講演会のお知らせ

開催日:3月21日(月祝):
場所: 東京都文京区湯島3-35-9  湯島白川ビル3階
時間: 14時~17時(終了後の懇親会は中止とさせて頂きます)
(注)「開場:受付開始」は13時30分です。
参加費: 3500円 (瓊音倶楽部会員は2500円)


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中国二千年の呪い。権力市場経済の極み。

 こんにちは。
中国のことを書きましょう。
今回、訪ねたところは、 河南省の鄭州、湖南省の長沙、そして上海です。
元兵士だった若社長のいる鄭州に着いた2月28日は、春節の休みの最終日で、
いたるところで花火を上げていて、鄭州の街は、大いに賑やかでした。
私は、今回、鄭州からは、黄河沿いにある、炎帝黄帝の記念碑にいきました。
ここは、中華民族の発足の場所とされています。
炎帝の名前は、神農ですから、これは、バアル神 です。
そして、長沙に移ってからは、毛沢東の故郷のショウ(音+召)山に行ってきました。
この村の学校には、改革開放の実験地の深センから、多くの寄付がなされていました。
もと人民解放軍の兵士が、社長になって何をするのか?
薬草酒(若返り) と 天然の無機肥料 の生産でした。
これに、国から、農業対策の奨励金が手配される見込みなので、
製品やビジネスを見てほしい、というものでした。
どちらも、中国国内には、十分なマーケットがあります。
ただし、ここで、問題。
手にした奨励金の半分は、 関係者(主に役人)への付け届けに消えてしまう
というのです。
でも、本人曰く、自分は、とてもラッキーだといいます。
すでに「関係」を築いてあるから、こうした国家の資金を手にした後に、
関係者に、あとから付け届けをすればいいが、 今、 こうした「関係」がないものは、
まず、自分で、奨励金の半分以上のカネを持ち出して、やっと、その資金を手にする
ことができるようになる と。
若社長は、目をキラキラさせていました。
この話を、上海の友人に話しました。
こっちは、日本なら大蔵官僚の身分を捨て、自分で下海して(実業界に入って)、
日本の中小企業向けの中国進出サービスですでに実績を上げている会社の
社長ですが、どうも、疲れきっていました。
どんなに人脈があっても国家の資金をくすねることを潔しとせず、コツコツと業績を
伸ばしてきた人です。すでに息子がアメリカの大学院に推薦で入学していることもあり、
もう、これまでのように、ビジネスに熱意が沸かないのかもしれませんが、
彼は、地方の青年社長とは違って、中国の今後について、極めて悲観的でした。
新規に、環境問題などで、いい事業をしようにも、とにかく、官僚たちへの
付け届けに、本当の多くの資金がかかってしまうことで、事業そのものが
成り立たない、というのです。
銀行から、5%の金利の資金を借りても、 実際は、10%以上の金利の資金と
同じことになるといいます。
単純な単品の売り買い案件なら、関係機関が少ないのですが、これが、
バイオマスやリサイクルなど、複雑になると、とにかく、関係部門が多くなり、
これに、すべてに根回しが必要で、これだけで、本来の仕事が立ち上がってこない。
中国では、役人たちは、事業がうまくいく行かない以前に、事業をする、事業をさせる
その立ち上がりのときに、自分の懐を暖めようとします。
これが、すべての事業の担当者本人にも、共通だというのです。
一番、いい例が、相変わらずの不動産投資です。
すでに、2億人分の新築住居が余剰となっているのに、いまだに造り続けています。
この動きは、特に内陸部の都市で、活発で、さながら、
鄭州は、10年前の北京、 長沙は、10年前の上海です。
大連、青島、アモイのマンションが、買った値段より、高値では売れなくなっていますが、
それでも、全国的に、まだ、建設が続いています。
なぜか? 何のために造るのか?
マンションを造ることで、田舎の労働者に、雇用を生むのはもちろんですが、
一番は、金融担当者が、デベロッパーから、個人的に見返りをもらっているのです。
また、そのデベロッパーは、建設会社から、 
その建設会社は、資材の納入業者や、労働者の派遣元から、それぞれ、
個人的に、ペイバックをもらっているのです。
マンションデベロッパーは、市街地の土地を、その街の市政府の払い下げを
入札して購入しますが、このときに、わざと安く買わされ、市政府の人間に多くの
付け届けを要求されます。
 しかも、そのとき、同時に、どの銀行から、資金を借り入れよ、とまで、
行政指導を受けます。
全部、これ、マンション開発 という、事業をネタにして、皆個人が、儲けているのです。
こんなことが、人口で10倍、面積で26倍の中国で、どこでも起きているのです。
政府は、汚職撲滅キャンペーンをやっていますが、当然のことながら、その担当官に、
