中野市の将来を考える。100万人の固定客を!

 今日は、クリスマス。
 郷里に移って、やっと、我が家も落ち着きました。
 京都の宇治から移って、妻と二人の息子が、やっていけるかどうか、
 少し、心配していましたが、なんとか、なりそうです。
 息子たちも、この寒さに負けずにがんばっています。
 特に、22日の朝は、菅平で、マイナス21度。 
 中野でも、マイナス11度まで、下がっていたようです。
 4月から住みだして、もうすぐ9ヶ月。
 この間、付近の名所には、よく出かけました。
 そして、私にとって、最大の発見は、  このナカノ地域が、
 日本全体の中でも、もっとも農業技術の進んだ地域 であること です。
 まさに、 天賦の地 です。
 しかし、ここで、大きな問題。
 中野の農業生産には、 コメ、野菜、果物、肉、キノコ と、なんでもありますが、
 これを、吸収する、十分な人口がなく、 常に供給過剰に なっていることです。
 そこで、中野にある、農産物の直売場には、
 本当に美味しいものが、安値で、出回ります。
 
 もちろん、中野の農協は、全国的にみても大変、優秀で、
 キノコを中心に、多くの下ろし先を持っていますが、 こなしきれません。
 
 個々の農家は、大変な努力家で、何とか、直売ルートを開拓しています。
 また、農産物を加工する業者も、とても熱心ですが、 売り先を探すのに
 苦労しています。
 こうした中、 今、長野県では、<地産地消> を進めますが、
 
私は、これには、 << 注意 >> を 促したいと思います。
 地産地消 運動は、 地元の農産物の種類や質の高さを、
 地元の人間が知ることには、 有効ですが、
 地元の消費者を、 地元の生産者が 奪い合う、ことになりかねない、からです。
 大雑把に考えて、 北信濃地域 全体で、
 (中野以北・・・中野、山之内、木島、飯山、野沢温泉、栄村)
 ざっと、10万人の人間が暮らしています。
 しかし、この地域の農業生産力は、その10倍の 
 100万人 を 食べさせることができる のではないでしょうか?
 供給力100万人に対し、 需要が10万人。
 この根本的なギャップが、 耕作放棄地 が増える原因です。
 
 この10万人が、仲間内で、いがみ合っていては、どうしようもない。
 10万人が団結して、県外に(場合によっては、海外まで視野にいれて)、
 100万人の、固定客をつかむこと。
 ここに、意識を集中していかないと、 
 常に、努力が報われない結果になります。
 せっかく作ったいいものを、 安値で、処分するしかない状態が、
 続いてしまいます。
 
 10万人を、如何に一つにするか?
 まず、この「地域」のもつ、地政学的条件 を、皆で認識することから
 始めるしかありません。
 21世の日本全体の中で、どんな、役割を担える地域なのか?
 そして、その地域の人間は、
 地球上に生きる人間に、どんな幸福を与えることができるのか?
 北信濃にも、工業系で独自技術を持つ、大企業の関係会社もありますが、
 グローバル化と、コスト減で、今後は、海外に、多くが移転していくでしょう。
 
 工業は、20年スパンで見たとき、個々の地域の、地域おこしにとって、
 一時的には雇用の担い手になりますが、その永続性は、 限定的です。
 やはり、大地に、根ざしたものしか、 安定した未来を 生み出せません。
 中野近辺には、 温泉が、豊富。
 昨夜は、我が家から車で3分のところにある、箱山温泉に行きました。
 東山を越えて、リンゴ畑の中にある、 温泉かけ流しの 源泉の湯 です。
 食、 湯 は、十分にあります。
 また、 スキー場もありますが、
 あとは、何が必要か?
 100万人を、ひきつける魅力をどうするか?
 やはり、エンターテイメント。
 こうしたものを、トータルに考えたい。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。