iPS細胞と放射能。人類は今、アクセルとブレーキを両方踏んでいる。

 山中さんのノーベル賞受賞 おめでとうございます。 本来なら3年前にもらっていてもよかった。それほど画期的、さらに悪魔的な発明です。これは、神の領域に踏み出しています。

この間、世界で何があったか? 日本では、事業仕分けでこの研究予算が削られている時に、海外(特にアメリカ)では、 実用化に向けて多くの研究資金が集められた。

日本ではこの受賞を受けて文部科学省は今後10年間で300億円助成することを決めました。これで、多くの病気に対する新薬の実用化に、一定の目途が立つことになります。

不思議なこと。これまで日本の製薬会社が、どこも支援に乗り出してこなかったこと。そして、この研究室は京都大学の中にありますが、京大医学部関連の人間たちが、山中さんの研究資金集めに奔走したあとがあまりみかけられないこと。(私が知らないだけかもしれませんが)

万能薬の開発が進めば、これまでの薬屋や医者たちが、ころまでどおりの儲けを得られなくなるからか。日本の医療マフィアが、これを遠ざけたかったのか。

一方、この間、人類全体を視野に入れているアメリカの資本家たちにすれば、この技術によって、まず、自分自身が長生きできる。そして、長寿を望む多くの金持ちたちから、マネーを稼げると、考えたのでしょう。

今、日本の医療と薬品の業界のボスたちは頭を痛めているはずです。これまで、わざと病気をつくり出し、ひどいものは重症化させ、対処的に一時的には効果があるが、生命力の回復にはまったく効果のない薬を与え続けることで体を弱らせ、またつぎつぎと病気を併発させ続けることで、日本国政府が国民から吸い上げたカネを貰い続ける仕組みが、これで壊れていくことになるからです。

 ですから、この技術の実用化にあたっては、どの処方に使うか、倫理面からの制限以外にも、政治的な圧力が、当然、加わってくるでしょう。また、彼ら医療マフィアの思惑では、それが別方向に向えば、場合によっては人間を、完全なサイボーグにしてしまう可能性もあります。 オリンピックの超人ゲームは、もう、メチャクチャにもなりかねない。

 それにして、この技術で、多くの人間の命が救われ、延命することになります。

 問題は、そのとき、どんな意識で、さらに「延命」していくか、です。

今、地球には、70億人以上の人間が暮らしています。 そして、同じその地球には、これまでの自然界には存在しなかった原発由来の放射能が、どんどん濃くなっています。これは、あきらかに、遺伝子を傷つけていきます。

人類は今、一方で、遺伝子を壊す魔物を地球全体に拡散しながら、もう一方で、個々の生命体のあらゆる細胞を再生させる医療技術を確立しつつあります。

 これは地球の人類という生命存在が、一方でブレーキを踏みながら、同時にアクセルを踏んでいる姿です。

これは、 とんでもない淘汰が始まってしまった、 ということです。 

放射能汚染と被害について、原発マフィアの大本営発表を信じている人間、そして、これまで通りのマネー中心の生活を維持したい人間は、どんどん、自分及び他人の遺伝子を放射能で傷つけ続けます。そんな彼らは、このiPS細胞での、己の人体の各部位の再生を望むのでしょうか? 陽子線治療のように高額な資金がかかるので、彼らは、ますます、金儲けに没頭するのでしょうか?

私は幸いにも両親から丈夫な体をいただいたので、こうした高度の医療とは、関係なく生きていけそうです。 かつての中国の仙人のように、静かに自然に溶け合って生きていければいい、と個人的には願っているのですが、今のこの国、あるいは社会のシステムがあまりに狂っているので、これをなんとしても立て直したい、と考えてしまい、それゆえに苦しみます。

今はとにかく、

真実を求める仲間とつながり、セイフティーゾーンをつくり、健康で朗らかに生き抜くこと

アクセルとブレーキの両方が踏まれている中で、どう穏やかな幸福を確保するか。

国家や宗教次元の諍(いさか)いなどは、人間の頭の中での理解の仕方が原因です。 ほんとうに早く解決したい。さらに、人間社会から、マネーに対する信仰を早く払拭させたい。

古代史研究での私の最近の関心は、もっぱら、ミトラ信仰の起源に向っています。

どうも、モンゴルの北側、南シベリアのトゥバ,ハカシア付近にありそうだ、とつきとめました。ここには6000年前からの遺跡があり、さらに、BC9~3世紀には相等大きな王権があったことが、数ある古墳とその出土品からかがえます。

そこには、地中から湧き出た水のみの透明な湖があるようです。そこならは、天と一体になれることでしょう。

 

 

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。