「改革」と言っても、中国と日本では意識の次元が全く異なる。「落差」は本当に大きい。

こんにちは。
もうすぐ、平成時代、30年間が終わります。
30年前の1989年は、日本では、昭和天皇の崩御。中国では、天安門事件。
この30年で、日本はバブル経済が壊れ、だらだらと改革が進まなかったのに対し、大陸の人民中国は、完全に、国家資本主義の国家に生まれ変わった。
中国の変化は、1984年に、深圳に経済特区を設定した時から、国家全体をどう変えるか、これまでの既得権に全くとらわれない形で、次々と実験を繰り返し、成果を確認しながら、それを全土に広めた。
その前提は、1949年10月に人民中国が成立したとき、それまでに大陸内に形成されていた、すべての私的所有権をゼロに戻し、完全に国家が回収し、全てを、国家の共有財産としていた、という統治基盤があった。
 その中で、どう経済発展させるか?
周恩来も鄧小平も、1921年にフランスに留学していた時、共産主義で政権は取れるが、経済建設はできない、と十分に教え込まれていた。
 都市部の労働者を基盤にした、政治運動では、企業家に集中した「富」の再分配だけが、闘争の対象で、本当の「闘争」の根が、生まれない。
 このことを、本当によく知っていたのが、毛沢東。
周恩来は、この毛沢東を支持し、その補佐役を生涯務めた。
 中国は天安門事件を強引に武力制圧したあと、四面楚歌の中、シンガポールと客家人脈を頼りに以後、株式会社や、土地所有(実際は地上権の設定)で、個人の私有財産を認め、その政治姿勢を、中国の特色ある社会主義、という、明らかな詭弁の言葉で、共産党の指導性を維持してきた。
おいおい、最初の、社会主義の理想は捨てたのか? 
外貨獲得を目的に、外国企業の「委託加工」を引き受けながら技術を吸収し、合弁企業の設立を認め、さらに企業を株式化し、その株式市場に外資が参入することも認め、金融での先物取引もあれば、不動産の投機も始めるようになった。
 そんな急激な変化でも、最後は、「国家」がすべてを管理する、あるいは、非常手段として、財産を没収することもある、とよく噂されていた。だから、中国政府、共産党にいながら、政府や党を信用せずに、それなりに稼いだら、自分の財産を海外に移す、と考える人間が後を絶たなかった。
 しかし、この30年を見ると、国外に出ず、大陸に残り、大陸の次々出される新方針に、鋭くチャンスを見つけたものの方が、大きな資産を残している。国家が、2000年以降、どんどん、新規の起業を推奨しているのだ。
しかも、そのとき、企業が発展する様々な手法を、国家が承認した状況で、試してきた。
 今日、なぜ、こんなことを書くかというと、すでに引退を表明している、アリババのジャック・マーが、習近平とここ数年、頻繁に会い、今進めているフィンテック(デジタル決済)のみならず、AIについても、国家の統治に利用できると話している、と知ったからです。
 で、そのとき、「AIがあれば、計画経済は可能である」と、共通認識になり、どうも、その方向に大方針を進めることが、国家の基本戦略になったのではないか、と思われてならないのです。
この点は実際に北京にいき、その現場を確認するまでは断言はできないのですが、これまでの経緯からして、あり得る。これが私の見方です。
 「中国は、国土が広く、人口が多いため、中央政府でも、最大7割しか、コントロールできません」
 「それだから、国家の進むべき方向は何なのか? どの次元のどの改革が必要なのか? 一切の既得権に関わらない、有為の人間(40歳前後)によって、徹底的に議論し、大方針をきめ、それを、揺るがない国家戦略にするのです。株式、土地所有、市場、私有財産、為替管理、など、すべて、そうした大方針の中で決められた」
 国家経済体制改革委員会から発展した国家発展改革委員会 のメンバーと会い、こういわれたことを思い出します。
自分たちが国家が、次の「枠組み」を徹底的に話し、それを、時の国家の指導者で、裏打ちする。
このとき、既存の権力者、既得権益層を、「忖度する」ことはない。
なぜなら、これが、国際政治の上で、国家の主権や存立基盤の確保のために、時代に合わせ、大胆に変えなければならないと、長老たちも、皆知っているから。
 中国は完全な独立国であり、日本のように宗主国があるわけではない。まして、明治以来の天皇を頂点にした門閥ピラミッドがあるわけでもない。いったん白紙にしたから、「枠組み」自体の再構築に、いつでも乗り出せる。
日本の場合、戦前の「帝国」は、表面の民主主義の装いをしているだけで、肝心な「有権者」に流される情報は、いつももコントロールされたものだったが、それを、国民は、自分は、完全に、自由な正しい情報空間にいる、と、「妄信」してきた。
 その点、中国人は、政府が、何を言おうが信じないし、実際にできるかできないか、を確認しながら、歩いてきた。
「上に政策あれば、下に対策あり」
 日本の安倍内閣で、構造改革、戦略特区。 呼称は、中国の「改革」と似ているが、出発の次元が違うのではないか?
三選なった安倍晋三は、日中首脳会談では、AIの共同開発をテーマの一つにするという。
本気なのか?
日本と中国では、AI研究レベルが、全然ちがうぞ。それに、アメリカ側が、その動きを、どう見ているかだ。
 自分の国を、肝心な統治の基本の部分で、アメリカに抑えられたままで、一体、何か、できるのか?
今だに、日本の政治(国家の経営資源の再構築)では、アメリカが許した中での国家資金の分配ルールのやりとりのみ。
この事態を、意識しないで、外交もへったくれもない。カネのばらまき以外に何ができる?
そもそも、「固有の領土」なんていう概念は、戦争後の国境を策定するときに、国際政治の舞台で、使われたことのない言葉だったが、それを存在し、「正統な主張だ」としむけたのは、戦後のアメリカだったのでしょ。
だから、街宣右翼がアメリカのCIAからお金もらって、いつもガナっていた。
一方、今の自民党の日本政府はこんなことしています、問題です、と中国にご注進していたのが、かつての社会党だったり、朝日新聞だったり。
 北朝鮮は、ソ連崩壊後、急速に貧しくなり、いつの間にか、戦争屋によって、「日本に対する、狂犬国家」に仕立て上げられた。それは、日本の軍事力増強につながるように、つねに、危機を「演出」する「役回り」となっていた。
 9月20日、自民の総裁選挙の時、平壌では、金正恩と文在寅が、「朝鮮人は朝鮮人を撃たない」と相互不可侵条約で、一気に、半島統一に。
そして、今、中国国内の朝鮮族が大量の資金を携えて、一気に経済支援に乗り出す。そこに韓国の財閥企業も同調する。
今日は、日本では「拉致被害者連絡会」が声をあげ、シンゾー君は、「私が直接会って・・・」と声をあげていますが、どこまで、相手にされるのかな?
 世界は、今、とんでもなところに進んでいる、と思うのですが、列島の情報空間は、本当に「劣等」でしかない。

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この記事を書いた人

新井信介

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。