今夕、鳩山総理大臣は、社民党の福島少子化担当相を罷免しました。
鳩山政権での普天間基地の移転先が、2006年の自民党案の辺野古に戻る
結果になることに社民党の福島党首が反発して合意案に署名せず、
これに対し、政権として結論を出しました。
昨年9月の発足直後、「東アジアを、平和と繁栄の海にする」といってスタート
した政権でしたが、最後は、韓国の哨戒艦の沈没で、その方針も沈没したので
しょうか。
東アジアに危機があったほうが、都合がいい。だから、危機をわざと作る。
こうした考え方を脱出しようとして、理想を掲げたのはよかったのですが、
いかんせん、その実現のプロセスがあまりに稚拙で、現実の利害関係者の実際
を全く知らないでいる間に、そうした人間たちが誘導する論理の罠にはまり、
そして、結果的に、大失態と成りました。
分かれ目は、鳩山氏が、「海兵隊は抑止力だ」と認めたときでした。
これは、本来ありえません。
日本の島嶼を守るのは、日本ですから、それを、アメリカ海兵隊でなく、
自衛隊が他国が占領した日本の領土を奪回する機能をもつべきなのです。
それで、済む話でした。
そもそも、安全保障に全く素人の北沢氏を防衛大臣にしたことが問題だった
のでは。 一体、誰の人選だったのでしょう。
以下は、安全保障に詳しいとされる長島政務官の反省の弁です。
産経新聞からです。
・・・引用開始・・・
長島昭久防衛政務官は28日、都内で開かれた日米安保条約改定署名50周年を
記念するシンポジウム「安保50周年と日米関係」(フジサンケイグループなど協力)
で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設をめぐる鳩山政権の
対米交渉について、
「率直に認めて、混乱した8カ月間だった。米国からすればどんな政権が出てくるか
よく分からず非常に不安を持っていたが、われわれはメッセージの出し方が稚拙だった」
と述べた。
移設問題を担当する防衛省の政務三役が対応のまずさを認めた発言で、波紋を呼びそうだ。
(記事本文の続き)
アマコスト元駐日米大使も基調講演で、「東京もワシントンも混乱の責任を認めるべきだ」
と、日米双方に一定の責任があるとの見方を示した。鳩山政権については、
「『対等な日米関係』を明確に定義せずに、『同盟は不平等だ』と不満を述べた」と批判。
閣内不一致や移設先自治体との調整不足も指摘した。
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> アメリカ側にも、理想にむけて協力しようとする人たちもいたことを暗示しています。
振り出しに戻させた、力は何か?
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この記事を書いた人
新井信介
1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。