グローバル化が進めば進むほど、愛するローカルエリアが生まれる。

 こんにちは。新年2日目。楽しみは箱根駅伝です。

私も学生時代に予選会に出場したことがあります。母校の東京外国語大学は女性の学生が多い小さな大学で、その中にある陸上部は、長距離部門の人間だけでは、10人が集まらなかったからです。

今年も主役は、東洋大の柏原くん。まるで箱根の5区を走るために生まれてきたかのような完璧な走りでした。あれだけ走ってゴール後も、ニコニコ笑っているなんて。そして、表彰式でのコメント。本人は、福島県の出身でした。「自分が苦しいのは1時間ちょっとですが、・・・・」。 ふるさとの福島を思いやる気持ちが胸を打ちます。

 学生の純粋な努力は、みていて楽しい。さわやかで、こちらの体まで、健康になる波動をうけます。

それに引換え、「権力」に近いところにあるものは、どす黒いものです。何も世界権力や国家権力に限りません。地方公務員にしても、自分の働きと自分の待遇について、冷静に考えている人間は少なく、まずさきに既得権を振りかざします。

 日本の地方の財政では、法人税・所得税・固定資産税が、ものの見事に公務員の給与に消えています。そして、何か事業をするときには、国からの地方交付税交付金と補助金に頼るのが、多くの地方の実情です。

 昨日のNHKの新春特番、日本の企業や可能性や、技術革新、そして、地方の森林資源の活用の紹介など、とても面白かったですが、一つ、完全にかけている視点がありました。

 それは利益をもとめる企業活動では、何らかの補助金がない限り、雇えない人間の存在です。単純にいえば数字上の「富」を生み出すのが苦手な人たちの存在です。弱者といってもいいです。また、高齢者や年少者もこの中に入ります。

 税収で、そうした人たちへの補助、職業訓練や介護、その他、そうした行政サービスを行う体制が、今後も可能なのか、です。 これには、野田ドジョウは財務省が言うように、消費税アップで、これまでの体制、行政システムを続けたがっていますが、その内実は、そのための事務経費を維持するのが先で、ほとんどの税収がそれで終わっているのです。

 中央に権限を集中させ、いったんすべてのカネを東京に集めて、それを再分配する。そのためのルールつくりと、運用する役人たちに、あまりに多くの労力とコストが使われすぎているのです。

 そして、大阪府と大阪市に見られるように二重行政があり、行政の肥大化、多くの無駄を生んできました。

私の考え。 

 中央の官庁の地方局が不要なのは当然として、都道府県そのものも、本当は、いらないのではないか?

各地方のローカルが、自分で、自分達の未来像をつくり、そのための資金を自分で、世界中から集める権限をもてば、まず、この、中央にカネをだし、さらに、中央からカネをもとめる行政そのものがなくなる。

より身近で、住民のニーズや心にあった、住民が自分で決める行政が進むのではないか?そこでは、マネーを介さない、相互扶助の形で、相当多くの仕事が完遂できるのではないか?

 安全や環境について、グローバルな規準がどうであれ、自分達は、それよりも厳しい規準を設け、それを、その町のひとつの魅力に変えていく、こうした、取り組みがあってもいい。

 一方、グローバル化で、世界中の垣根が低くなれば、どこのエリアで暮らすことが、自分自身にとって、本当にふさわしいのか、落ち着いて暮らせるのか、感動を味わえるのか、どんどん自分の「好み」「こだわり」を探すことになります。

 自分達の住む町、住むエリアのあり方を自分で決める。 これが、本当の自治です。その中で、上述した弱者をどう抱えるか、これには、知恵が必要です。弱者とはいえ、たとえ寝たきりの人間でも、社会的な役割があるはずと考えます。その役割を果たしている限り、その人間の存在は、大変貴重なものです。

 たとえば、笑顔で、自分の夢やこれまで楽しかったことを語ることだけでも、それは一つの社会的な役割だと思っています。自分が暮らす地域で、自分がこれは素敵だ、と感じたことを、知人友人に電話や手紙で知らせることも、とても貴重なのです。

 いまここでは、基本の考え方を書きました。その上で、個々の地方が、どう豊かになるか、その方法はいろいろあります。基本は、自分自身を、それぞれの暮らす地域で、徹底的に生かすこと。

  この話題は、中途半端ですが、今日は、この辺にします。

 

PS: あと、閲覧者から、12月28日の本欄で、菅直人前総理について3月11日に完全にパニック状態になった書き込みで、パニック状態、パニック障害、パニック症候群とを混同したままの記載だと、指摘がありました。菅氏は極度のパニック状態でわめき散らしていたことは間違いありませんが、私の至らぬ表現で不愉快な思いをされた方にはお詫びいたします。(訂正いたしました)。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。