今、20日の午前3時ごろです。朝日のネットニュースが以下を伝えています。
今年は、辛亥革命から100年です。一党独裁の下、完全なワイロ社会になっている中国で
新たな「革命」がおきても不思議ではないですが、それは、どんな姿の「革命」で、どこに
落ち着くのか? 都市にいる「蟻族」と農民たちが、富裕層の良心を引き出せるかどうかです。
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「中国ジャスミン革命」 ネットでデモ呼びかけ広がる 2011年2月19日20時47分
【北京=小林哲】中東で政治改革を求める民衆デモが相次いでいるのを受けて、
中国でも全国一斉デモを呼びかける情報がネットを通じて広まっている。中国当局は
関連情報の閲覧を制限するなど取り締まりを強めているが、情報はツイッターなどを
通じて広まっている模様だ。
香港メディアによると、中国語のネットニュースに掲載された匿名の呼びかけが発端
になり、集合場所の情報などがネット上で広まっている。北京や上海など13都市で
20日午後2時に繁華街の広場などに集まり、「一党独裁を終わらせろ」「民主主義万歳」
などといったスローガンを訴えるよう呼びかけている。
チュニジアで起きた政変「ジャスミン革命」にちなんで「中国茉莉花(ジャスミン)革命」
と名付けており、「集まってスローガンを叫べば、歴史が変わり始める」などとしている。
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今日の午後2時(日本時間の午後3時) 注目です。
ネットをしている中国の若者は、1989年6月の天安門を体験していません。
ほとんどの若者は、一生懸命に勉強しても、コネがないので就職がまったくできません。
なんで、こんな無軌道な、ワイロ優先社会になってしまったのか? その原因を、現在の
共産党が指導する中国政府だけにもとめても、全く、何も変わらないでしょう。真因は、
2000年以上にわたる、中国社会で、その遺伝子に刻み込まれた、マネー崇拝にあります。
中国の若者は、今、中華民族自身の根源的な悪幣の真因と、向き合わなければ成りません。
それは、今から2200年前に秦によって戦国時代が統一され、文字や度量衡、そして通貨も
統一されたとき、国家に対する税は、役務以外は、すべて、カネ(銅銭)で納める社会となり、
ワイロこそが、自身の出世のみならず、中国社会での生存(処罰の見逃し)の条件になっていた
のです。
司馬遷が書いた「史記」には「貨殖列伝」があり、ここには、戦国時代から前漢時代にかけて
多くの財をなした人間が登場します。司馬遷がこれを書いた動機について、作家の陳舜臣先生は、
「わが一族に、十分なカネさえあれば、前漢武帝の封禅の儀に、父は列席できたはず。
まして、自分がこのような腐刑(去勢)という恥さらしの屈辱も受けずに済んだはず。」
という恨みから出ていると指摘しています。
この時代、日本列島では通貨はありません。中国の漢字文化についても、「漢字」そのものに
ついては、「サイン」や「シンボル」として取り入れられることはあっても、その意味の概念体系
は、全く拒否されています。
これを、当時の中国人は「未開・野蛮」と見下しましたが、実は、当時の日本列島の民は、
現実の個々のイノチと感応しあい、自分と他人が、同じ時空に共に生きているという一体感を
最優先していたのです。
日本社会に、通貨が生まれるのは、これより、900年の後に、天武のときに、試作品の
「富本銭」が作られ、持統のときに、伊勢神宮が整備され、皇祖神アマテラスが設定されたあと、
文武の次の元明天皇の時代に、「和同開珎」が作られて、初めて、流通が始まります。
マネー(ゼニカネ)に対し、わが郷土のご先祖様たちが、いかに、慎重だったことか。
それに対し、中国社会では、マネーこそが、名誉の証であるのみならず、社会の激変の中で、
一族の生存を支える主要手段となっていったのです。
そうした生き様を、 「要銭、不要命(ヤオ チエン、 プゥヤオ ミン)」といいました。
私達日本人は、近親者の死に際し、その葬儀では、棺ごと焼き場に向うときに、その遺体に、
三途の川の渡り賃として、ほんの少しお金を添えますが、
中国では、あの世で待ち構える、閻魔様に対し、すこしでも生前の罪を軽くしてもらおうと、
大量のワイロ資金を持たせます。葬式で遺体を燃やす時に、紙でできた大量のお金をもやす
風習を、今も、当たり前のように、より過激になって、行っているのです。
今の共産党政権を打倒しても、このマネーに関わる、根本的な倫理観が変わらない限り、
中国社会は特権層を生み続け、永遠に、腐敗・ワイロを繰り返します。
このことを、しっかりと見抜いていたのは、歴史上、毛沢東、唯一人でした。
この21世紀に、あの、バケモノのような人物が、中国社会から、再び生まれるのかどうか、
これは、大いに疑問です。
むしろ、マネー(通貨)の欺瞞性・悪魔性・略奪性を見抜いていた、私達ヤマト民族のご先祖様
たちの精神性・霊性こそが、21世紀には、70億の全人類から、求められるところとなるでしょう。
もっとも、このヤマト民族とは、ウルム氷期以後の縄文人に、多くの渡来人との融合によって
誕生したものです。
そこには稲作民、海洋民、さらに遠くはずっと西側のヘブライ人、ペルシャ人、インド人、トルコ人、
近くは、すぐ隣の中国大陸や朝鮮半島からの、移住者・亡命者などが、お互いの命を感応しあい
ながら、理想の生き方を求めて和解し融合したあとに、アマテラスと共に誕生したのです。
生存を支えるものは、カネでなく、 ウソのない信頼関係だ。
これが、日本人です。
今の日本の民主党政権は、この点を全く理解していない人たちばかりですが。
中東の民主化が、中国に及ぶか?
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この記事を書いた人
新井信介
1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。