満州事変勃発の9月18日に、尖閣諸島「中華大集結」の謀略があった?

 ここ1年間、私は、日本の政変で民主党の動きにばかり気になっていたのですが、隣国
中国については、国内の矛盾は確認していましたが、人民解放軍、なかでも海軍の動きに、
あまり注意を払ってきませんでした。これは、反省しないといけません。
 9月7日、 日本の海上保安庁が、中国漁船を拿捕したのですが、そのあとの、中国側の
あまりにヒステリックな反応に、一体、なにがあるのか、少し調べました。
12日の午前0時(日本時間1時)に、
《中国の戴秉国(たいへいこく)・国務委員が、丹羽宇一郎・駐中国大使を呼び出し、
「重大な関心と厳正な立場」を表明、その上で、「情勢判断を誤らず、賢明な政治決断を下す」
よう要求、漁船や逮捕された船長らの早期送還を改めて求めた》 のですが、
この背景には、一体、何があったのか?
日本では、このとき、民主党の代表選挙の最終局面です。
呼び出しの日は休日で、中国の国務委員、さらに、政治局員が、全員、集まって、
国家の重大事とばかり、秘密会議を開いていたのでしょう。
その結果をうけて、興奮した状態で、丹羽大使を呼び出したのでしょう。
では、その会議では、一体、何が話されていたのか?
もしかしたら、そのとき初めて、人民解放軍と政治局強硬派が進めていた、重大計画が、
胡錦濤と温家宝のもとに、伝えられたのかもしれません。
それはなにか?
どうも、9月18日、これは、満州事変の日ですが、この日に合わせて、尖閣諸島の海域に、
中国・香港、そして、台湾の親北京派の人間がスポンサーとなって、大量の漁船を繰り出して、
「ここは中国領だ」 と アピールする大計画があったのではないか、 と勘ぐられます。
このことを、今年7月の段階で、いち早く、私たちに、警告していたのは、
チャンネル「桜」です。 中国からの帰化した、鳴霞氏が、指摘していました。

私は、このネット放送は、だいぶ偏りがあったので、あまり見なかったのですが、
少なくとも今回の事態を見る限り、尖閣諸島に関しては、その警告は正しかったようです。
そして、それを知っていたかどうかは別としても、「大集結」の10日前に、先にこの海域に
入り込んでいたなかに、この漁船の船長がいたようです。
海上保安庁としては今年に入り、日々、漁船の数が増える事態に、この7日に拿捕を決行
したわけです。
9月18日の「大集結」を知っていた人間が、未然に、日本側に教えたのでしょうか?
 2001年の「911」以後、中国は、本当に、自分の国の足元を見つめず、影響力の拡大
を図りました。 その中に太平洋への進出があり、その突破口にこの尖閣諸島を位置づけて
いたのす。
 当初の計画では、その日には、アメリカがまったく手出しをしない状況下で、しかも、
日本の海上保安庁では、なにも対処できないほどの大量の漁船を浮かべて、既成事実を
作り上げる計画だったのでしょう。
 こうしたことを、国家的な長期戦略として決定し、密かに(堂々と)進めていたところ、
それがもうすぐ達成できる、その直前に、今回、打ち砕かれたわけです。
これなら、皆アタマに血が上って、日本の大使を深夜に呼び出すしかなかったわけです。
今、中国の指導部は、ここまで大風呂敷を広げ、それが、最後の段階で頓挫しただけに、
これまで北京に協力して、一緒に巨大なあぶくゼニを儲けてきた華僑たちが、これから、
どっちに向かうのか、びくびくしていることでしょう。
国内の人民のことを、本当に思うなら、そして、本当に、世界から尊敬される国になりたい
のなら、 軍事力の拡充でなく、今は、雇用であり、そして、環境問題、さらに、格差の是正に
取り組むのが筋でしょう。
今回の件で、中国が、まともになれるかどうか?
きちんと、ルールをまもるなら、世界は、中国の成長を大歓迎するのですが。
私自身も、 2004年以後の中国は、好きになれませんでした。
 まともになってもらいたい。 それだけです。
小沢一郎も田中真紀子も、本当に中国の友人なら、「足元をみなさいよ」と忠告すべきです。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。