「911」改造内閣は今井尚哉が補佐官になって安倍チン仲間を教授する「不敗・不滅」の絶対政権のつもりなのでしょう。でも『毒麦政権』として焼かれるかもね。

内閣改造。令和初の改造内閣。新天皇から認証された大臣たちは、さぞやうれしいのでしょう。

まず、昨日からの一日、今回の組閣について私には不思議(彼らには当たり前)なことがあります。
オリンピックにしても、台風15号にしても、フクシマの放射能汚染にしても、年金にしても、さらに、森友・加計問題にしても、どれもこれも極めて深刻な問題なのですが、大臣の顔をすげ替えたら、それで問題が解決するかのごとき空気を、メディア側がつくりだしていることです。

「安定と挑戦」という前に、まず、今、日本国民が、どんな状態なのか、冷静に、事実を見ていない(視野にも意識にも入っていない)じゃないか! これが私の第一の感想です。

その上で、指摘したい話題は、二つかな。
一つは、とにかく、「韓国をやっつける」という意志が前面に出ていること。
憲法改正を形ばかり言っているが、これは自民党としての宿題なので、オレはやるぞ、と言っているのみで、国民の受け狙いで、とにかく、韓国に「勝利する」すがたを見せれば、景気がどうあろうと、災害対策が遅れようと、フクシマがどうなろうと、メディアはこっちに関心をむける。

韓国とは 徴用工と、ホワイト国外し、WTO提訴問題に、放射能の安全性の問題。
安倍政権は、これらに、絶対に勝つ、勝てる、と踏んでいるようです。

今回、安倍政権は、特別秘書官だった今井尚哉氏を首相補佐官に昇格させ、各大臣や官庁幹部に直接、命令できる布陣にしました。今井氏は叔父が今井敬氏であり、経済最優先、財界最優先、原発最優先で、それこそが日本の統治体であり、税金も、国民のイノチも、その為の道具と考えているのでしょう。

それに対し、韓国の文在寅はどうでしょう。そうした経済最優先の姿勢よりも重要なことがある、と覚悟して、WTOの提訴や、IAEAでの放射能被害の再調査要請に乗り出しているのではないか、ということです。
安倍やその後ろの今井尚哉は、これを知っているのか、ということです。
文在寅が時代の大変化を、確信をもって感じ取って動いているのに対し、
日本の安倍政権と経済界は、これまでどおり、半島が南北が分裂したままで緊張が続くことを前提とし、今後も、そうあることを願っているかのような意識とその布陣に見えますね。
この組閣の時、日本の宗主国であるアメリカでは、トランプが安全保障担当補佐官のボルトンを更迭しています。
安倍政権はいまだに北朝鮮の金正恩に、相手にすらしてもらえないままで、そもそも、トランプが引き起こしている「大潮流」の意味を、いまだに理解・勘案していないのではないか?
あるいは、今井尚哉自身が今回、外務大臣となった茂木氏と組んで、そのトランプが求めるのは、日本のカネだろ、と高と括っているのかもしれませんね。

トランプにすれば、日本列島に、どんなカネがあるか、とことん調べているでしょう。
選挙対策に使えるものは、何でも引き出すでしょうし、そのとき、日本列島に、戦後も続く枠組みを引っ剥がしてでも、取れるものは取ろうとするでしょう。
私には、この9月11日になっても、いまだに、自分にとって「都合のいい物語」でやっていける、と考える、オオ甘な意識しか、今の財界と政界からはつかめないのです。

次に、小泉進次郎の環境大臣。
G20で合意を取り付けた、マイクロプラスチックの禁止について、日本国として、主導権を作れ。
フクシマの復興を、というのが、安倍からの命題とのことですが、
そもそも、事実を事実として、きちんと認めてこなかった政権、そして財界、さらに日本の司法です。
自分が何を行ってきたか、この確認・検証もないままです。
IEAEの総会での韓国の主張に対し、これまで日本はきちんと科学的に対応してきたと言いますが、
その日本国の言い分ややり方に、問題を言い出さなかったのは、
放射能汚染の問題よりも、もっと、切実でひっ迫した問題(戦争やパンデミック)が出現しかねない、との意識があり、しかも、それを糊塗隠蔽する日本政府からのマネーを期することが多かったためでしょう。

アメリカが関わる事案で、巨大戦争は起こさせない。
ドル経済に関し、経済破綻も起こさせない。クラッシュを起こさせない。
この二つは、Qも含めた「金融ワンワールド」がたどり着いた、了解事項。
その上で、文明それ自体を、変換する。

こうした中で、日本国それ自体を、何のために、どう使うか?
日本列島の中で、マネーが大きく動く首都圏中心の、政・財・官・司法・メディアは、
どこまでも、これまで通りを望みます。
そして、人気取りのために、政権は目先の施策を打ち出すのでしょうが、そのときの土台である人間社会(個々の人間の集まり)の危うさを、いつも見ないままです。

生活の「現場」に生きる私たちは、政府とメディアはあくまでも大本営だ、と知りながら、未来の芽、土台を、自らが連携して作るしかありません。
これまでの文明のシステム破壊で、電気もマネーも、水や食料すらも、いつ、断絶する事態が出来するか、わからないのが「ニューノーマル」時代です。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。