裏で何があったのか?すこし、想像してみました。

小沢一郎を起訴にするかどうか、分かれ目になったポイントは、
1月23日の検察による事情聴取と、 
2月2日の 小沢一郎氏とアメリカのキャンベル国務次官補の会談でしょう。
昨年末、「ソフト・パワー」の提唱者ジョセフ・ナイ氏(ハーバード大学教授で
クリントン政権の国務次官補)は、
「小沢をどんなことがあってもつぶせ、でないと、日本は、大変なことになる」
と、日本の関係者に、わめき散らしていたことがあったそうです。
小沢氏は、一体、アメリカにとって、どんな存在なのでしょうか?
田中角栄を政治的に、引き継ぐとは、どういう意味だったのでしょうか?
アメリカ知性の代表である、ナイ先生を、そこまで怒らせたものは何か?
日米関係は、今、政治的パワーでいえば、国際関係上<占領下>のままですが、
この状態で、日本側から、アメリカの生命線を握っていけるものは、何でしょうか?
ナイ先生は、一体、何を、怒ったのか?
昨年、日本は米国債を買わず、そこで、助け舟を出したのが、躍進著しい中国ですが、
ここが米国債を買う代わりに、アメリカが秘匿していた軍事技術や新エネルギー技術
を、その見返りに要求します。
日本が、米国債を買わない以上、つまり、アメリカ経済の復興を助けない以上、
アメリカは、中国のそのしたたかな要求に、どうしても、応えなければならない。
しかも、日本の民主党が、基地問題で、ぐらぐらとアメリカを揺さぶり、小沢一郎が、
その中国と親密となると、中国は、その隙に、またアメリカと、陰湿に交渉します。
アメリカは、日本を<占領>しているはずが、どんどん、追い込まれてしまったのです。
で、こうした、状況をどうやって脱出するのか?
中国は裏で何をするか分からず、とても手なずけることができません。
やはり、日本を、もういちど、取り込むしかありません。
では、どうやって、取り込むのか?
政権交代した民主党のボスが、小沢一郎氏ですから、ここから、追い込んで、
日本を、アメリカ経済やプレゼンス維持に協力させる体制に追い込むしかありません。
ナイ先生の「ご威光」は学会やマスコミに及んでいますが、それが、日本の検察にまで
及んだのでしょうか?
で、結局、不起訴がきまる直前、 小沢自らが、「もし、そういう事態になれば・・・」と、
発言し、これは、手打ちが済んだ表明でした。
誰と誰の手打ちか?  日本とアメリカです。
日本とは、日本の民主党政権ではなく、日本のエスタブリッシュメントたちでしょう。
よって、今年は、再び、米国債を、日本は買い出すのではないしょうか。
そのとき、どんなお金が使われるのか、これは、もう、なんでもありでしょう。
そして、一般会計に関して言えば、「思いやり予算」も現在の水準の金額を
継続することを、政府間で、約束したのではないでしょうか?
ここまで考えると、この小沢一郎関連の捜査やその報道が、アメリカの意向で、
動いていたとしたら、これによって、2月3日、はしごを外された ことになります。
私たちは、 3月の人事 を 見守りましょう。
それにしても、小沢一郎は、なぜ、あんなに資金を持っていたのでしょう?
今回、不起訴になったのは、ゼネコンからの献金の証拠がないからです。
4億円以上の資金の出所は一体、どこでしょう?
ゼネコン献金でないとすれば、新進党の解党にまつわる政党助成金の流用が
考えられますが、それ以外には、ないでしょうか?
ナイ先生があれほど怒ったことを考えると、もっと、ほかのものかもしれません。
もしかしたら、アメリカと関係するのでしょうか?
で、考えられるのは、1992年の湾岸戦争のときに、GCC(湾岸協力基金)に
日本政府が支払った2兆円の資金との関係です。
当時の海部内閣で、小沢一郎はそのとき、実質、この資金援助を仕切った人間です。
そこで、ここからは、これまで以上に,仮定の話ですが、
国際政治でも、こうした資金の移動に関し、日本国内での不動産取引と同じように
3%の手数料(あるいは、成功報酬)が配られる習慣が、当時、あったとしたら、
600億円が、当時の自民党関係者に、アメリカから流れているはずです。
このお金は、アメリカが自民党の関係者を、手なずけるための資金のはずでしたが、
あれから18年経っても、じっと使わずに、アメリカ支配からの脱出のために秘匿して
いた人間がいたとしたら、これは面白い。
アメリカがサブプライムローンで経済破綻し、経済的に完全にヘタッタときに、
その資金が亡霊のように出てきて、アメリカ覇権に止めをさす方向に流れ出した、
としたら、こんなに滑稽なことはありません。
そし、そうなら、ソフト・パワー提唱者のナイ先生が激怒する理由も分かります。
一体裏に何があったのか? 以上は、あくまでも、信州の山の中からの想像です。
ps: 昨日の日曜日は、我が家と実家の雪片付けで一日がつぶれ、
  当初予定していた、映画「アバター」の鑑賞に行けませんでした。長野の映画館は
  3D上映ではないし、こっちはいずれDVDでみることにして、それよりも、ジェームス
  キャメロン監督の前妻が撮ったイラク戦争の映画のほうに、今、関心がいっています。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。