中国共産党は政権延命のために、どんどん変わる。尖閣問題と地域の自治。

 こんにちは。

今日は、天皇の誕生日ですね。そして、東京裁判でのA級戦犯処刑の日です。

さて、金正日が死去して、アジアがどんどん変わってきます。

さっそく、中国の「政治」が変わりだしました。

①まず、東アジアの緊張の種に関して、日本の外務省が踏み込みました。

 田中角栄の訪中時、周恩来が尖閣諸島について、どのようにコメントしたか、議事録を公開しました。

 これは完全に中国側の立場を悪くします。これまで公表しなかったのは宗主国アメリカの圧力でした。

 《周恩来首相 尖閣の議題避ける》 ・・・ NHKニュース。

 1972年の日中国交正常化交渉の際の当時の田中総理大臣と、中国の周恩来首相との会談で、 田中総理大臣が尖閣諸島の領有権の問題を提起したのに対し、周恩来首相は「今回は話したく ない」と述べ、議題にすることを避けたことが、22日に公開された外交文書で分かりました。専門家は「中国は事実上、尖閣諸島を放棄したとみなされてもやむを得ない」と指摘しています。

今回、公開されたのは、1972年9月、当時の田中角栄総理大臣が中国を訪れて、周恩来首相と会談し、「日中共同声明」に調印した際の会談記録をはじめ、1955年から1973年の間の日中国 交正常化に関わる交渉記録や各国とのやり取りをまとめたファイル15冊です。9月25日から4日 間にわたって行われた田中総理大臣と周恩来首相の会談記録によりますと、田中総理大臣は、 交渉3日目、突如「尖閣諸島についてどう思うか」と切り出しました。これに対し、周恩来首相は「尖閣諸島問題については、今回は話したくない。今、これを話すのはよくない。石油が出るから、これが問題になった。石油が出なければ、台湾もアメリカも問題にしない」と述べ、別の話題に転じ、 議題にすることを避けました。一連の会談を通じて、尖閣諸島に関するやり取りは、この部分だけで、会談のあと、日中両政府は、国交正常化の共同声明に調印します。

 これについて、中央大学の服部龍二教授は、田中総理大臣の発言について、「日本が合法的に支配している領土について、支配している側から提起することは得策ではなく、田中の発言は、やや素人的だった。しかし、周恩来は揚げ足を取ることはしなかった。当時の中国にとっては、対ソ戦略が大前提で、日本との交渉を早期に妥結したいという思いから、尖閣には触れないと判断したのではないか」と分析しています。 そのうえで、服部教授は「国交正常化の時に提起しなかった領土について、あとから『自国の領土だ』 と言い出すことは、国際法的に通用しない。中国は、事実上、尖閣諸島を放棄したとみなされてもやむを得ない」と指摘しています。一方、今回公開された田中総理大臣と周恩来首相の会談記録は、 1988年9月に外務省が記録の原本をタイプし直したもので、原本は公開されませんでした。外務省は「原本は、現存しない」と説明し、その経緯については「分からない」としています。これについて、 服部教授は「今回、公開された史料は、会談記録としてみると、やや簡略で整理されすぎているという印象を受ける。原本には、もう少し細かなニュアンスが記されていたかもしれない。原本が存在しないということであれば、外務省の文書管理体制が問われることになる」と指摘しています。  ソース:NHK 12月22日 18時12分 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111222/t10014843651000.html

②次に、中国の内政問題です。 今、中国各地で農民の不満が爆発しています。多くは地方役人の土地収用に伴う不正が原因です。これに対し、自主的に自治組織を作り出す動きに、共産党政府は「お墨付き」を与えました。これは『土皇帝』といわれる地方の独裁者を消していくものです。ここまでしなければならないほど、中国の腐敗が激しく、共産党の中央はこの地方民衆の動きを肯定することで、自分の権力の延命を図るのでしょう。

 自主選出の自治組織「合法」…建国以来初

 【香港=槙野健】香港紙の明報は22日、中国広東省の烏坎(うかん)村で土地収用に反発する村民が自主的に行った選挙による代表で作られた自治組織が合法と認められた、と伝えた。中国国内で当局の指導によらない自治組織が承認されるのは、1949年の建国以来初めてだという。
村民は、9月に選出したこの自治組織を中心に抗議活動を続けていた。村の上位にある陸豊市政府は自治組織は非合法だとしていたが、21日に現地を訪れた広東省党委員会の幹部が、土地収用問題の解決まで2、3か月の間存続を認めると組織側に伝えた。
中国では地方政府の腐敗に反発する住民運動や衝突が頻発している。有力省である広東省の党委員会による決定は影響力が大きく、自治組織結成の動きが各地に広がる可能性もある。(2011年12月22日19時57分  読売新聞)
 

 

 

 

 

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。