17日に本欄で、
「日米同盟が対中国でやっと対等に。東アジアに、危機演出解除の方向か。」 を指摘しましたが、
早速、防衛省で、次の方針が出ました。
裏にいるのは、G20とシンポールでしょう。
読売新聞からです。
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<自衛隊が離島奪還訓練、南西諸島想定し12月>
防衛省が今年12月、新たに策定した沖縄・南西諸島の防衛警備計画に基づき、陸海空自衛隊
による初の本格的な離島奪回訓練を、大分・日出生台(ひじゅうだい)演習場などで実施することが、
18日、明らかになった。
東シナ海における中国海軍の勢力拡大をけん制するのが狙いとみられる。訓練は日米共同統合
演習の一環として行われ、米海軍第7艦隊が支援する。
訓練は、青色(味方)軍と赤色(敵)軍に分かれ、大分県内の陸上自衛隊日出生台演習場の一
部を離島に見立てて行われる。
まず、赤色軍が自衛隊の配備されていない離島に上陸、占拠し、島内に対空ミサイルなどを備え
付けるとともに、周辺海域に海軍艦艇を集結させているという状況から始まる。
すぐさま防衛出動が発令され、防衛省は、対地、対艦攻撃能力の高い空自F2戦闘機と海自P3C
哨戒機を出動させる。赤色軍の対空兵器を弱体化させるとともに、陸自空挺(くうてい)団員など
約250人が乗り込んだ8機の空自C130輸送機が、空自F15戦闘機の護衛を受けながら
離島に接近する。空挺団員らは次々にパラシュートで降下し、海空自の援護射撃を受けながら
赤色軍を制圧、島を奪い返すというシナリオだ。
訓練は同演習場のほか、沖縄・南西諸島周辺の訓練海域も使って行われる。
これまで防衛省は、周辺国への政治的な配慮などから、離島を想定した大規模な訓練を控えてきた。
だが今年3、4月の2度にわたって、中国海軍の艦隊が同諸島の周辺海域で大がかりな訓練や挑発
行動を繰り返すなど、ここ数年、中国海空軍の活動は活発化しており、日本にとって相当な脅威
となってきていた。
防衛省幹部は「中国に対し、日本は南西諸島を守りきる意思と能力があることを示す。それが
抑止力となる」と訓練の目的を説明する。同省は訓練の一部を公開する予定という。
(2010年8月19日03時05分 読売新聞)
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20世紀末、中国は西沙諸島全域まで領有を主張し、海軍力を高め、ベトナム、フィリピン、マレ
ーシアとも摩擦を起こしていました。
こうした事態にシンガポールのリクワンユーが、日本の海軍力によるけん制を求めていました。
日米安保では、日本の島嶼地域の防衛は、日本の担当でアメリカ軍は関与しないとされてきた
のですが、自民党時代の、日本の海上自衛隊は、中国に配慮し、独自に動けませんでした。
しかし、つい先日、外務省が、日米安保の適応エリアをこの島嶼地域まで含むと発表し、
その対象となっていたのが、具体的には尖閣諸島(釣魚島)防衛のための、抑止力の増強です。
「日米同盟って言ったって、中国市場のほしいアメリカは、何も動きはせんよ」
こういって、我が物顔で動いていたのが、21世紀の中国海軍です。
特に「911」後は、イラク戦争で中国を味方につけたいアメリカは、江沢民時代の中国に、
こうした勘違いを(承知して、危機を作り出すために)植え込んでしまいました。
そのなかで、日本の自衛隊は、なかでも海上自衛隊は、まことに、気の毒な存在でした。
でも、これでやっと、アメリカのポチでなく、対等の立場で、安全保障の戦略を立てられる
ようになります。
<< 私からの提案 >>。
是非、カンボジアに、日本の海上自衛隊の 補給基地 を作ってください。
ここには、アジア全域の災害救助に、迅速に対応する機能を持たせてください。
特に、食料については、日本の備蓄米をすぐに食べられる形に、この地で加工して、
ここで、水や乾燥野菜ととも、大量に保管してください。
そのための社会インフラも、急いで、造ってください。
そして、日本の民間支援団体やNPO、そして、アセアンのNPOとも協力体制を
つくって、迅速に、災害救助に繰り出せる体制を構築してください。
インターネットや、日本の防災・消防のノウハウも、そこに集めましょう。
そのための資金は、今回、沖縄からグアムヘの米軍基地移転のために新たに発生
する、インフラ整備に、初めて、国際協力銀行からのODA予算を使うのと同じく、
これも、ODAで、出すべきです。
そこには、新たに、胸に大志を抱いた、日本の若者の雇用も生まれることでしょう。
平和憲法を持つ、日本の海軍力だからこそ、アジアの人間は、安心して受け入れます。
昨日、急遽決まった、パキスタンの災害支援への自衛隊員300名派遣は、大賛成です。
さらに、追記すれば、
カンボジアには、シアヌークビルという良港があります。
カンボジア自体には海軍はなく、タイとベトナムに挟まれ、いつも脅威に晒されています。
しかも、メコン川の上流の中国は、ダムばかりつくって、メチャクチャ。
カンボジアは、人件費も安く、農作物関連の日本企業の加工基地にも最適です。
日本にとって、地政学的に、抑えるべきは、
北朝鮮、カンボジア、そして、 キルギス です。
日本の軍事力は、徹頭徹尾、人類社会での、真の平和建設部隊 でなければなりません。
やっと、アメリカ覇権の呪縛が溶け出した。ポチと平和幻想は卒業だ。
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この記事を書いた人
新井信介
1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。