機を見るに鈍、貧、愚な、民主党。

 参議院選挙で、負けたことの意味が、まるで分かっていない民主党。
応援者は、みな、あきれ果てていたのですが、それでも、選挙後のこの3週間に、
国民からの支持を 起死回生する、絶好のチャンスはありました。
それは、国会議員の歳費の月払いから、日払い への移行の 即刻の表明でした。
いつ法案ができようが、あるいは、いつ国会を通ろうが、そんなのに関係なく、
まず、自分達から率先して、自分が使っている国のカネの、その使い方の非を正す。
これは、身を削るのではなく、正しい方向に改めることです。
これは、政権与党の 民主党だけでも、多党に先駆けてできることなのですが、
なんで、これを、すぐに宣言できなかったのでしょうか? 
どんな法案にするかに関係なく、まず、党として、個人として、過払い部分を返納する。
これだけでいい。 特に、菅総理みずからが、率先して、すぐに実行する。
こう表明し、期日を指定して、そのまま、実行すればよかった。
そのとき、もし党内で反発するものがあれば、それをさらし者にすることで、
少しは、民党党内での権力を、残せたでしょう。
国会議員の足並みが揃うのを待つなんて、愚の骨頂です。
こうしたことを、菅政権がスパッと断行すれば、まだ、国民の気持ちを、
少しは繋ぎとめられたはずです。問題は、タイミングでした。
こうしたこともわからないで、《国家戦略》も、《政治主導》も、あったものではない。
小沢一郎が、昨年の衆議院選挙の作戦を指揮したのを最後に、それ以後は、
民主党は、まったく、政治的な 勝負の手の打ち方を、知らないまま迷走です。
なんか、みんなが、瞑想でもしているのでしょうか?
自民党時代の悪政の悪口を言いつらって、しかもリップサービスを繰り返し、
期待だけを膨らませて、金バッチをつけても、人間的資質の問題として、日本を
本当に変える胆力を備えているのか、私達の未来を託するのに相応しい人物なのか?
こうしたところが、国民からじっと見つめられているのに、
それが、まるで、分かっていない。
政治に掛かる歳費については、共産党が、国からの政党助成金を全額、
みずから受け取りを拒否しているくらいです。
民主党は、自民党政治にストップをかけた政党として、これだけが歴史に残りますが、
日本を再生させた政党には、なりえません。
それは、まだまだ、これから先に現われる政党の仕事なのでしょう。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。