「ダイヤモンドは傷つかない」三菱系企業の国庫資金分捕り例の一つ『地球環境パートナーシップ会議』。原発廃炉など「国民全体の一大事」は全て、テレビ完全公開で進めよう。

 国会中継で、面白い映像があります。松野信頼久氏が、小渕経済産業大臣に質問しています。小渕氏は、当然ながら、官僚原稿を読むだけの存在です。それでいい、と考えているのが、これまでの政治家です。

 私たちがアホな政治家を選んで、官僚たちを野放しにしておくと、大学同期がいる企業と組んで利権屋になる一例です。 

 この録画で、『地球環境パートナーシップ会議』の運営に、三菱総合研究所の名前が出てきます。

https://www.youtube.com/watch?v=3_6JEYKAq2g&feature=youtu.be&t=37m59s (ここの40分から)

 あるツイッターでは「福島原発廃炉のための490億円の基金を管理している団体は、原子力は素人で事業所は常勤3人だけ、仕事は三菱総合研究所に丸投げ。予算委員会で追及されて、小渕大臣がオロオロ。」 と。

 幕末、坂本龍馬の「遺産」を引き継いだ岩崎弥太郎がつくった、三菱。「スリーダイヤモンド」。

明治の日本の近代化とともに、巨大財閥に発展しました。今の丸の内にある三菱地所は、もともと江戸時代に、旗本屋敷があったところです。江戸時代の両替商から始まった三井や、銅精錬事業から財を成した住友よりも、「近代国家・日本」と、近い関係にありました。

戦争・大災害など、国家の大事件・大事業があるときには、 優先的に、国家予算を取りにいきます。

三菱の人間にすれば、自分たちの利益を得るために、国家がある。あるいは、そもそも、俺たちが、近代国家をつくったのだ。こんな意識なのでしょう。

 「ダイヤモンドは傷つかない」  近代国家の中で、自分たちの立場は磐石だと感じていたのでしょう。

 そんな、三菱ムラの人間の誇りに、思いっきり泥をぬったのが、NHKの大河ドラマ「龍馬伝」でした。創業主の岩崎弥太郎の青年期を、遠慮会釈なく、貧しい姿に描きました。きっと、三菱ムラのお坊ちゃんが通う成蹊大学の卒業生たちは、さぞや憤慨したことでしょう。 会社のご先祖様があしざまに描かれたと。安倍とその背後の人間に、NHK経営委員を総入れ替えさせる決意を固めさせた要因の一つになったのは間違いないでしょう。(安倍とその周囲は、NHKの中国、韓国報道に作為があることに大いに怒っていました。戦後のNHKには、朝日新聞と同じく、経済界が親米一辺倒になっていくのを嫌う、別の次元の意志が働き、それを反映していたのです。 それが、今では、NHKは、長州藩のヨイショ番組を大河で作って、安倍政権に応えようとしています。)

 戦後の日本は、占領軍の司令で、一時、財閥解体を進めますが、朝鮮戦争とともに始まった経済復興の中で、再び、大企業グループが、銀行を起点にして復活します。これは、三井も住友も同じでした。このとき、「天皇の金塊」由来の、多くの特殊資金が用意されました。

 三菱系列の企業が時代のニーズを先取りし、次々と新商品を開発して、国家を富ませてきたのは、事実です。

ただ、このときの活動が、国家の「政治」(国家資金、権利)と、極めて近かったのです。もちろん、戦後の、アメリカの戦争屋から出される無理難題に、どう対処するか、これは、一部の人間の裏交渉になります。

 日本人はすぐに、「落としどころ」を探りますが、三菱の幹部は官僚たちとすぐに一体化し、とにかく、資金確保をしておくのです。 (これは、三菱に限らず、「それこそが、政治だ」と考える人間が権力に近づくのです)。

 昨日から、国会が始まり、原発の廃炉に関しても質疑が始まりました。

民主党政権時代に、「311」以後の復興資金が、メチャクチャな使われ方をしたのですが、

 「地球環境パートナーシップ会議」なる団体に、400億を超える資金がまる投げされ 実際の運用は、三菱総業研究所が行っているといいます。 

 「お仲間たち」に、まず、国家の資金を、ふんだんに、まわしておく。 これが、官僚であり、その官僚と親しい、大企業と、その人間に流れるのです。

 資金の流し方のお手盛りもさることながら、 ほんとうに、そんなことで、いい現実を、作り出していけるのか? ここが問題です。

 特権意識をもつお受験エリートの少数者が、「自分たちだけでやる。だから、まず、カネを回せ。 政治家は、どうせ、なにもわからない。」と、大げさなお題目をかかげ、 国家予算を好きなようにこねまわします。

 彼らが、カネをとることが目的になっていれば、 痛んだ現実は放置されるままです。それが、続いています。

 いろいろな困難に直面している地域の当事者の人間が、自分で自発的に資金を集め、さらに、世界中から現実に問題解決能力がある人間を捜し求め、彼らに実際にやらせる仕組み(独自財源の奨励、出資・融資の信用保証支援、科学技術情報の公開)を創らないと、この国は、どこまでいっても、この明治以来の「国家」に取り付いているお仲間の「国家資金分捕り主義」の罠から抜け出せません。

 問題解決を望む人間(地域)自身が、主体的に、世界中から真剣に、知恵と、資金と、人材を探し、その報酬も、彼らに決めさせること。 その権限を、持たせること。ここが、日本の復活に成ります。

PS:ダイヤモンドは、燃えてしまうけどね。「600℃から黒鉛化、800℃以上で炭化していくのがダイヤモンド」    http://www.toishi.info/faq/question-ten/diamondheatresist.html

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。