中国人とシナ人の間。昨年5月のブログ、参考までに再掲です。

2008年05月06日   < 中国国家主席が来日 >
胡錦濤さんが、間もなく羽田に到着です。
今、東京の国会周辺には、「日の丸」 と 「五星紅旗」 が揺れています。
今の中国から、チベット自治区が独立してしまうと、この五星紅旗から、
星が一つ無くなって、四星紅旗に変わってしまいます。
 現代中国の出発は、孫文(中山)さんが、1911年に資金援助を求めて、
アメリカのデンバーに滞在していた10月、武漢で革命が起きたと新聞で知り、
あわてて帰国し、1912年元旦に、南京で臨時大総統に就任したときです。
このとき、漢民族以外に、満州・蒙古・ウィグル・チベット の四族を加えて、
「五族協和」からなる新しい国民を、政治的に中華民族と称したのが始まりです。
 よって、もし、チベット族が独立したら、一つ星がなくなるのみならず、
中華民族そのものの概念が壊れて、 「中国人」が消えてしまうのです。
それゆえに、中国共産党政権は、己のレーゾンデートルとしても、このチベット
については、 どんなことがあっても中華の枠内に留めようとします。
これが国家意思で、そのためには、どんな暴力も 犠牲も 辞さないのです。
 では、これに対し、 シナ人とは、 何でしょうか? 
  
 これは、幕末から戦前の日本人が使っていた、大陸の民の呼称ですが、
このシナに「支那」という漢字を当てたとき、その意味は「えだぐに」 になります。
 幕末の日本人が、清国を見て、そう名づけたとき、日本のほうが「中華」であり、
 大陸の天子は、最早、威光が廃れ、日本よりも「格下の枝である」という意識が
 ありました。
 明治維新に成功し、日清戦争に勝利すると、近代化した日本国こそが本来の
 「中国」として、大陸のシナ人をきちんと統治しなければならないと、思い上がっ
 ていたのです。
 確かに、西欧かぶれの明治から、日韓併合を経て、大正・昭和初期の日本人に
 そう思わせるほど、19世紀末から20世紀初頭の大陸は、混乱していました。
 もう一度考えます。  一体、 何が、「中華」 か ?
 平和で、豊かで、 礼儀正しく、周辺に、 御手本を示せる国です。
 今の中国に、何か、手本になるものがあるでしょうか?
 人工衛星技術はあっても、まともな民生技術が根付きません。 
 人口が多すぎて、 大変な競争社会であることは知っていますが・・・。
 今回、世界中で展開された聖火リレーで、各国の留学生達がそれを守って、
 愛国心を誇示したのは、最低限のプライドとして、理解はできますが、
 あまりに単純で、次元の低いものです。 
 今、中国国内は、環境も壊れたままであり、会社の内部では、横領や
 ちょろまかし、詐欺が、ごく普通に行われる社会になってしまっているのに、
 そこに、どんな自負心をもつのでしょう。
 私は過剰人口を抱える中国社会の難しさを知るだけに、胡錦濤さんを支持します。
 また、胡錦濤さんの部下達が、今の中国社会をよくしようとしていることを信じます。
 願わくは、 「中華」といわれるに相応しい、 国、 社会を作ってください。
 でないと、貴方達を、中国人と呼ばず、再び、シナ人と呼ぶ人が増えてします。
 貴国の若者は、胡錦濤さんの一言で、何でもしでかす人間なのです。
 
 で、再度、教育してください。
 日本軍が青島上陸後、満州に入り込んだ1920年代後半、
 天津に南開大学を開いた あの 張伯苓 の心を、是非、復活させてください。
 70~80年前、張作霖の爆死から盧溝橋事件の間、中国の学生達は言いました。
 「中国不亡 由我在」 ・・・ 自分がいる限り、中国は滅びない。
 そして、 
 張伯苓は、 死に際し、自分の子孫に言いました。
 「不留財 只留徳」 ・・・ 財を残さず、ただ徳を残すのみ。
 それが今のままでは、
 「中国必滅 由我在」
      ・・・ (自分のことしか考えない)私がいるので、中国は必ず滅びます。
 
 「只留財 没留徳」 ・・・ 誰も、只、財は持ったが、徳は消えうせた。
 こうなってしまいます。 
 ゼニ・カネをもっても、 イノチとココロの基盤である、環境・農村・文化が
 壊れたままでは、黄帝以来のご先祖様たちも、嘆かれるでしょう。
 そうなると、中華皇帝を決める、天上の上帝も怒って、 
 ミャンマーのサイクロン以上に、 激しい鉄槌が落ちるかもしれませんよ。   
Posted by Arai at 2008年05月06日 15:44

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。