以下、転載します。(NHKの以下の番組は、4日放送の「クロ現」内容の再放送でした。)
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皆様
12月17日に放送されたNHKスペシアル「脱炭素革命の衝撃」は世界のエネルギ-政策の新たな流れを的確に伝えるもので、大きな反響を呼ぶものと思われます。高く評価される番組です。
日本については、この流れに逆行して米国と連携してアジア諸国への石炭発電所の輸出に力を入れている現状が厳しく批判されております。「21世紀の技術に向かうべきところ19世紀の技術に戻ろうとしている」と痛烈です。
大気汚染という最早放置できない問題を抱えた状況下で、関係国が動き出したことに呼応して、世界の主要投資家の投資先も「炭素排出ゼロ企業」に限定されつつある現実が報告され、日本の企業関係者が危機感を深めている具体例も紹介されております。
とりわけ印象付けられるのは中国の再生可能エネルギー開発への並々ならぬ姿勢です。太陽エネルギーについては世界一の中国企業Jinko Power は数百万個のパネルをパンダの形に配置して50メガKWで5万世帯の需要を満たすなど目を見晴らせるものが紹介され、2年後にはh2.6円kw/hを達成する見込みとのことです。去る10月の党大会で習近平主席が行った「エコ文明」の提唱と軌を一にするものです。
こうした中国のエネルギー政策に関して、12月20日、旧知の中国通の知人より下記の重要な情報が寄せられました。
「習近平体制発足以前、中国は原発促進でした。向こう10年間で30基、その後の10年間でさらに30基の新設計画がありました。その当時は脱石炭で、原発はクリーンで安価だと言われていました。ところが5年経った今も1基の建設許可も下りていません。10年間で30基は事実上不可能です。友人の学者が、中国は原発政策を変え、脱原発ー再生可能エネルギーに転換すると言い、原発は様々なリスクを考えると決してクリーンで安価ではない、これは共通認識だと言うのを聞いて、大転換を確信しました。おそらく来年3月の全人代で明確な政策が出ると思います。」
同知人は別途中国の政策転換の背景につき下記の指摘をしております。
「一説によると、研究機関が内陸部原発の事故を想定し、シュミレーションをしたところ、大変な悲劇が起きることが分かったそうで、それに中国はイスラム過激派を抱えていますので、テロも想定しなければならないのです。肝心の日本が再稼働一直線、あれだけの悲劇から何も学んでいません。」
上述の世界のエネルギー政策の新たな流れは日本のエネルギー政策の再検討を迫るものと確信致します。
村田光平
(元駐スイス大使)