国民歓喜の朝を生んだ夜には、きれいな月が出ていました。

 W杯デンマーク戦が始まる前、6月24日の深夜12時、外に出て月を見ました。
満月の前日でしたが、本当にきれいな月で、光の輪ができていました。
 ばらばらだった個が、 その心がだんだん繋がって、一つになって凝縮し、
同じ戦略の中で、連動して動く。
 サッカー発祥国のイングランドは、ライジング・サン と日本の勝利を称えました。
 自分たちが置かれている状況を、全員が、全く同じように理解し、そして、
 その自分についても、 「自分たちは、下手クソだ」と認識しあった時、 
 選手全員の心は、完全に一つになりだしました。
 サッカーは、わかりやすくていいです。
これが、私達の暮らしの将来を決める、政治になるとどうでしょう。
昨日から、参議院選挙が始まりました。
 日本が置かれている状況について、
まだ、日本国民は、一致した理解(現実に対する共通認識)を得ていません。
これまで、統治体である国家が、自らの発展のダイナミズムを、加工貿易を主体に
した企業活動にもとめてきた、そのやり方が、もはや 成り立たなくなっています。 
経済活動のグローバル化と、工業化の飽和、そして、人口構成の高年齢化です。
今、 企業は、国家のひも付きであることから離れて動きます。
国家がその活動のための原資を、企業に依存して、国民の雇用を託し、
国家の税収を、挙げてきたのですが、これらは、もう見込みがありません。
 考えなくては成らないのは、
企業とは、常に、時代にあった 社会的に必要な物を提供する存在ですが、
利益の出ないことはしませんし、 利益を出すのに、妨げになる要素は、
極力避けようとする、逃れられない性格があることです。
それは、税金の支払い と 弱者(高齢者、ハンディキャップを持つ人)雇用 です。
それに対し、行政府 は、自分の管轄地域の全ての 人間の安全と生存、財産、
そしてなにより、人間の尊厳を守らねばならない、絶対的な使命があります。
 それを遂行するための経費に、 税収と借金 を用いるのですが、
ここで、注意してほしいことは、 その経費の使い道の約半分が、
官僚や役人の人件費に、消えているという事実です。
人類は、もっと新しい、英知溢れる発展の 基本ソフトを作り出す必要があります。
それは、 まず、全員の、 イノチと、尊厳を守ること、
そして、置かれている現状をはっきりさせること。
 ここを共通認識にすることから、すべてが始まります。
 ここまで、国民の意識が深まったとき、 新しい扉が開かれ、 
政治の世界でも、日本人は、日本列島を超えて、人類史的に
 ライジング・サン に なる道筋を歩み出すことになります。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。