東大法学部「知性」とは明治にできた天皇中心の国家での既得権維持を至上命題とする法運用を正当と考え、真実探求や国民のイノチ・安全は後回し。こんなんで世界の指導者になれるか!!

テレビで、驚いたことがある。

今、何かと話題の予備校講師、林修センセイ。
文部省が、「ウマヤドはいたが、聖徳太子はいなかった」と、全面的に、古代の見直しを進めている中、

テレビで、全然関係のない時に、わざわざ壬申の乱に触れ、
「天武の兄が天智。天武は、天智の息子の大友皇子と天皇位を争ったのですよ」。

まあ、予備校の先生なので、真実がどうであるかよりも、そう理解しておかないと、テストで罰点つきますよ、と言っているかのよう。
林先生は「テストの正解」を言っているだけの人間で、テスト問題の検証をしているわけではない。
しかし、これが、視聴者には、ほとんど、区別がつかない。

そうなんです。
この国では、人文科学系の知識については、
真実を探求するのではなく、どう答えたら、テストでマルがもらえるか、その答えのみを教えるのです。
それも、なるべく速く大量に、正確に答えた方が、成績上位で、出世できる、というわけ。

真実を探ることを、国家の権威ではしない。
いや、国家という幻影を守るのが、東大法学部を出た、官僚たちの第一使命と考えているのでしょう。

だから、平気でその幻影を固めるための言論での刷り込みを、国家権力とメディアを使って強めに来る。
そのための権威に、最高学府自らがなる。

幻影。実態と離れても、幻影を、列島民が信じれば、幻影のまま、国家は動いていく。
しかし、今、列島を取り巻く「国際化」は、ネット世界や旅行者の時代を超え、
生身の外国人労働者の受け入れ時代になったのだ。

しかし、この国の為政者は、平成時代30年でさらに愚かになって、
統治体が創り出した「幻影」と、ナマのリアリティーの「実態」の区別もつかなくなってしまった。
都合のいい数字をつくることが国家の責務だと、官僚たちも感じて、それしかできなくなったのだろう。
(どうしようもないアホな指導者は、いつでも、その場のしのぎ猿チエに頼り、自分の頭に何が入ってるのか、まったく検証する力がない)

それは、「311」以後の放射能の身体への影響度もある。
北方4島に対する、「固有の領土」論もある。
なにより、明治維新の、尊王攘夷の「攘夷」が、どこに行ったのか? それを不問にしたままだ。
昭和天皇の開戦の詔勅もある。

まあ、幻影の出発が、完全にファンタジーである、神武天皇実在論。
これを、いまだにハッキリさせない。明治のそれが、東アジア全体を狂わせたのだ。
ハツクニシラスは、崇神である、とも、キチンと言わない。

2000年12月に、今上陛下が、桓武天皇の母親に百済武寧王の血が…ときちんと述べ、
2017年9月20日に、高麗神社(高句麗神社)に行幸した意味も、きちんといわない。

皇族も、官僚たちも、財界の大企業も、国家予算をもらう出入り業者も、
「天皇を中心にした神のクニ」、正確に言えば、同心円の国家ピラミッド構造で、
その体制の中で、優先的に自分にマネーが回ってくることを、維持することこそが、
自分にとって、正しい生き方だ、と考えている、そのままなのです。

そのために、列島民がどんなに苦しんでも、それは、この体制への奉仕者なのだから、当然だと考え、体制ごとアメリカの利益のために列島民のイノチと意識が差し出される事態になって、その事実を官僚や司法が十分に認識したとしても、今の自分がこの統治体から得ている待遇が崩れなければ、それでいい。

だから、その中で、列島の国民に向けて、どんなに虚偽があろうと、まず体制維持のために忖度する。
そうすれば、官僚は司法ふくめ、必ず、体制内で出世するし、何の罪にも問われない。

この構造を知った、(1920年以後に新しく日本国民になった)半島生まれの人たちは、この列島では、
「お上」が言っているウソを自分も真顔で言い続け、ピラミッド上位、同心円の中心に、近づけば近づくほど、
どんなに愚かでも、現実に自分が失敗しても、何の責任を取らされることはなく、周り(高級官僚、司法、お抱えメディア、御用学者)がフォローしてしてくれて、自分には罪が及ばない。

これが分かっちゃったのね。

だから、あるものは、役人目指して一生懸命に受験勉強するし、あるものはアメリカの闇の暴力に近づくし、あるものは全く信じていないのに、国家神道の周りに取り付くし。

よって、日本という統治体に在っては、組織の上位者で、権力の上に行くほど馬鹿になる。

一般国民には、こう見えてしまう。

実際、本当の上位者のトップは、バカなんじゃなくて、人間として、だらしなく、卑怯なのです。

統治体の中の現実の実体がどうなろうと、一般国民がどうなろうと、支配者一族の出身だから、
あるいは、受験で勝ち抜いたエリートだから、自分は幻影をそのままにして、型通りのことはするが、
どんな結果が出ても、そのマイナスは自分には及ばず、しかも、自分にはなんの責任が及ばないようにする。

その上で、列島民に、自分たちをさらに、崇めさせ、頼らさせる。
外から入った人間でも、この日本語の言語空間で暮らす以上は、同じようにそれに従うのなら優遇する。
その上で、さらに、「我を崇めよ」とばかり、平気で、列島民に、作為でも、不幸を振り向ける。

そして「どうだ列島民よ、俺たちが必要だろう。だから税金は必要だ。きちんと働いて、払え」と。

こんなことで、地球の指導者になれると思っているのかね?

真実を、統治体全体で、きちんと、追求しようとしない国家が、
信頼を得られるはずはないでしょ。

一生懸命に、カネばらまけば、その瞬間は、だれでも、「ありがとう」とは言いますが、
そのカネは、そもそも、誰の汗の成果なの?
作業の現場や途上国の対外援助でガンバっている人間と、その成果を、ええかっこしいしながら、
日本の名誉だと語って、胸を張る人間は、まったく、人間性が違いすぎるわ。

まあ、とにかく、
この国の身体的「癌」は、 「お上」のインチキ医療基準とその流布徹底にありますが、
精神的「癌」は、最高学府の人間が、世界人類史の中で、自分の国の統治体の始まりを、
真剣に研究しないこと。
そうする人間を、弾圧する姿勢を、いまでも、続けているということ。

これじゃあ、列島に生きる民は、どんなに汗かいても、体制側に絞られるばかりだよ。報われないよ。

会計帳簿だけよくしても、現実が全然よくならない。
現実をよくするために、体制なんか関係ない、とするのが、本来の「特区」だったはずですが、
この体制内では、権力者の仲間となった一部の人間に、さらに美味しい付け届けをすることが、
「特区」だというトンチンカンをしてきたよね。

これを、まだ、やるのかな。

列島内で、人がどんどん病んで、どんどん死んでいるに、それでも、変えようとしない。

どんどん腐っていくし、「痛み」を感じていた人たちも、それが麻痺して、いつの間にか死んでいく。

でも、私は、日本を諦めない。地球の未来につながる、小さなモデルを考えよう。
もう、自己陶酔して、芳香剤をかけまくる、企業の広告費からなる
「日本語メディア」が映し出す、国家とその権力では、なにも、まともな実態を造り出せないでしょうから。
いまは、これまでのインチキ・ゴマカシが、どんどんバレるときだからね。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。