皇国史観「愛国教育」を肯定する国家観が「忖度」を増長させ、三通の契約書を生み出した。その狡猾な姿勢に日本版ネオコン=原発推進が潜んでいる。

 籠池氏が、刑事訴追に関わるといって、証言をしなかった問題が、校舎の建設費での

 契約金額の異なる、3通の契約書。 

 これは、誰の指示・支持・アイデア・根回しで、いつ、どこで、作られたのか?

 ここがもっとも肝心なのだけど、 

安倍政権は、今、この森友学園事案から 逃げの「3手」です。    (図は朝日新聞から転載)

     写真・図版

 

籠池氏は、証人喚問で、2015年9月5日に、昭恵夫人が来たことで、「神風」が吹いた、と表現した。

それは、昭恵夫人が、名誉校長に就任してからだった。そのとき夫人には、有能な秘書がついていた。

秘書のいない席で、夫人は、「安倍晋三」からとして、学校建設への寄付を直接した、という。

どうも、このときに、明治以来の大日本「忖度」帝國 の威光が、森友学園事案に、差し込んだのでしょう。

戦前のご威光は天皇陛下でしたが、このときは、総理大臣です。しかも、総理大臣夫人には、夫人「付」という秘書が着いていた。夫人の存在が、ご威光の光の出入口で、夫人付からの声(問い合わせ)に対し、官僚たちが、一斉に「忖度」に動き出す。

この「付」という役職は政府予算で賄われるのです.から、れっきとした公務員です。第一次安倍内閣で生まれ、福田内閣になって取り消されたが、第二次安倍晋三政権になって、復活した。

安倍晋三氏の政権返り咲きを実現した大きなチカラに、民主党政権時代に、国家の枠組みが溶け出しているとの危惧があった。安倍は2012年12月の総選挙では、財界支援の下、9条改定を求める日本会議の面々と、ヘッドを失った統一教会の組織をフル活用し、政権を奪回した。

そして、どんな政策を打ち出すか、国家観・国家像の樹立が第一としたが、その背後にいた核心が葛西敬之氏だった。さらに、原発の再稼働と輸出を目論む経団連の今井敬氏。これは、軍事的パワーとマネーだけを基準にして、天皇を元首にする国家の「枠組み」を取り戻すことを目的にしたが、そのためのイデオロギーは、戦前に戻すしかなかった。

このとき、日本会議は、「皇室と国民の強い絆」が日本の「伝統」である、とことさら強調したが、これは、たかだか、明治に、強引に作られたものだった。(このとき、バチカンのイエズス会のやり方を参考にしている)。

「皇室と国民の強い絆」というのは、統一国家のできた明治からの政治的な話で、真の伝統ではない。ここをずばっと指摘するの神道関係者も多い(日本文明研究所や、清洲山王宮日吉神社の三輪隆有裕宮司など)。

ただ、第二次大戦の敗戦を恨んで、富国強兵の復活で、大東亜の盟主を目指す考えの神職が集まる神社もあり(その代表が、住吉大社)、ここが改憲を目指す日本会議とともに、国家神道(「皇国史観」での愛国教育)の復権を目論んでいた。

 国民のイノチより、国家の経済力=門閥・財界(国民ではない)のマネー。フクシマの惨状をごまかし続けながら、軍事強国を目指し、メディアをコントロールする。これが、安倍の後見人になった葛西路線だった。

この安倍政権を生み出した勢力の姿勢は、アメリカにトランプ政権ができても、全く変わっていない。

この間、ずっと、元総理の小泉純一郎が「脱原発は総理が決断すれば、できる」と言っていたが、それを、3年前の都知事選挙の時、笑っていたのが、安倍晋三だった。全世界に向けて「アンダーコントロール」と言って、東京五輪の招致を勝ち取ったあとだった。

 しかし、今回、分かったこと。

あれほど、熱狂的に塚本学園(籠池氏)の愛国教育を支持した、日本会議の人たちが、今回の国有地の格安売却問題が露見すると、一斉に逃げだし、籠池氏の悪口を言い出した。

 こんな中、総理大臣の安倍晋三氏は、持論である「美しい国」を語れるのであろうか? 朝日新聞がまとめているように、今は、逃げの3手を、必死に考えている、自己保身だけの、セコイ人間でしかない。

 2015年9月に、塚本学園(籠池氏)の愛国教育に、チーム「アッキー」によって、神風を吹かせたご威光は、いま、どこにいったのでしょう。

 所詮、放射能被害の実情を無視・隠蔽して、国家の利権や財産を、「お仲間」で、私物化しようとしていただけでした。こんな人間が、日本に限らず、人間の尊厳を無視する、世界のネオコン勢力に対して、どう立ち向かうのでしょう。これまでと同様、取り込まれることはあっても、それを取り払うことなど、とてもできないでしょう。

 

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