(昨日は、一日中、原因不明の腹痛に襲われ、大量の嘔吐のあと、夕刻、やっと、
モノが食べれるようになりました。そして、午後9時のNHKニュースで、今回の
尖閣諸島の漁船の船長保釈の決定を知りました。)
24日、夕刻、沖縄の那覇地検が、船長の保釈を決定。
首相も外相もアメリカにいて、不在のときに、この決定を、官房長官が受け入れました。
ニューヨークの国連総会で、「最小不幸社会」の演説を菅直人総理がしているとき、
席を立つ各国代表が相次ぎ、最後は、会場の聴衆は4分の一もいませんでした。
アメリカのポチだったのが、自民党です。その中で、日本国民は、上手に仲間内で、
日本国家のマネーを、いろんな形で分け合っていた。
そして、借金が膨らんだ。 田舎の共同体の風土が、壊された。
民主党の菅政権は、アメリカとの間で、日米同盟があって、それが対等であると思い、
尖閣諸島を日米安保の対象範囲と言明させ、アメリカ軍が、この地域の紛争では、
日本側の要請で出動するとまで、言質を引き出しました。
一方、アメリカは中国に対し、人民元の切り上げを求め、これに対し、温家宝首相は、
「20%も40%も切り上げたら、中国経済が壊れてしまう」と反論しました。
これは、そのとおりでしょう。
この場面で、 今回の事件の対立の当事者は、日中ではなく、
米中の対立に、切り替わっていました。
このとき、アメリカと中国とで、どんな裏の取引があったのでしょうか?
今のアメリカは、 日本と中国の二つの経済体に支えられています。
この二つ国を、軍事的に衝突させるのか? そのときには、自分たちが引き出される。
東アジアでの対立が、たんなる、やらせ、演出のうちはいいですが、今回は、
アメリカの演出を離れた、日中の「ガチンコ対立」になりました。
中国が大量に保有する「米国債を売る」と、為替は、ドル安になり、アメリカの輸出では
有利ですが、国家の経済システムは、さらにガラガラになるでしょう。
米ドルを機軸にする世界経済全体が、今以上に大きな混乱を招き、
デフレ圧力が止まらない各先進国の経済回復は、完全に不可能になります。
今回の保釈の決定は、 日本の首相・外相のあずかり知らないところで、
いきなり、アメリカから、那覇の地検に保釈指令が出されたのはないか、と推測します。
これは、きっと、アメリカの最高機関の「国家安全保障会議」の決定でしょう。
日中対立が、アメリカの演出の次元を超えて、経済の報復合戦や軍事緊張になり、
アメリカ軍が軍事で、前面に出なければならないところまで、アメリカは国家として、
外交的に、日本に煽(あお)られてしまったわけですから。
そして、今、はっきりしたこと。
>> これまで、東アジアの緊張の裏にいたアメリカが、表に出てきた、
ということです。
それ以上に、私たち日本国民にとって重大なのは、今の共産党支配の中国の、
国家としての性格が、むき出しになったことです。
今後は、国境紛争では、日本は完全に、アメリカと一緒の行動しかできなくなります。
まあ、しばらくは、日本国民としては、不愉快な時間が続くでしょう。
補足:
それにしても、1971年10月に、今の北京政府が国連に復帰するとき、
この尖閣諸島に関して、アメリカは、どんなコミットをしたのでしょう。
気になるのは、同年7月のキッシンジャーの訪中です。
この時点では、尖閣諸島は、アメリカの管理下でした。
田中角栄が、1972年に訪中し、日中国交回復交渉をするとき、
この尖閣諸島の帰属について、周恩来との間で、もめました。
そして、「棚上げ」となったのですが、日本は、実効支配を続けてきました。
それに対する、中国側の長期的な奪回計画が、今回の漁船であり、
それをさらに、阻止したのが、海上保安庁の拿捕でした。
「日本は、属国である。
その国境での係争案件は、自分独自では解決できず、
最終的には、アメリカの判断の中で、すべて決められる。」
民主党は、この 《不幸で、不完全な国家》 の姿を、 本当に、はっきりと
私たちに示してくれました。
こうした、事実を踏まえて、どう、生きるかです。
日本の国家としての限界が見えたことで、ほかのアジア諸国は、どう判断するか?
また、アメリカの軍事力をどう考えるか?
そのとき、絶対に忘れてはならないのは、
中国対策は、 世界中の国と一致して、動かなければならないこと。
オバマは、早速、アセアン諸国と会合を持ちました。
そして、現代史の闇(中国共産党も含め)を、とことんうち払わない限り、
日本の国家意思は、国際政治の場面では常にゆがめられ、翻弄されるということです。
今は、ここまで書いて、終わりにします。 また、腹痛が始まった。
はっきりしたこと。日本はアメリカの属国。
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この記事を書いた人
新井信介
1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。