4月から、郷里の中野市で暮らして、改めて、信州(長野県)のすばらしさを
再確認しています。
京都の宇治に8年間暮らしたとき、すぐ近くに宇治川が流れ、宇治神社
一帯を庭のように感じて毎日を楽しみ、さらに、京都の東山や大阪の淀屋橋
には京阪電鉄に乗り、琵琶湖の長浜や京田辺・木津には、よくドライブしました。
歴史探訪が好きな自分には、宇治での日々は、文化を味わう喜びの連続で
したが、ただ一つ、夏は、大変、暑く、そして、湿気でじめじめしていました。
それでも我が家は、宇治川の上を流れる、「歴史の香り」のする風を味わって
いたかったので、 8年間、全く、冷房を使わないで、暮らしていました。
それに、比べ、長野の夏は、気持ちいい。
肉体と、宇宙が、ストレートに、一体化できる。
特に、昨日は、 菅平高原の「風」の気持ちよさを再確認しました。
大学(東京外国語大学陸上部)の後輩たちが、菅平で合宿していたので、
果物の差し入れをかねて、家族で、見学に行きました。
この場所は我が家の墓地がある須坂臥龍公園(今は、公園内にある動物園
のカンガルー・ハッチで有名)からは、車で20分程度のところです。
菅平は、今では、夏場は、すっかり、大学・高校のラグビーの合宿のメッカ
としてで有名ですが、ここにはサッカー場も陸上競技場もあります。
本当に心地よい風が吹いています。
後輩を見つけて声をかけると、すかさず「今日は一緒に走るんですよね?」
と聞かれましたが、 自分の緩みきった腹を見せて、「無理 無理」。
そのとき、すでに、息子は競技場内を、好き勝手に走りだしていたのですが、
こっちに戻ってきて、「お父さん、どうやったら、速く走れるの?」と 聞きます。
こっちは、すでに体重が80キロ近くにまで増えて(学生時代は64キロ)、
しっかりメタボ体型になっているので、無理をすると脚を怪我すると気になったの
ですが、昔を思い出し軽く走って、腰の入れ方や、脚の運び、腕の振りを教えます。
息子は、また、明日も来たい、と言い出します。
どうしようか?
でも、 ここに流れる風は、味わえるものなら、少しでも多くの時間、単に、
感じるだけでなく、体の各細胞全部にまで、沁みこませていたい。
風の強さ、細かさ、渦の湧き具合、そして、嗅覚を刺激する、匂いや香り、など、
ここで味わった感覚は、軽井沢、蓼科、志賀高原、野尻湖、戸隠、白馬、明科と
いった他の名所とは、 全然、違うものでした。
夏を どこですごすか?
私は、日本内外もふくめ、いろいろなところに行きましたが、
この菅平の空気は、格別でした。
きっと、合宿する若者たちの新鮮な活気が、怠け者の私の脳幹に、
もっと、やる気を出せ、と、いい叱咤の刺激を与えてくれたのでしょう。
高原の風は、気持ちいい。菅平。
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この記事を書いた人
新井信介
1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。