話題の映画「テルマエ・ロマエ」でのローマ皇帝、ハドリアヌス帝。

こんにちは。今年のGW、私自身は細菌性胃炎で、苦しんでいたのですが、一番流行った映画が「テルマエロマエ」だったようです。古代ローマと現代日本を、風呂というキーワードで結びつけたアイデアのマンガの映画版です。http://www.thermae-romae.jp/index.html

日本中の「濃い顔」の役者をローマ人に仕立てて、「平たい顔」の人たちと対比させて笑わせているとかで、私も見たくなりました。

劇中、ローマ市民を驚かせる風呂を作れ、と命じたローマ皇帝は、五賢帝の一人、ハドリアヌスです。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%8C%E3%82%B9

この皇帝の前のトラヤヌスのとき、ローマ軍をイギリスやルーマニアにまで進め、最大版図に広げますが、そこで拡大を止め、帝国内の平準化に努め、真の平和や幸福について、深く瞑想した人物でした。

AD118年、彼が建設した別荘『ヴィラ・ハドリアヌス』の中に、円形の池に囲まれた瞑想室があります。

水で囲まれた円(サークル)の中に、自分がいるのです。通説では、お気に入りのギリシャ人美少年の死を嘆き悲しみ、人嫌いになってここに篭った、とされていますが、それだけでしょうか?

ティボリのハドリアヌス別荘

(別名ヴィッラ・アドリアーナ)


 

 

 

この円形の水は、直線的拡大ではなく、

「生々流転」と「永劫回帰」を意味します。

面的拡大でなく、時間の永続性の中に、無限の富や豊かさがあることに、ハドリアヌスは気がついたのではないでしょうか?

私たち日本人は、本来、日本列島という有限の限られた大地の中に、永遠性を常に感じていた民族でした。それが、明治維新後に近代国家になって以来、常に、直線的拡大こそが正義とする社会システムをつくってしまいました。

特に、そのシステム維持のための人件費(役人の経費)が、物価や税収に関わらず、拡大一方だったのです。主権者でもなんでもない、公僕のはずの役人達(NHKも含む)に、勝手にこれを決めさせていたのです。

大バカ です。

ハドリアヌス帝は、ローマ帝国の拡大に、自ら終止符を打った人間でもありました。

彼の時代、中国大陸の後漢とは、海ルートで交流がありました。その頃の日本列島は、光武帝から金印を貰ってから約半世紀がすぎた頃で、九州には大陸産の銅鏡が持ち込まれる一方、関西では、銅鐸が多く作られ、巨大化しているときでした。

ローマでは、原始キリスト教が地下で静かに広がりだし、まだ、十字架は無く、イエスは「サカナ」で暗示されていました。

ハドリアヌスの死後、北西インドのクシャーン国(大月氏)に、カニシカ王が現われます。

その当時のローマ人の遺伝子が、現代日本人の「濃い顔」人たちの一部に、入り込んでいるかもしれませんね。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。