もうすぐ、マッカーサーの「我、神を見た」は、嘘だったことがはっきりする。

 こんにちは。 昨日は、新しい会場で、新しいメンバーもきて、楽しい一日になりました。

16日の長野の「青い銀河」の会も、楽しかったですね。

11月11日以後、どんどん世界が変わっているのが、分かります。

特に、私たち日本人は、戦後に仕掛けられた呪縛が急速に溶け出しています。

これは、マッカーサーの呪縛です。コーンパイプを加えながら厚木に降り立った時、威厳溢れるその姿に、多くの日本人は、圧倒されました。しかし、このとき、マッカーサーは、戦後の日本統治に天皇を利用することを考えていました。ポツダム宣言を受け入れたとはいえ、昭和天皇が現実に退位もせず、処罰されなければ、多くの日本人は、国家自体が変わったとは誰も思いません。 よって、「神」である天皇が「人間宣言」をしたとしても、多くの国民の心の中では、神格は残り続け、戦後は、復興の「神」ともなっていました。

そこに、昭和とマッカサーとの会見の模様について、「私の身は、どうなっても、国民を助けてほしい」と言う昭和天皇の発言を受け、占領軍の代表であるマッカーサーが「我、神を見た」と言ったいう逸話が民間に伝わり始めました。このときから、どこか、進駐軍自体が昭和天皇のもつ神性に、ひれ伏したかのような印象(これは明らかな誤解)を、勝ってに抱くことになりました。

本当に、マッカーサーがこんなことを言ったのかどうか?

実は、この両者はとても仲がよく、戦後の日本の占領政策をどう進めようか、話した形跡があります。どのような会話が実際になされたのか、これらは、「ヒロヒト・ファイル」として、アメリカに残されています。 このファイルは、2013年には、公開される見込みだ、と情報通から聞きました。

マッカーサーとヒロヒトが最初に会ったときは、昭和天皇が自分自身の天皇であることの意義・意味については、乃木希輔に受けた教育がもっとも影響しているはずです。乃木は、山鹿素行の「中朝事実」をとにかく何回も読み込むように教えていました。しかも、昭和17年2月に、シンガポールを山下奉文が陥落してイギリス軍を降伏させたとき、そこで停戦するかどうか、を聞かれた時、「勝っているのだから、そのまま、続けろ」といったのも、また、昭和天皇だったのです。

 一方、当時の国民の側から見ると、マッカーサーが来ても、昭和天皇が退位しない限り、あるいは、戦争責任を問われない限り、「昭和」という時代空間が継続し、現実に日本列島の上に、米軍基地がどんどん作られても、私たちは、戦後の日本が独立国であるかのような錯覚を続けてきました。アメリカは、それを利用しました。

また、日清戦争後に、大陸への軍事進出をすすめた日本を特に嫌った華僑・中国人は、日本が戦後、再軍備することを最も恐れており、日本占領軍となったアメリカが、日本国に対し、あまりに理想的な「軍事否定」の「平和憲法」を根付かせたことを、大いに歓迎しました。これは、また、昭和天皇の意志とも重なりました。

さて、今、TPPで、「日本再占領」と騒ぎ立てている人間は多いのですが、私は、この交渉をどんどん公開させていくことで、アメリカ(の金融資本)の横暴を抑えながら、逆に日本が主体になって、アメリカの軍事力を、平和な環境つくりに使える状況になっているのではないか、と考えます。

東南アジア10カ国がそろっても、中国の軍事力には勝てず、また、そこに日本が加わっても、海軍力では上回っても、日本は国是で武器は先行使用ができませんし、なにより、抑止力としての核ミサイルも持っていません。

中国(北京政府)にとって、アメリカ軍を、日本の軍事膨張に対する、ビンの蓋にしてきたのが、戦後の20世紀までですが、今、日本が、東アジア諸国と組んで、この北京政府の膨張を抑えるために、アメリカを使い出した。 また、そうすることで、アメリカ自身も、最大の米国債の引き受け国である中国に、大いに圧力をかけることができます。

 11月11日のTPP参加表明は、 実は、再占領ではなく、「脱占領」、もしくは、「超占領」ではないのか?

日本国家が、戦後の、加工貿易国の国是から、別次元に入ったことになるんではないか。

当然、戦後の経済成長時代の、「お花畑」状態は、消えてきます。

天皇に関して、戦後の「象徴」、明治維新での当初の武家の棟梁から「神」、そして、 1300年前の不比等の「大宝律令」「記紀」時代の中華皇帝と同格で、しかも、アマテラスの化身・受肉化、など、全てを見直した上で、私たち自身による、再定義が必要になります。

私は、三種の神器の一つ、「勾玉」の意味を、どんどん、強調したいと思います。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。