オスプレイが来たアメリカ特別行政自治区の日本。さあ、本気で国防と平和を考えよう。

今日、オスプレイが岩国に陸揚げされました。

 なぜ、今、オスプレイが日本に。

 どうも、オスプレイの訓練がアメリカ国内で十分に出来ていないうちに,反対運動が激しくなったので、これを、日本でやることになってしまったようです。

 オスプレイの日本配備の表向き(地政学的)の理由は、沖縄(特に、尖閣諸島)の防衛です。 もちろん、ここでの仮想敵国は中国になります。 今年は、まず、石原都知事が、ワシントンで、東京都による尖閣購入発言があったのですが、それを当然と思わせるほどに、中国の海洋面での野心は広がっていました。日本人を感情的に対中強硬論に向わせたのは、一昨年の尖閣での中国漁船と海上保安庁での衝突です。日米安保がありながら、アメリカは、中国海軍の野心を黙認し(背後では、それを促し)、上海万博の最中に、あえて、日中の衝突を起こさせたということもできます。

 アメリカの軍産複合体にとって、緊張があり続けることで、次々に新型の飛行機を、米軍、そして、日本に買わせることができる.。 これが戦後の日本支配のセオリーでした。 

 では2012年の今の時点で、こうした東アジアの緊張と、オスプレイ自体の持つ危険性を、我々は、唯々諾々と、受け入れるべきでしょうか?

 日本にとって、真の軍事的脅威は、どこにあるのでしょうか?

 その脅威は拡大するばかりなのか? それとも、私たちの努力で、縮小、消滅させることが出来ないのかどうか?

 私が本欄で指摘したいことは、 昨年秋までは、このアジアでの脅威を拡大させたい勢力が、日米ともに支配権を握っていたが、今年に入って、それが劇的に変わり出している、ということです

 たとえば、この東アジアでの軍事上の変化について言えば、日本にとっての最大の緊張の種だった北朝鮮では、三代目金正恩が、この4月に、李英浩・朝鮮人民軍総参謀長を突如、解任し、このあとに、北朝鮮内部で、「交戦、流血事態があった」(朝鮮日報)との情報が飛び交っています。

この李総参謀長こそが、アメリカとの阿吽の呼吸で、緊張を作り出していた人物なのでしょう。それを、三代目が排除した。三代目は、アメリカのスカル&ボーンズの画策をよく見抜いているのではないか、と私は考えます。

 いや、正恩君は長くスイスにいましたので、世界の中央銀行に金塊を届けたグループから、戦後世界の終わりのシナリオを十分に聞かされているのでしょう。

 こうした考えに立つと、どうも今後は、中国国内でも、軍事強硬派は鳴りを潜めていくはずと考えられるのですが、それには、私たちの側からも、緊張を消すためのチエ出しと行動が必要です。

尖閣諸島については、「地権者」の弟である栗原弘行氏(65)が、本日、日中台の共同管理を言い出しました。

http://japan.cna.com.tw/Detail.aspx?Type=Classify&NewsID=201207210003

戦後の「日本国憲法(特に、憲法9条)」と「日米安保」は、皆さんご存知の通り、セットです。

アメリカに日本の安全保障を委ねる形になっているのは、戦前の日本の軍事拡張策が、国家的に大失敗したことが原因です。しかし、このとき、国家元首だった日本国天皇に全く責任を取らせないことで、戦後世界が始まっているのです。 戦後は、ブレトンウッズ協定から始まりますが、ここに実は昭和天皇が関わり、昭和が、日本の軍部の拡張を、結果として止めさせたのが、真相なのです。

 孫文が死んだ後も、満州を含む中華民国を支援していたのが若き昭和天皇です。これが、昭和を無視した軍部主体の満州切り取り策になり、さらに、国際連盟からの脱退。ここから、日本の不幸が始まっています。

 「東アジアの海を平和の海にする。」  これが、私たちの目標です。 これには、誰も異存はないでしょう。

 中国にも、台湾にも、北朝鮮にも、韓国にも、いないでしょう。 軍産複合体で儲けたい人間を除いては。

そこで、私たち日本人は、

A   アメリカの笠の下にいながら、 東アジアの海を平和の海にするのか?

 それとも

B アメリカの笠を出て、 独自で軍隊をもって、東アジアの海を平和の海にするのか?

