一昨年11月にトランプが登場しても、アメリカ国内の権力構造が変わることを、日本の外務省はきちんとつかめなかった。
だから、日本の経済界は大狼狽した。なにせ、安倍政権によって内閣人事局が発足し、経産省上がりの今井秘書官が指揮官になり、財界の今井敬、葛西敬之の二大巨頭が後ろで陣取り、官僚たち、なかでも、財務官僚まで抑え込んできたからだ。
尖閣・南シナ海での中国との緊張、さらに、トランプ登場後は、半島での緊張で、軍事強国体制を、2014年以来、一直線に続けてきた。
その体制は、日本語メディアを完全にコントロールしていたから、今年になっても、韓国での平昌五輪で、「潮目」が変わることも、全く分からなかった。
安倍晋三は何を見ていたのか? 父の晋太郎の願い、半島と日本の平和統一だったはずだが、そこには、満州亡霊も、「と金」日本人もとりつき、いずれも、神武ファンタジーに酔い痴れていた。
戦後の戦争屋のラストリゾートだったのが、日本。
それは、祖父の岸信介が言っていたように、戦後の日本の本質がアメリカの特別行政自治区。その象徴が、列島内での米軍基地の存在。晋三君は、トランプ登場の深い背景が見えなかった。
それが、日本の戦後の統治体でのエリートの限界。明治以来の列島型権威の枠組みの中で、利権(国家予算)を求めるばかりで、
本当の哲学(フィロソフィーやソフィア)を考えず、天地と人間社会・人間個人の関係が分からないままだった。
昨日、トランプは、中国を制裁対象の最優先として、スーパー301条を発令した。
なぜか?
昨年11月に天安門に行き、太平洋の向こう側の皇帝のような扱いを受けたが、これはなにか?
アメリカの製鉄業を守るというが、実は、中国自身も、李克強が号令した都市化最優先政策(ビルの建設)で、
鉄が過剰生産になって困りはて、国内では、強引な工場閉鎖が相次いでいる。
このトランプの決定は、表向きでは、中国にとって対米では貿易戦争の始まりとなるが、
国内向けには、より強引な生産調整、構造変換をうながす理由づけになる。
この意味において、習近平と、トランプは、同じ船に乗っている。
これも、プロレスだ。
これは、東アジアでの軍事緊張の処理(戦争屋の画策つぶし)に目途がついたので、
ステージは、軍事ではなく経済問題になった。
それは、当然ながら、これまでの自由貿易の段階を、否定する。
さらに、工業化による経済発展という、幸福増進のモデルも、変わることを意味する。
その点、オバマ時代、それは、グローバリズムの時代だった。
金融機関と株主たちがマネー獲得をモチベーションに、各国が政府ぐるみで、ベンチャー企業のIPOを進め、じゃぶじゃぶの金融マネーで、国境を越えて、支配権を競った。
しかし、そうやって巨大資金を得て成り上がった富裕層たちは、地球環境を本当によくしてきたか? 個々の人間の尊厳を守ってきたか?
各国各地域の生命(生態系)に根付く文化を守り、それを、得た資金で発揚してきたか?
グローバリズムの最後の守護神だったのが、日銀であり、黒田バズーカだった。
超低金利の日銀マネーは、「トリクルダウン」と言うアベノミクスの旗頭であり、実弾だった。
黒田マネーは、日本国内では株価釣り上げと晋三君のお仲間の財布に流れたが、海外では各国のドル経済を支えまくった。
しかし、トランプが登場し、今回のスーパー301条.
これによって、アメリカは、もはや完全に、世界の主導原理を提示する国ではなくなった。
そして、今は、一見、グローバリズムの段階から、ナショナリズムに移行するかのように見えるが、戦争にはけっして発展しない。
地球上でのマネーの無制限な跋扈(無慈悲な利益追求)を終わりにして、各国それぞれが、
マネーに関し、厳しい管理に入るということではないか?
そして、原発再稼働を急ぐ安倍と日本の経済界(原発マフィア)に、
世界の意思として、脱原発の時代になったと、オバマは諭しに来るのではないか? これは、私の希望的観測かもしれないが。
(この点はトランプは北朝鮮とのトップ会談を前に、まず、国務長官のティラーソンをポンペイオに変え、今日たった今、マクマスター安全保障補補佐官をボルドンに変えた。二人とも強硬派と言われる。この人事で通貨面の影響ではドルの信認性保持につながるが、基本的にはイスラエルをイランからの圧力から守る意思でしょう。これをどうするか、ロシアのプーチンと組んで、また別の力が働く。)
フクイチ問題を「アンダーコンロトール」と嘘を言って、東京オリンピック開催を勝ち取った、安倍晋三をどう処遇するか?
この5年3か月、世界の管理者の意思が、戦争屋との戦い、そして東南アジア・中央アジア・アフリカ・東欧圏などの経済発展と、
ドル経済の破たん回避のために、資金の供給源として、安倍政権の存在を続けさせてきたが、その目的は達し、その段階が過ぎた。
そこで、もう、お役御免だよ。
これを、オバマは言いに来るのでは。
そして、「人類は、いよいよ、地球生命全体での、イノチの正義のために活動しようよ」と。
実は7年前、「311」地震・フクイチ原発事故が起きながら、その年6月、日本では沖縄を舞台に、ある大学の構想が練られ決定した。
恩納村の地域発展を兼ね、ノーベル賞クラスの叡智を育てる、科学技術の大学院大学をつくることが決められ、そこに東京大学以上の国費がつぎ込まれてきた。
この大学は登記上は私立大学の位置づけで、完全な英語での教育。しかも、ここには、まだ日本人学生はいない。そして昨年、第一回の卒業生が誕生している。
新しい、地球未来のための、人材造りの拠点なのだろうか?
一方、同じ時期、野田政権を継いだ自民党の安倍政権は、神武ファンタジーを抱いたまま、「天皇のために死ぬのは美しい」という精神を国民に求め、内閣人事局をつくり、森友・加計という、とんでもないものを創ってしまった。
しかし、この列島での「妄動」を、地球規模で人類全体の中で見つめながら、アメリカの戦争屋の処理のあとに、日本を再生させると考えていた人たちがいたのではないか。
列島の統治体は、明治にできた、島国だけに通じる独りよがりの権威構造だが、アメリカの特別行政自治区だから、
いざとなれば、いくらでも、政治はコントロールできると。
そして、最初は、戦争屋が自分の手足として、戦争画策に動かそうとしていた自衛隊についても、
戦争屋の排除の後は、地球生命の管理者になる国の、その司令部を保護する部隊にすることにしようと、遠巻きながら、動き出したのではないか?
それが、自衛隊を、現行憲法の9条の精神にとっても「違憲ではない」と憲法に明記する。
これが、自民党の最後の仕事になるのではないか?
以下は、
産経新聞のオバマ来日の記事①。そして、沖縄科学技術大学院大学のURL②です。
①<安倍首相 25日にオバマ前米大統領と昼食> 2018.3.22 19:12
菅義偉官房長官は22日の記者会見で、米国のオバマ前大統領が24、25日の日程で来日し、25日に都内で安倍晋三首相と昼食をともにしながら会談すると発表した。北朝鮮情勢などについて意見交換するとみられる。菅氏は「旧交を温める昼食会になると思う」と述べた。
オバマ氏の来日は平成28年5月、現職の米大統領として初めて原子爆弾が投下された広島を訪れて以来で、昨年1月の退任後は初めて。25日は民間団体主催の国際会議にも出席する。
②沖縄科学技術大学院大学
財務省の紹介文 http://www.mof.go.jp/public_relations/finance/201709/201709j.html