中野・再発見。でも玉石混交。トキはエライ。

 GWに、東京から友人のKさんがきました。
 Kさんは、前日に野沢温泉に泊まり、私とは、5月5日に、
中野市にあるジャスコの駐車場で落ち合いました。
 さっそく、5月1日に開館したばかりの中野市博物館(文化公園内にある、元の創造館)に
いきました。 もちろん、お目当ては、柳沢遺跡や、縄文ビーナス、そして、栗林型土器。
こうしたものが、どのように展示されているか、楽しみに足を運びました。
 入場料は200円。 
公共施設で有料なのだから、それなりのものがあるはず、と入りましたが、
どこにも、柳沢遺跡の展示品はありませんでした。
5月1日の開館記念事業では、発掘調査の責任者の笹沢さんが講演を行ったはずなのですが。
 
 ガラスケースには、大俣地区の姥ヶ沢遺跡からでた縄文ビーナスがありました。 
これは、大英博物館が注目しているものです。
その横には、栗林遺跡の出土物が展示されていましたが、その中に、どう見ても、似つかない、
立派な白色の勾玉が飾られていました。しかも、わざわざ、首に掛けるように組みひもで組まれ、
ガラスの補助代までつけて展示されています。
 博物館内の展示全体で、がっかりしたのは、
中野市のどこで、何が(いつごろのもの)が出土したか、まったく、説明図も地図もありません。
 まるで不親切です。
その上、弥生時代の土器が、どかどかと中央に置かれているだけで、 これでは、
縄文時代から続く、この地方の人間の営みが、空間的にも、時間的にも、まるで、つかめません。
>> とても、ではないですが、まともな教育効果は期待できません。
なにより、なぜ、 柳沢遺跡の展示がないのか?   写真のパネルもない。
柳沢遺跡の発見は、日本中に衝撃を与え、しかも、笹沢さん自身が、 その出土物は、
>> 日本の古代史を解明する <「国宝級の発見」>と解説しているのですが、 
なぜ、それがないのか?
何でも、聞けば、学者たちの間では、新発見の場合、どのように解説するかは、発掘者のものを
優先するのが慣わしで、 柳沢遺跡の場合は、中野市が発掘したのではなく、長野県のものだから、
書けないと言います。
なにそれ。
それなら、
「現状は、長野県では、今、こう解説している」 として 発表すれば済むだけのこと。
展示自体していないことに、わざわざ、期待して中野に来たKさんは、
大変、がっかりしていました。
それよりも、 私が、気になったこと。 
栗林遺跡から、多くの玉製品が出ており、そこには、初期の勾玉があることわかりました。
これは、新鮮でした。
しかし、 その同じケースにあった、もう一つの、飾り物が、 どうも、おかしい。
確認すると、それは、やはり、出土物ではなく、 来場者に、
勾玉がどう使われたかを イメージしてもらうために、 レプリカを置いたとのこと。
でも、 レプリカにしても、年代が 違う。 これは、見る人が見れば、判る。
栗林遺跡のものは、 紀元前5~7世紀の弥生初期。
レプリカで置かれた勾玉の形状は、明らかに、紀元後1~3世紀の古墳時代のもの。
これを、同じケースの中に、何の解説もつけずに、一緒に展示するのは、
どう考えても、おかしい。 
もっと、いえば、博物館というなら、本来、やってはいけない。
時代の違うもの、それも、レプリカを、何も説明せずに、平気で展示するのは、
ごまかし、であり、
郷土の歴史知識を教える場で、初めから、混同を行っているのでは、
この中野市そのものの知的レベルが、疑われてしまう。
私は、是非、改めてもらうように、関係者に、お願いしましたが、
さて、どうなることでしょう。
それにしても、
今、中野市は、 農作物、 仏教、 古代史、 音楽家など、
多くの方面で、 急速に地名度を高め出しています。 
無名な来客者といえども、大変な目利き、ウンチクを持つものが多くいます。
そうした周囲の人が、 中野を見る目に対し、地元の人間は、 鈍感すぎます。
敏感なら、長野善光寺の御開帳の機会を捕らえ、元善光寺の南照寺に、
もっと人寄せができるはずです。
私たちは、この後、博物館をあとにして、オランチェに向かいましたが、
そこには、東京、埼玉、大阪、名古屋などのナンバーの車が多く並んでいました。
オランチェで出品される農作物は、100円均一でも、その中身は、「玉石混交」です。
本当に、美味しく、お買い得もあれば、中には、在庫処分に出されたものもあります。
個人名で、出品していますから、いずれ本物には リピーターがつき、
消費者は、直接、生産者にコンタクトしたり、あるいは、その農家を指名するでしょう。
「みどりのネット」 の仲間は、 初めから、
自分たちで、高い基準を設けていますので、その点は、問題ないのですが、
中野市全体を見た場合、 まだまだ、徹底されていません。
今、中野には、日本で最高の食材を集める高級デパートの食品関係者が頻繁に訪れ、
肉、果物、野菜、コメ、キノコ・山菜 の 「本物」 を探しています。
今年3月、佐渡のトキが飛来し、 中野のとなりの木島平村で、ドジョウを 啄ばみましたが、 
今、木島のコメは、 日本全国のスシ職人から、 最高級との評価を得ました。
そのドジョウがいた田んぼは、有機無農薬栽培の土壌なのですが、
そこには、特に、工夫された堆肥が仕込まれたようです。
つまり、日本一のおコメの稲の育つ土壌に、トキとって、最高のドジョウがいたのです。
トキは、佐渡から、海を渡り、北信濃一円を、悠々と翔け巡りながら、
一番美味しいコメのなる田んぼを見つけ、そこに生きるドジョウを、選んだのです。
「玉石混交」を 見事に、打ち破っていましたね。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。