自然と、多くの資金が流れ込みます。 見逃しのための 事前の付け届けです。 
どんな小さな権限でもあれば、それが、すぐに、カネに変わるのです。
それゆえに、今、大学生の公務員人気は絶対で、なんでも、競争率は3000倍です。
付け届けをする側から、付け届けをもらう側 になること。
これが一番いい、と誰もが考えていますが、
そうして官僚になっても、より権限の大きなところに出世しようと、また、付け届けです。
青年社長が言っていました。
今では、現金は、誰も受け取らない。
クルマも、受け取らない。
値段の分からないもので、相手が、喜ぶもの、ほしがるものを、
上手に、届けることが、肝要だと。
で、その結果、美術品、骨董品、マンションの無償利用、
あるいは、 愛人経費の全額負担、息子の入学や就職の斡旋、
高級家具、などが、喜ばれる。
この中に、日本製の家電や化粧品、 日本産の食品、が並びます。
春節期間中、日本に来た中国人観光客が、最新式の最高級全自動炊飯器を
一人で6~8個も買って帰るのは、これは、すべて、付け届けのためなのです。
今の中国国内の高級品ブームは、官僚たちのタカリ構造が生み出しているのです。
で、問題は、これにとどまらない。
こうした事態が、いつまでつづくのか、という点。
大卒の若者は、700万人以上が就職の機会がありません。
ITを中心に、起業を促す奨励金制度もありますが、これを手にするのに、
先ほどの青年社長のように、それこそ多くの「関係」を 築かなければなりません。
これが、とにかく、重く、厚い。
これには、見えないところで、相当、多くの不満が蓄積しています。
ネットでは、政治的な発言が許されず、司法の独立を求める声も閉ざされています。
さらに、大きな不満となっているのは、こうした、官僚、そして官僚と結託したブローカー
が、資金を蓄えると、どんどん海外に持ち出し、自分の親族に、海外に留学させるだけ
でなく、国籍まで、取らせていることが、頻発しているのです。
日本では一時、次期首相候補といわれた重慶市長(薄熙来)の奥さんは、
今、シンガポール国籍ですし、息子は、アメリカ国籍とイギリス国籍です。
江沢民の孫は、すでに、アメリカ人です。
どうみても、「国の富を吸い上げて、国外に逃げる」 ようにしか見えません。
これを、「上」が行っていることを、ネットで、皆が知りだしているのですから、
そのほかの中国人は、どう考えるでしょうか?
一定の、財産を得た中国人は、同じく、海外に逃げ出すものも多いでしょう。
それよりも、ほとんど多くの人間は、 何であれ、自分に、権限が発生していれば、
それを、カネに替えるでしょう。
しかし、心のある人間は、こうした事態を、どう見るでしょうか?
上海の友人は、本当に、苦しんでいました。
4年前に会ったときには、まだ、儲けに向かって事業欲が強かったのですが、
今は、まったく違いました。
もともと、事業は、家族の生活のためと割り切っていた人でしたが。
私は彼に、 日本に来て、しばらく休んだらどうか、と提案しました。
上海は、今、万博の開催直前ですが、町全体に、まったく活力がないのが、
今回の実感でした。
必要な事業が、役人たちの 見返リ 要求で行われず、
必要のないマンションやオフィス建設が、地方都市で、役人を、太らせるために
継続する。
 日本の無駄な公共事業以上の あきれた実態です。
では、これが、いつまで、続くのか?
中国経済は、今、世界経済の牽引役でもありますが、
こうした、役人とそのお友達の、特権がいつまで、続くのか?
私の見方は、 地方の都市部での、国有地の払い下げが続く限り、
これは、続きます。
しかし、それが、なくなったときに、 政治的な、大事件が起きるでしょう。
中国は、面子の国ですから、 万博期間中は、ないでしょう。
私の予想は、早ければ、来年の秋には、そのときが、来るのではないか、
と思われます。これは、政治的な公平さをもとめる民衆運動です。
秦の始皇帝が、万里の長城を、作り続けたのも、そうしたシステムで、
利益を上げる人間が、いたからでしょう。
あれは、ほとんど、役に立たないものでしたが、役人や出入り業者には、
あんなに美味しいものは、なかったのです。
同じことです。
で、ここまで、考えて、その、大事件の後の、中国はどうなるのか?
中国史の中で、役人たちが、極めて「まともに機能した」 時期がありました。
清の、康熙帝 ヨウゼイ帝のときです。
異民族である満州族が、全土の漢民族を、抑えたときでした。
しかし、満州族が漢民族化していく中で、また、腐敗が始まりました。
近未来の中国社会の内部崩壊に、どう備えるか、 
こちらを、私たちは、真剣に考えるべきときにいたっています。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。