非対称の国家対立。石垣島の住民の声を優先せよ。

 日本人は、自分の国が、きちんとした国家だと、勘違いしています。
一方、中華人民共和国は、共産党の独裁国家です。
今は、かたちは、共産党以外の政党もありますが、ここには、政治的権限はなく、
たんなる、アドバイス機関です。
それ以上に、大切なことは、この共産党が自分の軍隊を持ち、それが、国家の政権の
あり方まで、決定していることです。
これは、日本で言えば、民主党、あるいは、自民党が、自分で独自の軍隊を持ち、
その軍事力を持って、日本の政権を勝ち取り、そして、海外との紛争に、圧力を行使して
いるのです。
日本で言えば、薩長軍が、武力で、政権をとったのと同じ次元、同じ時代のままなのです。
その共産党の軍隊である人民解放軍が、中国が国連に復帰した後、ずっと、奪取を狙っていたのが、尖閣諸島です。
>>>  これは、単なる領土紛争ではありません。
国家の存続意義、そして、政権の存在目標が、そこにあったのです。
はっきり断言しましょう。
これに対抗するには、自分で軍事行動を越せない、今の日本は、手の出しようもありません。
相手は、国家の戦略目標として、この尖閣諸島を取りにきたのです。
国家の本質は、暴力機関です。 
戦後の日本は、サンフランシスコ条約で、この暴力の起動装置を抜かれているのですが、
今の、中国は、この国家暴力の起動装置が、むき出しになって発動されたのです。
今、心配なのは、フジタ工業の職員です。
レア・アースの件は、かねて予想されたことです。
では、どうするか?
日本政府が、これまでどおり、尖閣諸島を自国の領土と主張するなら、すぐに、その実行に
入らないといけません。
海上自衛隊に保護させ、海上保安庁の駐在事務所を建設に入ることです。
もちろん、海底にはアメリカ海軍の潜水艦を控えさせ、さらに万全を期すことです。
とうぜん、それを阻止しようと、中国海軍が動いてくるでしょう。
しかし、それでも、それを、実行しないといけません。
そして、緊張が、ギリギリまで高まったところで、初めて、まともな、政治の出番となります。
そして、このときに、国境の策定に入ったほうがいい。
今は、日中間のきちんとした国境の策定のために、日本の国富を持ち出してでも、
それを実行すべき次元にまで、来ています。
共産党の人民解放軍は、一体、どれだけの自国民を犠牲にして、政権を奪取したのか?
それと同じ意志が、今、沸騰しているのです。
私たち戦後の日本人は、 まったく国防を意識しないで、アメリカのポチと、観念的平和論
という、どちらも、現実から遊離した言論空間で、たまたま、経済発展しただけなのです。
私たちが、非完全な国家にいる、という事実。
しかも、その国家に、いきなり、政権の存在意義をかけて領土問題を仕掛けているのが、
中国だという事実。
もはや、金儲けも経済成長でもないでしょう。
私は、まずは、石垣島の島民の皆さんを、一日もはやく、安心させることを、
すべてに、最優先させるべきと考えます。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。