長野でK2Oの打ち合わせ。その後、映画『アレキサンドリア』を観てきた。

K2Oの室伏社長が長野に来て、打ち合わせ。
会員制情報誌「瓊音倶楽部」第9号の内容と、京都ジャパネスクの反省会です。
前者については、アヌビスと犬養について書くことにしました。藤原不比等がなぜ、すでに
三人の子持ちの人妻だった犬養三千代と再婚したのか? 二人の間に光明子が生まれ、首皇子
(聖武天皇)の皇后になりますが、その真意は何か?美千代は706年に橘姓をもらっています。
また桓武天皇の父親の白壁王は天智系ながら、最初、犬養家から井上内親王を娶り、その縁で
出世し、称徳女帝の死後、即位します(光仁天皇)が、このとき彼女を一旦は后にしながら、
廃后にして伊勢に送り、側室だった高野新笠を立后しました。その息子が山辺王の桓武です。
東北で大和朝廷に対する反乱が始まるのは、このときからです。
「犬養」とは、何か? これは、深い意味が在りますね。
近代史でも、重要人物がいます。
1931年9月、石原莞爾と板垣征四郎が主導した満州事変の後、日本陸軍は首謀者の石原を
追い出したあと、天津に隠棲していたラストエンペラー溥儀を担ぎ出し満州国を建国します。
しかし、その国が独立国であるかどうかに疑義が出され、リットン調査団が派遣され、その
報告書ができあがる直前に、東京駅で暗殺されたのが、犬養毅首相でした(5.15事件)。
まあ、そうしたことを頭で考えながら、せっかく長野の繁華街に来たのだからと映画館に行き
ました。最初はマンガ映画『ブッダ』でも見ようかな、と考えましたが、『アレキサンドリア』が
同時上映していて、こちらに興味が惹かれました。
舞台は4世紀末のエジプトのアレキサンドリア。この街は、BC538に「バビロンの捕囚」が
終わったあとからは、民族融合を目指すヘレニズム都市でした。それが、クレオパトラの死後、
ローマの支配下に入り、そのローマで、4世紀初めに、まず、コンスタンチヌス帝がキリスト教徒
になり、さらに、テオドシウスがキリスト教を国教として公認する時に、世界最大の図書館を持つ
この「知の中心都市」は大混乱の中、繁栄が終わります。
私は、大変興味深く鑑賞しました。 
カエサル以来、思想的に寛容だったローマ社会が、如何にして、非寛容なキリスト教国家になって
いくか本当に良く分かります。ここには、エジプトの土着宗教、ローマのジュピター信仰、ユダヤ教、
そして、新約聖書が編纂される当時のキリスト教が、見事に描かれています。
「初めに言葉ありき」という、言葉で規定される「神」が、どれほど多くの悲劇を生んでいるか、
はっきりします。
イエスがもっとも嫌ったのがパリサイ派。書かれたことが、神の全てだと強弁し煽動する聖書学者。
しかし、イエスの教えでもっとも救われたのが、当時のローマ社会の中の奴隷たちです。この奴隷
の存在まで、きちんと描かれ、映画の中で重要な役を演じます。彼らは皆、首輪をしていますが、
これが時代が下がると、指輪に変わっていきます。
この映画の主人公は女性の天文学者(これは、真理探究学者)で、その美貌は、実になまめかしい。
新井ワールドに、入りたい人は、必見です。
この映画と同じ時代に、日本列島では、応神天皇が登場して、宇治に都を開いています。
それが、「八幡」になっていきます。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。