イラクから米軍が撤退。イランとイスラエルはどうなるか?

ブッシュ(息子)が始めた、911からイラク戦争。 そのイラクから米軍がまもなく撤退します。

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中東地域の軍事バランスが、変わります。これが、軍事での緊張の縮小・低減になることを期待します。

もっとも重要な役割を演じるのはトルコでしょう。ジャスミン革命を達成したイスラム諸国に、今、手本を示しています。

残るのは、イスラエルとイランです。 この両者の対立を煽るのか、鎮めるのか?

これは、国際社会での来年の最大の課題となります。 

中国とロシアは、イラン側につくことをすでに表明しています。アメリカはイスラエルを守る立場であるので、どうも直接イスラエル攻撃できるICBM施設は破壊したようですが、イランとの本格戦闘は、第三次世界大戦になりかねないので、それ以上は発展させないでしょう。

 一方、イスラエルも追い込まれています。1948年イスラエル建国によって祖国を失ったパレスチナは、この12月、ユネスコに正式に国家として参加しました。これは、国際機関で初めての承認を受けたものです。

「パレスチナの民こそが、血統的にはこの地域にいた本来のヘブライ人だ」というのは、すでに、国際社会では常識になりつつあります。  

現在のイスラエルのユダヤ人はほとんどがユダヤ教徒で、遠くの母方に南ユダの関係者がいるに過ぎません。ただ、レビ族の人間は、古代イスラエルの男系男子をついでいるとされますが。今のユネスコは事務総長が日本国で初めて国際機関のトップになった松浦氏であり、この地域を軍事対立させないように配慮し、その動きは、『国家を超えて、平和の道を探っている勢力』と、一緒に動いているのではないか、と思われます。

 今、第三次大戦の当事者国になりかねないイランとイスラエルですが、実は両国とも、わが日本国との関係では、日本が国家として成立する7世紀に、極めて深いものがあるのではないか、と私はにらんでいます。

 少し、突飛ですが、それは、「大化の改新」を引き起こす遠因になったのではないか、とも考えます。

 今のイランは、ササン朝ペルシャの継承政権ではないか、と私は考えます。 ササン朝ペルシャが栄えた時代は、3世紀前半の卑弥呼から、7世紀前半の聖徳太子や舒明の時代までで、これは、ちょうど、日本列島で倭国がどんどん成長していった時期に重なります。

 この期間の前半、451年まで、現在のイスラエルの地(カナン地方、中心はエルサレム)には、ユダヤ人の血を持つ総主教がいましたが、カルケドン宗教会議のあとは、この地の宗教上のトップにビザンチンが指名するキリスト教徒が着き、ユダヤ人たちはペルシャ領になだれ込んでいます。            

 ムハンマドがメッカで啓示を受けるのは610年。メディナに移って共同体「ウンマ」を作り出したのは622年です。ムハンマドは630年にメッカを奪回しますが、632年になくなります。この後継者が、「カリフ(預言者の代理人)」となり、この共同体システム「イスラム」を広げる軍事活動を始めました。

 イスラムがエルサレムを占領するのは638年です。イスラム軍は、636年8月にヤルムーク川でビザンチン軍を破ってシリアを獲得し、さらに翌年637年にはカディーシァの戦いでペルシャ軍を撃破します。その勢いのままにエルサレムを占領したのです。 

このときの主役は二代目カリフのウマルで、交渉相手はキリスト教徒のエルサレム総主教ソロフニオスでした。ウマルは、ソロフニオスからイエスの昇天舞台になった場所を案内されると、「イエスも預言者だったが、最後の預言者ムハンマドもその地で昇天したはず」と考え、そこをイスラムによっても聖地としました。そして、50年後に、エルサレムのその地に「岩のドーム」が建設されました。

このイスラムによるエルサレム占領から、「岩のドーム」の建設までの時期が、日本では大化改新から、伊勢神宮の整備、アマテラスの創出の時期なのです。また、半島では百済・高句麗が滅亡し、新羅が統一しました。 中国では、唐の2代目太宗李世民から3代目高宗李治、そして則天武后の即位、『周』の成立の時期なのです。

イスラムの起源をきちんと知ることは、今のユダヤ人(ユダヤ教徒との違い)とヘブライの真実を知ることのみならず、実は、私たち日本国の伊勢神宮とアマテラスの起源を知ることと繋がります。

 来年、古事記完成から1300年。このイスラムと、ユダヤと、日本のアマテラスの真実も明らかになるでしょう。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。