「とにかく、戦争をしないように」。日本と中国に「梅」が課したこと。

 こんにちは。

日中外相会談で、安倍と周の面会が、実現することが決まったようです。

安倍は、2年前に政権を奪ってから、「日中間には国境問題(尖閣諸島の領有権問題)は存在しない」という立場で、相手の言い分をまったく聞かなかったのですが、今回、中国側に異なる意見があると認めたのは、外交的には、敗北です。

しかし、どうしても、首脳会談をしたかったのでしょう。「拉致問題」は空振りだったし、経済界からの要請もあります。今、背後には、もっと大きなものが動いています。 

今回の面会を、中国側は、「日中指導者の接触」というのですから、お互いの立場の確認だけに成ります。

それでもお互いの言い分を確認することで、日中間には、急速に、戦争を起こさない枠組みができあがります。

これは、北京政府と、台北政府の対立が解消したときと、同じプロセスです。

よって、安倍政権の裏側にいる「戦争屋」は、急速にしぼんでいきます。今年2月に、私が「動画メッセージ」で、表明した危惧は、これで、なくなりました。日中双方にいる戦争屋を押さえ込んだのです。 

 今回の「火消し」に、もっとも動いたのは、福田康夫元総理でした。

この人物は、総理在任中の2007年12月に訪中したとき、以下の発言をしています。

初訪中は「梅の花咲かせる旅」=福田首相
【済南29日時事】「胡錦濤中国国家主席が来年の桜の咲くころに訪日する。今回の訪中は、『梅の花を咲かせる旅』だ」。福田康夫首相は29日夜、滞在先のホテルで山東省共産党委員会の李建国書記と会談した際、自らの初訪中をこう例えた。
日中首脳の相互訪問は、昨年10月の安倍晋三前首相の訪中が「氷を砕く旅」、今年4月の温家宝首相の訪日が「氷を溶かす旅」と呼ばれている。温首相は福田首相の訪中について「日中関係に春が来た」と述べていた。 時事通信 12月30日3時0分

 首相、日本人虐殺の「済南」に宿泊
中国訪問中の福田康夫首相は29日、戦前、居留邦人虐殺を契機に日中が衝突した「済南事件」が起きた山東省・済南市に宿泊した。30日に訪れる曲阜に最も近い大都市であることが滞在の理由だが、事件にちなむ行事は行われなかった。 済南事件は昭和3年5月に発生した。居留民を内戦から保護する目的で出兵した日本軍が、蒋介石率いる北伐軍と衝突し、混乱の中で日本人12人が虐殺されたことなどから、日本側が済南を攻撃して占拠する事態に発展し、その後、中国の抗日運動が激化した。
中国側の見方は異なっており、中国の中学生教科書には「日本帝国主義は国民政府の北伐を阻止するために公然と出兵して済南を占領し、中国軍民双方を6000人余り殺害する済南事件を起こした」と記述されているとを、外務省が国会で答弁している。 友好関係強化をアピールする今回の訪中で、歴史認識問題は首脳会談でも主な議題には上っておらず、首相も同事件についてあえて言及していない。(済南 酒井充) 産経新聞 12月29日18時22分

このあと、翌年、福田氏は、「あなたとはちがうんです」といって辞めました。

あのときに話した、 「梅の花を咲かせる旅」。   ようやく、その花が、咲き出します。

「梅」は、客家の花です。 

 ・・・一方、中国の国花は何か?というと、  牡丹 というのが有力。牡丹は、洛陽が有名です。

洛陽は後漢の都。北魏の都は、最初は「平城」で、493年に「洛陽」に遷都。 日本で、京の町を、洛中、洛北、洛南、などと呼ぶのは、この「洛陽」から来ています。

東アジアをひとつにしたい。これは客家たちの願いです。彼らが、BRICS開発銀行の裏にいる重要勢力のひとつです。本部はハワイにあるようです。広東省生まれの孫文も、ハワイの地で、青少年期を過ごしました。

 梅 頌 ・・・ これが、かれらの合言葉です。なんて、読むか分かりますか? 中国大陸が汚れたままでは、彼ら客家たちもご先祖に顔向けできません。 環境改善に、日本人との協力は不可欠です。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。