大きな「共同体を作る」。これは、1300年前に日本列島でもあったが、そこで自分をどう生かす。

 横浜APEC。
9月以降の日中の「尖閣衝突」があっただけに、ここで採択された「横浜ビジョン」に、
多くの国民は、距離感・違和感を持ったことでしょう。
以下は、ロイター伝です。 ・・・・・・・・・
[横浜 14日 ロイター] 菅直人首相は14日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)
首脳会議の議長国会見で、APEC地域が持続的な成長を可能とし、世界経済のけん引力
を発揮する狙いで首脳宣言「横浜ビジョン」を採択したと述べた。
 日本が関係国との協議開始を表明するにとどめている環太平洋経済連携協定(TPP)に
ついては、貿易の自由化という方向性は一貫しているとの認識を示した。
 菅首相は「横浜ビジョン」について「この地域の成長をさらに持続可能なものとして押し進め、世界経済をけん引する力を発揮していくため、いくつかのことを合意した」として、APEC全体
がアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)を2020年に向けて構築していく方針を示した。
 実現に向けては、二国間協定である自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)、多国
間協議の東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓(ASEANプラス3)などを通じて 
「最終的にアジア太平洋地域の自由貿易圏を目指す道筋を、それぞれ積極的に進めていこう
ということ」だとした。
 参加9カ国の首脳会議にオブザーバーとして出席したTPPについては、参加国から「ぜひ参加することをできるだけ早い機会に決めてほしいと誘われた」ことを明らかにし、「日本にとって
TPPは大きな旗印になってきていると感じた」と述べた。
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 この動きは、実際に海外に生産拠点持ったり、外国人の人と共同事業を行っているひと
には、歓迎されますが。
 今の現状を一言で言うと、
  国家レベルの統治体の枠組み変換 が世界規模で始まっています。
日本列島にとって、本格的な統治体の枠組み変更になります。
1300年前には、この列島を、大きな共同体として、国家が領域限定され、
しかも、明治維新では、さらに、列島内の各部族を束ねるために出発した皇祖神アマテラスを
近代国家の権威の発現点アラヒトカミにして、国境(これは神域)の内と外とを、強く別けながら、あらたなアイデンティーを日本列島民に埋め込んでいったものが、解かされていきます。
統治体(Nation)と、国、さらに、民族のアイデンティーを、一つに一致していたのが、
明治以降の日本列島の日本国民でしたが、 これが、変容していきます。
これまで、
「異なる部族を一つにして、そこに、経済的共同体を 政治的に作り出す。
 それが さらに、運命共同体としての統治体にまでなっていく。」 
これは、人類史的には、多くの次元で、見られました。
言語、価値体系、経済実態を作るための関係性と手段 の 進化と進歩。
人類の歴史は、 4000年スパンの時間で見ると、この繰り返しです。
ただ、だんだんと、この統治体の規模、管轄範囲が広がっています。
統治体の内側では、特定の人間だけでなく、誰もが進んで、そのルールつくりに
入れる仕組みが出来上がり、それが広がっています。
しかし、それにも、時代時代によって、どうしても、限界は生まれるのでしょう。
何を最優先するか? 
 既存の権力側が出す「情報」とは、大きな流れとその制限 という、この中にいるものです。
私たちは、その本質を知って、自分個人の生活、そして、心の持ち方を決めねばなりません。
たとえば、
>ミャンマーの選挙が、まるで、軍事政権が維持できる仕組みの投票であっても、
 選挙それ自体が、まったくなかった状態よりも、あったほうが、わずかであれ進歩です。
>日本の民主党が、どんなに、お粗末な政権運営でも、戦後のハコモノ・ムダを止めさせる
 方向は間違っていません。
 
日本の政治に関していえば、「次」をどうするのか?
グローバル化を踏まえて、 この日本列島の国土とそこに生きる1億2千万人に、
まず、こうすれば豊かになれるという、考え方とビジョン を見せないといけません。
今、日本の大学生の就職率は、過去最低となってしまいました。
明治維新以来の企業活動は、ものつくりと輸出であったため、グルーバル化は不可避です。
他人を雇用できるほどの、「事業」を興すのは、並大抵ではありませんが、
自分自身が、「価値」を生み出していくことは、誰にもでもできることです。
>>>  20日(土)、 午前十時、 名古屋国際ホテルにいます。
 東和エクセルの坂野さん主催で、 集まります。
 その後、午後2時から、 クローズドの研究会
 
 国家が、これまでの枠組みを壊わしていくときこそ、
 自分の内側の、文化的連続性が、未来を生み出していきます。
 そして、それが、世界中の誰もに愛される人間性を生んでいきます。
 日本人の場合、隣の厄介な住人の「中国」と中国人との付き合いをどうするか?
 それ以上に、アメリカの呪縛からどう出るか?
 もう、「工業化」が、全日本人を、雇用と金銭補償で、幸福にすることはない。
 
 自分は、パーツでなく、新しい現実を生み出す、その主体者。
 それも、人間の内側から出てくる創造性 での 主体者。   ここからです。 
 
 騙し騙され、ワイロ絶対の中国社会や、 国家暴力崇拝のアメリカからは、
 生まれないもの、 それを日本から出していきましょう。
 カネでカネを増やすのではなく、 今、何が求められているか、を考え、
 自分が関わることによって、 何を生み出すか? ここにのみ集中しましょう。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。