帰国しました。

今回の四川(成都・閬中)訪問で、

 シュメールから、東アジアへの文明化の流れが分かりました。

四川は内陸ですが、黄河の源流に近い天水(宝鶏)からは、 秦嶺山脈の西を水源にして南に流れる嘉陵江を下ると、入り込むことが出来ます。

これが、長江の本流になって行きます。

長江文明では、6000年前から4000年前まで、下流で、良渚文化が大繁栄しました。

 これは、稲作の文化です。

これが、4000年前の大洪水で滅亡し、そのあと、四川盆地で興きたのが、三星堆文化でした。

今回は、この三星堆をまず最初にみてから、閬中に向いました。

 良渚文化や殷(商)を吸収した後、 この地方では、周代には、銅銭に関し、独特の文化を生んでいます。

この長江文明は、稲作文明でしたが、はたして、そこに、文字があったのかどうか? 

京都の日文研の人たちは文字を探しているようですが、 日本との対比を考える時、さて、それは、どうかな?

そして、良渚文化が始まった時、北方(遼寧省西部)では紅山文化が始まっており、中国政府は、ここが「龍の起源」としていますが、そこで出た、土偶のビーナス像には、ヒスイが埋め込まれていました。

さて、そのヒスイは、どこから来たのでしょう。 これも問題です。

世界が一つになる物語が、今、浮かび上がってきます。

PS: ここで、訂正です。

 閬中は街として、世界遺産に登録を目指していますが、四川省内に多くの名所があるため、中国国内での登録申請順位があとになり、まだ、世界遺産ではありません。今回、見ての印象ですが、単なる景観だけではなく、歴史的役割が再確認されれば、間違いなく、それに値すると思います。 特に、今に繋がる農暦の発明者の落下コウがこの街で生まれた意義はとても大きい。 私は再現された故居で、管理者との話に夢中になりました。

 また伝説上とはいえフッキがここで生まれ、世界で初めて養蚕を始めた事も、中国文明を語る上で欠かせません。 

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。