宇宙にある森羅万象の中で、 この地上の人間が作り出したもの。
制度 や 科学 や 芸術 や 住宅や機械、 などなど。
とくに、 社会制度は、より多くの人間を取り込んで 国家になり、
さらに、 鉄道や電力供給など巨大システム を 誕生させました。
しかし、 こうした人間の活動の、もっとも基本となっているのは、
これらを作り上げる 概念 です。
この概念は、映像イメージと言葉(これには、数式も含まれます)によって、
設計されます。
数万年前、咽喉が発達し、ようやく複雑な音声を発するようになったときから、
人類は、 協力と分業ができるようになりました。
それは、 まだ文字を持たない言語として、部族ごとに発達します。
そして、 氷河期が終わって、大河川沿いに農業が始まると、
そのときに、日々生存する以上の 食料(富)の蓄積が始まり、
それを管理したり、分配を記録するため、文字が生み出されます。
文字は、音声での言語情報を記録し、情報の外部化 を進め、
外部化された情報は、時間や世代や空間を越えて、
その部族集団の 共通の概念 を生みます。
それは、恵みを与えてくれる、天上の意思=神 とともにありました。
ここ4千年の人類の歩みは、
部族ごとの神に支えられた、 「個々の概念」 のぶつかり合いでした。
概念の中には、 通貨もあれば、 基準や尺度、 ルールもあります。
特に、重要なのは、 誰が統治するか、という、統治の主体者の概念です。
経済的な採算、合理性、利益 も、 一つの概念です。
このとき、 自分の考える概念が、 拡大型のものなのか、
それとも、 循環完結型、 あるいは、
四季の変化に沿った、 定期変化の恒常的なものなのか?
この見極めが、重要です。
本来の、宇宙の中で、地球の運行と、 生命の繁栄はどうあるべきか?
人間は、概念の動物です。
この概念が、宇宙の運行を無視した、拡大系で、
しかも、それに沿った社会システムが、拡大系であれば、
それは、必ず、宇宙システム=天の摂理 と
大きな衝突 を 生みます。
人間は、 物事、特に、社会システム と自分の幸福 を、
どう理解するか?
この「理解を深める」という行為は、無限に進めても問題ありません。
頭の中の作業(THINK) だからです。
しかし、
どう、行動するか? 特に、統治にどうかかわるか、 となったとき、
漠然と、 このTHINK を 進めてはなりません。
明治維新以後の国家システムは、 一貫して拡大システムでした。
それは、戦後は、 領土的な拡大はなくなりましたが、
国家財政 なかでも、 官僚たちの生活基盤の 拡大システムでした。
この認識が、 最重要です。
国家事業をすすめるとき、現地住民が反対してそこに抵抗があれば、
それは、抵抗をいさめるためとして、その予算が、またまた、拡大します。
官僚は、自分の生活基盤の拡大のために、何でも利用します。
また、なんでも国家に依存する人間は、 この拡大を助長したのです。
それは、官僚(役人)が自らを、統治者だと意識していたからです。
これを止めさせるには、 国民が、 自分が統治者で、
官僚(役人)は、その事務屋だ、との意識を徹底するしかありません。
これは、統治者が入れ替わるのですから、 ある意味で、戦争です。
戦争は、破壊を伴いますが、 今の破壊は、
まず、概念の破壊 になります。
私は、 小規模 分散型 の 自立自律 した 社会システム
の推進論者です。
巨大ダム や 原子力発電所 は、それを建設するだけで、
生命に対する負荷が大きく、 まして、 原発の場合、
壊すのにも、多くの負担が出ます。
大都市圏に、水を供給する。 電力を供給する。
産業用のインフラを整える。
これが、これまでの国家の大義だったのでしょうが、
私は、 都市化 自体が、 文明の病気 で、 未発達な段階 と
考えます。
これまでの概念、予定された生き方が、変更するしかない、
となったとき、どうするか?
「国 敗れて 山河 あり」
山河があれば、 私たち人間は、 また、自分の世界を
創れます。
そのときは、これまでの経験を踏まえて(学習して)、新しい形を
作り出せます。
20世紀まで、 他者を支配すること、そして、邪魔者は、抹殺してもいい、
あるいは、 意識まで、都合よく操作してもいい、 と考える、
とんでもない人たちが、国家システムや、 経済構造を考えていました。
しかし、そんな彼らも、 新しい経験をつんでいます。
生きている人間は、 肉体的には個人であって、
精神と、生命系では、 個人ではないのです。
こうした、理解・・・これも概念ですが、 これが変わると、
地上の人間社会のあり方も変わります。
巨大システムが、止まります。
世界的には、 アメリカの一極支配の軍事統治システム。
日本国内では、 官僚依存の拡大システム。
誰が、次の時代のシステムの雛形を、 生み出せるか、
その概念が、 今、 地球規模で、求められています。
こんなとき、 古いものに、しがみついていたら、すぐに、
生命が枯渇=風化していってしまいます。
こころして、かかりましょう。
巨大システムが止まるとき。
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この記事を書いた人
新井信介
1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。