七代200年を考えて、今を生きる。

 こんばんは。
我が家でも、「迎え盆」です。
私は中野市で生まれましたが、私の家のお墓は須坂市にあります。
古い先祖のものは臥龍公園の中にあり、付近には八丁鎧塚古墳があるので、
明らかに、騎馬系の部族の流れです。
きっと、継体天皇になるオオドと一緒に日本列島に来た人でしょう。
日本のお盆の習慣は、庶民には江戸時代に広まりますが、
最初が、斉明天皇の時代と先日、書きました。
「盂蘭盆会」は、先祖供養が元です。
死後まだ苦しんでいる先祖を、きちんと成仏させるのに、
今生で生きている自分が、正しい生き方をして、それを裁きの神である、
イマ(閻魔)に認めてもらって、祖先の苦しみを軽減させてもらうことで、
魂を救済することでした。
今、生きている自分の行為が、先祖の供養のみならず、未来の子孫、其々、七代200年
に影響をもたらすから、ほんとうにきちんと考えて、毎日を暮らす。
この感覚は、古代インドで普通にあったのみならず、現在のアメリカ・インディアン
など、エスニックの原住民の世界で、当たり前のこととして残っています。
自分自身が、大いなるイノチの流れのなかで、人間として生きている。
自分の行動については、前後七代200年について、考えながら、意志を決める。
明治からの近代化で、日本にもあったはずのこうした感覚はどこに行ったのでしょうか?
未来に責任をもてない原発の導入を国策にし、さらに不完全な技術だとわかっても
それを推進し続けた人間たちには、当然、こうした感覚は全くなくなっていました。
原発村の関係者の皆さんは、今年の盆を、どんな気持ちで迎えているのでしょう。
国家権力は、人間を狂わせます。とくに、利益を追ったときに、加速します。
しかし、この権力は、私たち自身も、その行使者の一人なのです。
それが、主権在民の意味です。
国家運営でも、七世代の先を考えて決定するのは、あまりに、当たり前のことです。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。