先週、ドバイの政府系金融機関が破綻しました。
ドバイに一番貸し込んでいたのが、イギリスです。
その次に、フランス、そして、ドイツ。
カネで、カネを、増やす投資の舞台になったのが、ドバイでした。
今後は、同じ、UAEのメンバーのアブダビ政府が、救済に乗り出します。
さて、
今の、世界経済のことです。
このドバイのように、カネで、カネを増やすことだけで、資金をひきつけた場合、
大きな落とし穴がありました。
それよりも、
今、眠っているお金で、いい現実を、どう作るか、 です。
いい現実とは、物的に安心して暮らせる社会環境で、
豊かで、高度な芸術を楽しみながら、心の友を増やしていける状態です。
本来なら、それを実現するときに、 人間を動かすエネルギーが、
お金であったはずです。
そのお金は、 貯金の形で、 銀行や郵便局に、 預けられています。
そこには、 個人や企業、年金、保険など、いろいろなものがあります。
これが、それぞれに、より多くの利回りを求めているのですが、
サブプラ後の世界経済では、日米欧の金利は、 限りなくゼロに近づいています。
それで、高金利をめざして、
世界中の貯金や年金の資金は、ウズウズしているのですが、
実は、それぞれの資金には、その所有者の意志を、反映する性質もあります。
単なるカネのまま、なら、 少しでも、増えるところ、そして、
決して、消えない安全性の高いところに、 向かいます。
その結果、今、世界中から、まったく借金していない国、 日本に、
その資金が向かっています。
それが、円高です。
これは、今後も、続きます。
よって、 日本での、 私たちの人件費は、 どんどん高くなっているのです。
今、日本が、デフレという前に、 ドルベースでみたら、どうなのでしょう。
日本から、モノを輸出するのではなく、私たちの、英知を、
どんどん、海外に広めましょう。
そして、海外の人に、経験や技を教えて、彼らと組んで、製品にして、
その、ロイヤルティーで、 稼げばいい。
これは、 企業活動に、関してです。
>>> で、 もう一方の分野があります。
銀行に眠っている、私たちのマネーを、どう生かすか?
特に、日本に2800万人以上いる、お年寄りたちが持つ、お金です。
この人たちには、 生活保障でぎりぎり暮らす人もいますが、
まだまだ、働ける、知力体力経験がありながら、定年で退職した人もいます。
そして、誰もが言います。 将来が不安だ と。
それなら、 不安でない未来を、自分が関わることで、実現できないか、
それも、
カネで、カネを増やすのではなく、 カネのもつエネルギーで、
自分にとって、 こうありたい、という、身近な世界を、
作る側に回ることができないか?
人間は、誰かがつくった仕組みに、組み込まれて、それに、
使われるときには、 給料を、要求します。
しかし、 自分自分が好む、自分の世界を創るときには、
そうやって、得たマネーを、進んで、つぎ込むのです。
いや、自分にとっての、お気に入りの世界を作るために、
私たちは、働いているのです。
それならば、直接、 自分のお気に入りの世界を 創れないか?
あるいは、今、寝かしている、自分のマネーを、
単に金利を求めて、金融機関に寝かして、少しでも増やすことを考えるよりも、
自分の世界を、直接、創る方向に、生かせないか?
家やクルマ、家電、といった、個人が所有するモノではなく、
自分を生かす空間、自分が理想とする小さな社会を、作り上げるために、
その資金を生かせないか?
>> 本来、そのために拠出されているのが、 私たちの税金だったはずです。
しかし、この税の使い道が、 滅茶苦茶でした。
これが、今回の「仕分け」劇場で、 国民は、よく知りました。
それ以上に、自分たちの税金が、 自分たちの未来を、まともに、
作っているのかどうか、という視点を、私たちは初めて持ちました。
税 とは、 何か?
変な使われ方をするのなら、出さない。
それよりも、 着実に、自分の未来に直結するものに、自分のお金を出したい。
また、そこに、自分の思いを乗せて、自分のこだわりには、口も出したい。
こうした願望は、これまでも日本社会にも、あったのですが、
「役人」たちは、 前例や法律を盾にして、こうした声に、
応えてきませんでした。
そうした役人に、言われるままに、従ってきたのが、
これまでの多くの日本人です。
で、一分の人間が、税で集められたカネを、強引に、自分の懐に
入れるためだけに、 変テコな、事業を繰り返してきたのです。
これに対して、どうするか?
それには、 法律や条令を変える、<政治> も必要ですが、
もう一つ別のやり方があります。
地域の人間が、 みんなでこうしたい、こうありあい、というビジョンやプランを
策定し、 それに、直接、資金を、出し合ってしまう、というやり方です。
今、 日本の地方自治体が、発行する地方債は、そのほとんどが、
既存の行政のプロジェクトの資金不足を 補うモノです。
なぜ、資金不足になったのか、 事業費が、どんどん嵩んでしまったのか、
その検証も見直しもないまま、発行されているのです。
そこでは、金利だけを目当てに、金融機関が私たちから集めた(預かった)
資金が入るのですが、 そ0のとき、大事なことは、
私たちの、未来に向けた夢は、スッカリ、省かれていることです。
あるのは、 これまでどおりの行政の継続と、 カネでカネを増やしたい、
という、銭ゲバ根性だけです。
これでは、 未来を創る、生き銭になりません。
自分の未来を作りたい、という、熱い情熱が、 抜け落ちています。
さて、ここを、どうするか?
日本では、公益財団 や NPO法人がありますが、
ここに流れる資金が、 自分の未来に、直結している、と
手ごたえを持っている人は、きわめて少ないのが、現状です。
「眠っている資金」を、 その地域の住民にとっての、
自分の未来の 現実に、変えていく。
カネは、人を動かすエネルギーです。
これで、如何に現実に変えていけるか、 私たちは今、
その現場に、立っているのです。
私には、秘策があります。 いずれ、また。
「眠っている資金」を、誰が、どう生かすか?
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この記事を書いた人
新井信介
1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。