以前、紹介した、シュロモーサンドの著作の日本語版が出版されました。
『ユダヤ人の起源 歴史はどのように創作されたのか』 シュロモー サンド (著), 浩気社。
(内容紹介)
聖書時代から現代まで、世界の常識を根底から覆す歴史的大作
世界15ヵ国で翻訳され、欧米で衝撃のベストセラー
2008年初めに出版されたとき、本書は「異様な」と評してもいい受けとめ方をされた。
本書は電波メディアから強い関心をもって迎えられた。
私は何度も繰り返し、テレビやラジオの番組に招かれることになった。
活字メディアのほうも、広汎に、むしを積極的に反応してくれた。
これに対し、周囲の歴史学者の世界は、本書に向ってアカデミックな突撃のときの声をあげた。
そしてじきに、ことさら激越なシオニストのブログ上で、私は民族の敵として指弾された。
以上のような振幅の大きい評価を前に、読者の選択は私を甘やかすことだった。
なんと19週にわたって、本書はベストセラーの「ヒットパレード」に数えられたのである。
(「日本語版への序文」より)
(著者について)
シュロモー・サンド ・・・ 1948年にオーストリアのリンツで生まれた。
両親のイスラエル移住にともない、イスラエルで長じ、教育を受けた。
テレアビブ大学ではじめた歴史の高等教育をパリの社会科学高等研究所で終えた。
1983年に同研究所でジョルジョ・ソレルの思想に関する博士論文を仕上げ、これは
ただちに出版された。 (『政治過程の幻想』、パリ、La decouverte、1984)。
1984年以降、テレアビブ大学で現代ヨーロッパ史を教える。
専門領域は近代社会における知識人の思想および地位、歴史と映画の関係、
さらに ナシオンの結晶化過程におけるナシオン観念の存在に及ぶ。
これらのテーマにつき、フランス語・英語。ヘブライ語で多数の著書と論文を発表した。
著書『スクリーンに見る20世紀』は2004年にパリのスイユ社から刊行された。
第二作『言葉と土地――イスラエルの知識人』は、2006年に同じくパリのフェイヤー社から
発表された。
同じ出版社から2008年に刊行されたのは本書の原著であり、イスラエルでベストセラーとなった
『ユダヤ人はどのようにしてつくりだされたか――聖書からシオニズムまで』である。
あと、こんな本もあります。
『トーラーの名において・・・ シオニズムに対するユダヤ教の抵抗の歴史』 (単行本)
ヤコブ・M・ラブキン (著), 菅野 賢治 (翻訳)
(内容紹介)
シオニズム運動とイスラエル建国がいかにユダヤの教義トーラーに反すると考えられてきたか、
を歴史的に辿る。 パレスチナ問題と反ユダヤ主義の歴史の冷静な理解に不可欠の書。
イスラエルをどうするか、人類の課題です。
イスラエルとイラン(ペルシャ)の関係については、以下をどうぞ。
『ユダヤ人の起源 ・・・歴史はどのように創作されたのか』 (単行本)が出ている。
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この記事を書いた人
新井信介
1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。