 冷静に考えなければなりません。

そして、このとき、厳然たる事実として、中国が核ミサイルをもち、ワシントンのみならず、東京にも向けらているのです。

私たちが、現在の時点で、 B を 選択するのであれば、 すぐに中国の核の脅威に備えるために、自らも、核武装しなければならない、という判断になってしまうのが、 これまでの国際政治のセオリーです。

日米安保は、日本の総理大臣か、アメリカ大統領のどちらかの「通告」だけ終わりにすることが出来る条約です。 

 紛争の火種を大きくすることは、一体、誰が望んでいることなのか、ここは本当に、きちんと考えましょう。

一方、住民が密集する沖縄の普天間に、オスプレイを導入するのは、本当に危険です。

 しかし、それでも、アメリカがどうしても、やりたいというのなら、急遽、鹿児島県馬毛島(現在、無人)に基地をとりあえず作り、そこを拠点に無人地域の上空に限り、訓練を認める方策を、日本政府は提案すべきでしょう。

 そして、「一回でも墜落事故を起こした時には、その時点で、即刻、撤収させる。」 これをきちんと政府間で確約させ、全世界に公開する。

 現実問題、日本は、アメリカの特別行政自治区です。アメリカの一州にもなれません。きちんとした属国でもありません。日本の領空は、アメリカ政府が握っているのが実態です。そして、日本近海の海底調査も、アメリカの原子力潜水艦が極めて高い精度で調べ、それを、日本の海上自衛隊が補佐しているにすぎません。

 しかし、ここで、忘れてはならないこと。

①中国の西太平洋への軍事拡大は、残念ながら、アメリカの軍事力がないと、押さえ込めない、という 事実です。 中国のこの軍事姿勢が、果たして変わるのか? これは、周辺国全体で、共同で押さえ込むと同時に、中国国内
の人間に、軍事にかける金を、格差解消や環境問題の解決に向わせる世論を、喚起するように、促さないといけません。  

 今回、東京都が集めた「尖閣諸島の購入費」は、 尖閣諸島の平和利用(この海域の海難事故や、資源と自然の共同管理)の資金にする、と表明し、それに基づいて、日中台からそれぞれ常駐者を出させれば、よい。

 この案を、中国が拒否すれば、軍事的野心として、大いに囲い込み外交をすればよい。

 すでに、尖閣を実効支配しているのが日本なのです。ここを起点に平和の海にするアイデアをだす。 アメリカにも、これには、文句は言わせない。いや、むしろ、アメリカはこれを求めています。 今月9日の時点で、クリントン国務長官が日中間での、共同管理を呼びかけています。

 そうだ!

 尖閣の資源を共同管理にすると同時に、日中台の平和の象徴として、各国の人気スターたちの別荘を設けるのは、どうか? 

 特に、陸で人気絶大の蒼井空女史 と、同じ業界のお友達 には、内閣の官房機密費を使ってでも豪華別荘を構えていただき、その上で、必ず誰かがいる状態してそこに大いにファンを呼び込んでもらって、ここから、どんどん、愛と平和のメッセージ を発信してもらいたい。

 ②アメリカ自体に、変化が現われている。 

 アメリカは昨年来、極端な警察国家になっていますが、一方で、「オキュパイ ウォールストリート」を掲げた多くのアメリカ人が、これまでの金融マフィア(イルミナティーやスカル&ボーンズ)に反発し、当然、このオスプレイの配備にも反対しています。 彼らとの連携を深めよう。 もちろん、原発反対でも。

そして、現有するアメリカの軍事力を、地球人類のために、どう使うべきなのか、日米両国民はどんどん発言し、軍事当事者との公開討論を進めましょう。 ホンモノの軍人は、戦争を望まないものです

 ③その上で、日本の真実を知りましょう。

 特に、この前の戦争についてです。 昭和天皇が、なぜ、戦争責任が問われなかったのか? シンガポール陥落後に、勝ち逃げ出来る状態から、そのまま、戦争継続を求めたヒロヒトの真意は、一体なんだったのか? そして、なぜ、東京大空襲や、 ヒロシマ、ナガサキの原爆投下になったのか、とことん、アメリカ人、中国人、台湾人、韓国人、北朝鮮の人たち、そして、ロシア人も交えて、冷静に熱心に、歴史を検証しましょう。

 アメリカに対しては、マッカーサーが日本に占領軍司令官として滞在していた時の、すべての資料を公開することを求める。ヒロヒト・ファイルも公開させる。日本の外務省には、孫文が1907年に桂太郎と会ったときに、満州について、何といっていたのか、それに関する記録(文書)もすべて公開させる。また、朝鮮や台湾についても、日清戦争時代や、1910年当時の記録写真もすべて公開させる

 これらの公開が、できるかどうか、は、私たちの、未来に向けての冷静で真摯な熱意に関わっています。

 中国との間では、まだ、南京問題が解決していない。 韓国との間でもまだ慰安婦問題がある。

 徹底的な事実公開しか、解決の道がないのは、自明のことです。

 ごまかし・隠蔽をとにかく拒否すること。ここからしか未来は開けない。 

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。