工業化は途上国。日本はなんで生きる?

国会が始まりました。
補正予算の審議。
課題は、大まかに言って、二つ。
①未曾有の経済危機の克服。
②官僚主導体制の変換。
対策には、 短期的な処方箋と、 社会構造の再構築 が必要です。
日本政府は、今、 短期的に、何をしようとしているのでしょう。
 21世紀に入っても、外需に頼った工業製品の輸出で、
 経済を拡大し、雇用を維持してきたのが、日本です。
 しかし、そこにあったのは、アメリカを筆頭に、金融業者たちが、
 本来、カネ(富)がないのに あると信じ込ませて、
 世界中にインチキ需要を喚起し、日本は、それに頼って、
 さらに、中国の市場と低賃金で、規模拡大とコスト減で、より効率化し、
 利益の拡大を求めたものでした。
 このインチキがバレて、アメリカ・ヨーロッパからの注文がなくなった。
 世界中の中央銀行が、通貨によるシステム維持のために、
 何でもカネを突っ込んで、とにかく、経済は止まらないようにしたが、
 
 > 新規の富が生まれない限り、 「経済の拡大」 は ない。
 
 > では、 どこに、新規の富 はあるか?
 これまでの「経済」の発展の考えに立てば、今後の潜在需要 と 生産でのコストダウン、
 さらに、社会の産業基盤や法整備も考えたとき、 工業にかぎらず「生産」のために、
 
 > 企業と資本は、 中国・インド などに 向かうしかない。
 で、そのとき、 工業関連で、日本に残るのは、
  
 >  技術開発 と マネージメント、 そして、超高級製品 製造 のみ。
 これは、 いずれも、「優秀」な、選ばれた人間の仕事です。
 そして、場合によっては、 企業自体は、どんどん多国籍化しますから、
 その高度の仕事をするのは、 日本人である必要もないし、
 そこで生み出された(法人や個人の)利益が、 日本国に入るとも限らない。
 社会的富を生み出す、本当に有能な、限られた人間が、 
 どんな社会を望むか、そこが、未来を開いていくことになります。 
 日本社会に生きる人間のマナーと品性が欠如し、文化・教養・いたわりが薄っぺらで、
 誰も彼もが、「雇用を何とかしろ」と騒ぐのみで、その本質が、単なる銭ゲバだったら、
 そこは、まったく魅力がなくなります。
 自分に資金があって、海外に快適なところがあれば、すぐに、逃げ出します。
 でも、逆にみれば、そうした人間にとって、
 ここはかわいい、自分は気に入っている、大切にしたい、と、愛される空間を作ること
 ができれば、 それは、 世界中から、人を集めることができます。
 もちろん、その要求は、とても高いものでしょう。
 高度の仕事をこなす人たちは、自分自身に 「高い基準」を 設けている以上、
 提供されるものやサービスについても、不誠実や虚偽・インチキを嫌います。
 しかも、単純に、自分の心と体の健康だけでなく、 
 時間・空間を越えたところにある、本物の感動を 求めます。
 それは、 
 しっかりした歴史認識と共振し、魂が揺さぶられることでもあります。
 偽りのない、文化感動が、ごく普通の暮らしぶりに、あふれている日常。
 これは、日々の暮らしが、 芸術化している ことです。
 これしかありません。
 
 1億2千万人を、<工業化>での雇用で、豊かにすることは、
 もうできません。
 また、これまでの<工業化>では、個々の人間は、単なるパーツであって、
 普段の日常生活は、文化感動の主体からは、ますます遠ざかるばかりでした。
 私が考える<理想>です。
 小さなエリア(数千~数万人規模)で、自活し、そこに互助体制があること。
 工業製品(家電・移動手段・ほか)は、次々と新型を買う必要はなく、
 最低限の必要な機能をもつものを、大切に使うこと。
 エリア内では、 暮らしていくこと(生存)に、不安がないこと。
 毎日、住民同士に、信頼感で結びついた、生きている喜び(感動)があること。
 
  「生存の確保」 と 「生きている感動」 
 そのために、この国のもつ経営資源を、どう分配するか?

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。