「成長戦略 がない。」
自民党は、GDP2%成長をいいますが、土地が全面下落しているのに、
どうして、それが可能でしょうか?
どこかから、毎年100万人以上の継続的な大量移民があって、
月に5万円程度の給与で、働かせることが可能なら、 日本の中小企業
も活発化しますが、 これは無理でしょう。
民主党は、国家予算の無駄の排除で、財源確保のみいいます。
今、私たちは、 「経済成長」を、絶対の条件のように理解しますが、
こうした考えは、 明治の近代国家になってからのものです。
明治維新後、日本では、土地に所有者と価格を決定し、 公的な負担
は、すべて、税金で、国家に納める形となりました。
企業活動は、銀行からの融資では、土地本位制にして信用創造を
繰り返してきました。
戦後は、さらに、株式と土地価格を緻密に計算し、銀行からの借り入れ
(ローンもふくむ)では、顧客や従業員まで未来の富まで先とりして、
経済活動を進めてきました。
それが、サブプラ後の今、完全に破綻しています。
しかも、 日本では、毎年子供が100万人しか生まれないのに、
70歳になる人間(健康な人も、そうでない人も)が、170万人もいます。
100歳以上の人間の数が、すでに2万人を超えています。
この人口動態を踏まえた、国家設計が必要ですが、
どの政治家も、ここを指摘しません。
その中で、国家も、個人も、税収や雇用面で期待するのは、企業ですが、
企業活動は、利益が出ないと存続できず、しかも、雇用の対象は、
20~60歳までの健常者に限られています。
企業にとって「使えない」、あるいは、「給与に見合わない」を人間の生活費 を、
国家がどうやって、工面するのか?
基本的に、法人、あるいは、個人の所得税、あるいは、間接税から、
それを補うのですが、
払う側である、企業や個人にとって、日本での所得税が高くなれば、
よほどの、愛国心がない限り、税金が安く、快適な海外に出て行きます。
また、間接税を高くしていけば、 経済活動が、停滞します。
私が、昨日、話したことは、
公的な支援が必要な弱者(老人、母子家庭、 身障者、疾病者など)
を、企業や個人からの税収と、その再配分での手当てする、という
これまでのやり方が、「もはや、成り立たない」 ということです。
では、どうすればいいのか?
ここに、「結い」の発想が出てきます。
基本的な考えをいえば、
人口100人当たり、何人、そうした支援を必要とする人がいるのか、
それを、計算し、 自分たちの100人の内で、元気な人間、それぞれ、
時間と労力を出し合って、直接、その人間を支援すればいい。
そして、そのとき、支援する対象となる人間と、そのときの支援の方法を、
国や行政が決めるのではなく、個々の100人に、独自で選ばせてもらいたい、
というものです。
それが、これまでは、日本列島に住む、1億2千万人を対象に、国家がすべてを
一律に管理し、 その手続きをする専門の人間を試験で選別し、その人間を
養うために、税収から優先的に人件費を確保し、複雑な制度を作ってきたのです。
これをこのまま続けるのでしょうか?
私は、単なる、地方分権ではなく、 この公的な負担を、日本に暮らす
個々の人間が、自分で、地域の人間が納得する、目に見える形で、
負担すればいいと、考えます。
それは、カネでも、労力でも、いい。
国家・制度に縛られることなく、 それぞれの暮らしている地域で、
やり方はいくらでもあります。
これまで、日本社会では、企業活動が生み出す利益を、
国家も個人も信頼し、それに便宜を図ってきましたが、 これらは、一時的な、
方便です。
今、グローバル化の中で、稼げる企業も、能力のある個人も、
どこにでも行きます。 社会的需要があって、利益の出るところ。
今、元気な地域は、中国、ロシア、インド、ベトナムなどですが、
いずれも、旧社会主義国で、資本主義では、初期の段階で、
国家的な信用創造には、まだまだゆとりがあります。
また、ここには、「文明のスタンダード」が達成されていない段階の
人間が多く、 程度の差はあれ、巨大な、工業製品の需要が あります。
しかし、日本は、そうした段階は今は、完全に超えてしまったのです。
ここに視点を持たないすべての議論は、 無駄です。
今、世界中には、67億人が暮らしています。
おかれた環境、物的な充足度、インフラ整備、など、いろいろ違いが
ありますが、 誰もが願っているのは、 戦争がなく、平和で、
穏やかな、美しい環境で、 裏切られることのない世界です。
特に、地球規模の環境問題を前にして、「もう、戦争をしているとき
じゃない。」 これが、 世界最大の軍事国家の大統領の呼びかけです。
八丈島でも地震ですね。
静岡~糸魚川構造線の上ですね。
日本が、今、完全に、次の次元に入ったのです。
私へのメールは、以下にお願いします。
purplejade@kyoto21.net
昨日、中野の勉強会で話したこと。
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この記事を書いた人
新井信介
1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。