日本海は、美しい。庄内旅行。

オフクロに替わって、親父に同行した団体バスツアー。
千曲川を下って、信濃川に。さらに六日町にでて、そこが直江兼続の出生地。
その前の、十日町は、4500年前の火炎式土器が出土したところ。
昨日の夜は、 由良浜にある、ホテル「八乙女」にとまりました。
結構、大勢の客が入っていました。
 このホテルの名前の由来は、
 蘇我馬子に殺された崇俊天皇の第三子、蜂子皇子が丹後を抜け出し、
日本海に出て、越に逃れ上陸するとき、 そこで、8人の美女から招かれたという、
言い伝えにによります。
このころ、日本では、推古天皇が即位(593年)したことになっています。
そのあと、この蜂子皇子は、ヤタカラスに導かれ、出羽三山を開いたといいます。
なるほど、 命からがら都を逃れた失意の皇子でも、新天地に向かったとき、
そこで、八人の美女から迎えられたら、新たな希望もわいて来たに間違いありません。
ホテルには、皇子の后になった、美鳳姫と恵姫の像がありました。
場所は、新潟県村上市の北。 最上川の河口の町、酒田の少し南です。
さらに、この由良浜の南に、 温海温泉があります。
この地方は、今でも正月に松飾をしない風習があるといいます。
何でも、武内宿禰が蝦夷征伐に来たとき、ここで大きな戦いがあり、
大量の血が流されたので、正月が祝えなかったというのです。
武内宿禰は一体いつごろの人間か?
応神天皇が誕生するときの立役者です。
仲哀天皇が最後まで新羅遠征に反対したので、神宮皇后と謀って、新たに、
応神天皇になる人物を日本に招いた人間です。 大体、385~390年ごろ。
古代日本史で最重要事項は、国津神のニギハヤヒから、神武(崇神)への「国譲り」ですが、
私は、これを、 238~265年間の出来事と考えています。
ニギハヤヒは、このとき、亀岡で国譲りをした後、 若狭湾を出て出雲崎に上陸し、
弥彦山で陣容を立て直したあと、秋田・岩手方面に広大な国を作ります。
武内宿禰が戦った相手は、国譲りから100年以上経って、東北ですでに土着化していた、
ニギハヤヒ=古代出雲と関係する勢力でしょう。
そのあとさらに200年経って、山形地方にはまだ入植者がいなかったことから、
ヤタカラスが、蜂子皇子に、その土地を与えたのでしょう。
一方、「おくりびと」の舞台となった酒田市は、この庄内平野で取れるコメを運び出す北前船
の港町として室町から江戸にかけて大いに栄えましたが、その起源は、どうも、源義経を匿った
奥州藤原氏の臣下たちが、商人になって開拓したとも言われます。
京都で権力者から排除されたものは、日本海に出て、この東北に流れ着き、その地の民に、
やさしく抱え込まれたのです。
もう一つ、四国の土佐も、同じく流されたところでした。
実は、こうしたところに、歴史の真実を極める鍵が残っています。
話は変わりますが、
お年寄りのバスツアーは、行程がゆっくりしていて、何回も停車し、疲れます。
しかし、彼らがみやげ物を買う勢いは、大変なものです。
日本では、もうすぐ、全人口の半分が65歳以上になります。
30代、40代は、ローンの支払いで、キツキツ。
一方、お年寄りには、老老介護の問題もあります。
こうした現実を踏まえて、国家も地域も政策を打ち出さないといけません。
もう、戦後の発展パターンは、永遠にありえない。
智恵が必要になります。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。