原発「安価」神話のウソ、強弁と楽観で作り上げた虚構、今や経済合理性はゼロ 。(東洋経済)誌

以下、一部を転載します。
じっくり、読んでください。
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<原発「安価」神話のウソ、強弁と楽観で作り上げた虚構、今や経済合理性はゼロ>
 「原発の電気は安い」
 国をはじめとする原子力発電推進派の、これが決まり文句だった。
 1キロワット時の電力を作るのに、水力は約12円、石油11円。そこへもってくると、
 原子力なら半分の約5円で済む――。
 傑出した経済性は、ウラン燃料が比較的入手しやすい、燃料がリサイクルできる、
 CO2を排出しない、と並ぶ、「原発の4大美点」だった。
 しかし、安全神話を一瞬で吹き飛ばしたのと同様、福島第一原発事故によって、
 「安価神話」の信憑性にも、疑惑のまなざしが向けられている。
●過小評価と抜け穴だらけ 「公式試算」のいいかげん
 原子力の発電コストは、三つの要素で成り立つ。
 第1が、燃料費や人件費など、電気を作るうえでかかる「発電費用」。
 第2が、発電に伴って出る使用済み燃料を再加工したり、廃棄物を処理する費用だ。
 後工程という意味で「バックエンド費用」と呼ばれる。
 これに、「立地費用」が加わる。原発を誘致した地元自治体に対する補助金や交付金が
 これに当たる。 
 
 驚くべきことに、国が言う「原発5円」は、1と2のコストしか含めていない。
 しかも、不備がある。
 まず、発電費用から、揚水発電のコストが外されている。
 揚水発電とは、夜間電力で水をくみ上げて上部調整池にためておき、需要の多い昼間に
 落水して発電する。原発はつねに一定の出力で発電するため、夜間は電気が余る。
 揚水はその有効活用策だ。
 つまり、揚水発電は原子力のために存在する存在であり、両者は不可分の関係にある。
 立命館大学国際関係学部の大島堅一教授は、電力各社の有価証券報告書をつぶさに検証し、
 本来かかったはずの発電コストを試算した。
 その結果、原子力と揚水を足したコストは2007年度で1キロワット時約9円と、国の試算
 の約2倍であり、火力の約11円とほぼ同じであることが判明した。
 
 ちなみに、揚水を除いた一般水力発電のコストが約4円で最も安く、国の言う「水力12円」
 説の”ウソ”も、併せて明らかになった。
 国の試算がさらに問題なのは、”第2の費用=バックエンド費用”が、極めて過少評価され
 ている点だ。(以下略)
東洋経済オンライン 

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。