾロアスターの教えであり、この「最後の審判」と、「火での浄化」は、ユダヤ教やキリスト教に引き継がれた。
 さらに、イエスの教えの影響を受けた、大乗仏教側でも、死後の世界に、仏国土と地獄を設け、中国大陸では、明代になると、どちらに行くかの判定人に「閻魔」を設定した。
 
 今、IT時代、さらに、AIの時代です。
そして、国民国家を前提にした、金融ワンワールドは、マネーの電子化により、人間の経済活動と、国家権力とを分ける方向に進んでいます。
 地上世界の人間の営みと、地球環境と、人間個々人の幸福の増進。
「神の概念」と国家と、マネー。 これは、いずれも、人間が作り出したものです。
人間は、幸福を追求し、そして、自己の存在を確認するために、日々を暮らし、そこでは、想像と創造とがあります。
世界規模で進む、圧倒的な、「マネーによる富」の偏在時代に、
地球人と地球生命全体の幸福を、どう作り出すか?
神と「神」。 そして、心と身体のある人間。
縄文の精神から見ると、 いろいろ、見えてきます。
一言。 信じるよりも、感じて浸りきれ。 そして、神につながる心を、形にしよう。
一緒に検討しましょう。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。