自民圧勝で3年間、政権は安泰。山本太郎当選で暴動阻止と被曝事実公開。

こんにちは。21日の参議院線選挙は、マスコミの予想通り、自民の圧勝でした。注目は、脱原発の候補がどれだけ当選するかでした。そして、不正選挙がどの程度行われるかにも、私は、関心がありました。

20日の東京皆神塾に来た参加者が、「もし、山本太郎が落選するようなことがあれば、間違いなく暴動が起きますよ」、と指摘していました。この選挙期間中、山本候補の行く先々はどこも黒山の人だかりでした。自民党候補とは、まったく対称的でした。ここまで現実に支持者がいるのに、もし落ちたら、そこにはミエミエの大規模不正があり、選挙そのものがやはりインチキなのだ、と、山本氏の支援者のみならず、一般の有権者も感じることになる。

 選挙の結果、山本太郎君は、はれて当選。そして、早速、地上波のTV(テレビ東京、テレビ朝日)に露出し、20ミリシーベルト/y、100ベクレル/kgの危険性、そして、メディアと電力会社の癒着を指摘しました。

 テレビ局側は、電力会社との癒着の存在を否定するしかないので、今後は、番組内の編集権(CMの差込み)の問題は残りますが、今の被曝状況に関して、これまで伏せていた事実を公表するしかなくなります。

このことは、もっと正確に言えば、電力会社=原発マフィアに裏で脅されたり、自主規制をせざるを得なかったメディア側の人間に、事実を報道するのは社会の公器として当然の責務だという正論をもちだして、そうした圧力を跳ね返す力を与えます。

 そのためでしょうか、さっそく、東電側が、「新たな分析から、放射性物質を含んだ地下の汚染水が海に流れ出ていると判断した」と報道があると、それに対し、福島漁連の野崎会長は、「ショックだった」と話したことを伝えています。

 今まで、事実は別として、(分かっていても)東電も漁連も汚染水の流出がない、として論じてきたのです。 

福島は問題ない、安全だ、というまったく根拠のない「お上」の判断で、なんとか済まそうとしてきたのですが、これが出来なくなったのです。

 ロシアから来た子供たちが、福島に着いた途端、そこが、0.3マイクロシーベルト/h 以上あると知って、外に出なかったのも、福島の人間にはショックなことでしょう。福島県は、佐藤知事を先頭に、自分たちの仕事と給与がなくなるからと、これまでの規準では、とても人が住めない汚染地域に、そのまま、こどもたちを住まわせていたわけですから。しかも、民主党政権下では、「政治主導」を言い出した各政務三役は原発マフィアに簡単に篭絡され、「食べて応援」と「瓦礫受け入れ」で、放射能汚染を、全国に積極的に広めてきたのですから。 

今回、自民党は政治的には安定多数を確保したが、放射能に関しては、被曝の実情の隠蔽は出来なくなった。

これが、この選挙の最も重要なことでしょう。

憲法改正、日中関係、TPP は、 この安定多数になった自民党政権と、公明党との調整の中で進みます。

昨年12月の選挙以来、安倍に、政権を持たせ、そして、今回の参議院線選挙で安定多数を確保させたので、これからは、本当に、改革が出来る政治体制になったともいえるでしょう。

国会での運営体制を十分に安定させたという意味で、安倍は功績をあげることできた(メンツを回復させた)ので、あとは、いつ、どのような退け時を準備するか、奥の院のジイサマたちは、この算段を進めているのではないか、と私には感じられてなりません。

 民主党政権時代は、事務次官会議が廃止され、政治主導のもと、官僚たちは、サボタージュと個人の利権作りに走り、復興予算では目的外使用という、背信・横領が全面的に広がっていたのです。 これが、これからの安倍内閣、およびそれに続く自民党政権の内閣の下では、国会で安定多数を得たわけですから、どこまで修正できるのか、特に、官僚と族議員たちの利権を解体できるのか、本来、期待したいところですが、私は、まだまだ懐疑的です。

 自民党政治は、カネのバラマキ以外、何の知恵もないでしょう。TPPの見返りに、どこまでどこまでも新たな形のバラマキを続ける。(どうも、都市部の商店街対策に、一律、年400万円程度を配ろうとしているようです。もちろん、TPPについては、農業では、またまた、多くの補償金を用意するようです)

 憲法改定、とくに、国防軍の設置は、無理して、国家の大義、国家の枠組みを、大きくしようとするものです。

歴史の趨勢を言えば、人類としての普遍的な価値を体現した統治体を生み出す意志が、国家対立を超えて、平和で持続的に繁栄する生活環境を作り出すものですが、今の、安倍自民党は、それとは、ま逆の方向です。

 私は、この安倍政権による安定多数は、私たち自身の自律・自立を促すための『ブタの尻尾』の作用ではないか、と考えます。ブタは尻尾を強く引かれると、その反対の方角に、勢いよく逃げ出そうとするものです。それも、命がけになって。

 放射能のこと、そして、被曝の事実の公開、さらに、地震の脅威に加え、私たちは、今、TPPでの食品汚染、そして、安倍政権による意図した緊張つくりなど、これらに対し、本当に、自分で、自分自身の生存を意識しないといけないところに来ています。

 

 

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。