「小沢訪中団」は外交戦略そのもの。  田中角栄が中国河北の白洋テイで見たものとは。

その1)
  沖縄普天間基地問題で、民主党の姿勢がフラフラしている中、
 民主党の小沢幹事長が、大訪中団をくみ、 それに、
 胡錦濤 国家主席が、国賓待遇で、応対です。
 一年生議員全員と握手するなど、ほかの国の代表団では
 ありえない話です。
 一方、小沢氏は、来年度の国家予算に関する陳情を、
 鳩山内閣の「政府」で受ける前に、「党」が、受けるとして、
 自分がその最高権力者の立場に立ちました。
 小沢は、 <権力がどこに発生するか>、よく知っています。
 今の国際関係でもそうです。
 21世紀の在日米軍の存在理由は、 東アジア、なかでも、「北朝鮮の危機」
 ですが、 これには、日本が、監視衛星を持ちましたので、 これまでのように、
 アメリカ発の危機情報だけを、鵜呑みにした外交はなくなります。
 現在の首相は、優柔不断な金持ち坊ちゃまですが、 この人の言動や迷いは、
 いい意味で、アメリカを揺さぶっています。
 どうも、この、民主党、国民新党、社民党の、三党による政権 を実現させた人間は、
 本気で、 戦後体制を、終わりにすることを考え、それを着実に、進めています。
 それも、中国や韓国、そして、アメリカまで、巻き込んで。
その2)
< 田中角栄の 外交の原点  ・・・ 共産ゲリラの巣。 白洋テイ>
 
今から、15年ほど前のことです。
 私が、北京に、会社を持っていたときです。
 北京の南方にある、白洋テイ(サンズイに「定」)という、広い湿地帯の湖に行った
 事があります。 スッポン養殖をしたいので、出資してくれないか、というので、
 現地を下見にいきました。
  そのとき、面白いところに案内されました。
 村の先祖を祭った祖廟があったのですが、そこには、小さいながら、 なんと、
 田中真紀子夫妻から記念の幣が、ありました。
 村の人に、聞いてみると、なんでも、田中角栄氏は、戦争中、二等兵として従軍し、
 北支(華北のこと)に進駐したのですが、日本軍部から共産ゲリラ対策に前線に
 送られてしまい、 偵察のつもりで、ここまできたとき、捕まってしまったのです。
 その場所が、この、 白洋テイ でした。   ここには、温泉も吹き出ています。
 田中角栄は、そのとき、どんな酷い扱いを受けるか、覚悟していたそうですが、
 共産軍ゲリラにいる人間の祖国愛と、明確な目的意識と戦略性、規律の取れた
 組織活動と、全国に網羅された情報網、 生存のための相互扶助など、
 多くの事実を目の当たりにして、 日本の軍隊のあり方に疑問を持ちます。
 角栄が1972年に日中国交回復を実現する、その精神的基礎は、この捕虜体験
 だったのです。
 一方、小泉、福田、安倍の各首相のいた自民党清和会は、岸信介がつくった政党です。
 岸は、満州で、ありとあらゆる政治的実験をした、と自ら言っています。
 その満州の進出の裏には、 アメリカの画策がありました。
 戦後の自民党にあっては、中国に対して、二つの見方があった中で、 
 田中角栄を引き継いだのが、今の民主党の、小沢一郎です。
 こうした、パワーゲームが、今後、どこに行き着くのでしょう。
 決め手は、 私たち自身です。
 陳情に、明け暮れているうちは、まともな未来は、来ないでしょう。
 以下、日経ネットニュースから。
<同行600人、小沢訪中団が羽田を出発 胡主席と会談へ>
 民主党の小沢一郎幹事長は10日午前、中国を訪問するため、民間機で羽田空港を出発した。
国会議員約150人とその支援者らを合わせた訪中団約600人が同行しており、同日午後に北京
に到着。人民大会堂で胡錦濤国家主席と会談し、民主党と中国共産党の交流の強化を確認する
見通しだ。
 小沢氏は11日夜には北京からソウルに移り、12日夜には韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領
と夕食をともにしながら会談する。13日に帰国する予定だ。
 小沢氏は帰国後、各都道府県連を窓口にして集約された地方自治体や業界団体の陳情を自ら
絞り込む。党の重点要望については鳩山由紀夫首相に直接伝える意向だ。政府は党からの要望
提出を待つため、来年度の税制改正大綱や予算編成の基本方針の決定を遅らせた。(10:53)
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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。