マイクロプラスチック問題と阿波忌部と麻文化の復活。これで神道の起源が分かる。

こんにちは
1)今年6月30日、安倍政権は大阪G20直後、半島の南北二つ国家とアメリカのポンペオ国務長官に見事に裏をかかれ、自分たちの知らないところでトランプの板門店行きが実行され、まったく面目を失ったと知って、韓国の文世寅政権に強気に出ています。
 実は安倍政権にすれば、戦後の世界経済の主軸だった日米の産業界で、それまで反対していた、人類史的課題の一つを、この大阪G20で「やり遂げた」と自画自賛するほどの思いがあった、その直後だったのです。
 それは、マイクロプラスチック問題です。
以下は、WWFによるこの問題に関する声明です。
https://www.wwf.or.jp/activities/activity/3992.html
この問題は、昨年6月のカナダのシャルルボワイエサミットで持ち上がった重要な環境問題の一つです。このサミットでは「海洋性プラスチック廃棄物に関する海洋性プラスチック憲章」が出されたが、このとき、日本とアメリカが産業界を意識し、ともに署名を拒んだ問題でした。
経産省と日本の経済界は、それから一年かけてこの問題の重大性を確認し整理して周知させ、この大阪G20で合意の成立を取り付けました。
 実はプラスチック問題は、単なる環境問題だけではなく、20世紀のロックフェラー主導の石油産業に大転換をもたらす決定でもありました。
石油工業製品が環境を壊す。だからこれを止める。人類全体で、方向転換する。特にマイクロプラスチック(5mm以下のプラスチック片や粒)が各種の生命の持続性を破たんさせると。
今、世界人類の課題は、SDGs(持続的開発の可能性目標)ですが、ここでの最重要テーマの一つです。
ここで、紙によるプラスチック製品の代用が、欧米や日本、さらに途上国にとっても緊急課題になってくるのですが、実は、この石油製品に代わるものとして、麻があるのです。(元を言えば、ロックフェラーがナイロンを普及させるために、戦後の日本に麻を使わせなかったのです)
 日本の神道で麻が使われるのはよく知られていますが、これが、戦後は、ナイロンやプラスチックの普及にあって、麻の文化そのものが廃れ、しかも、このとき、大麻のもつ陶酔性を日本国内で大いに問題視させ、栽培そのものが厳禁され、仕舞いには、神社で使う麻縄の部分をナイロン繊維で代用する事態まで出現してしまったのです。

しかし、日本神道では、アラタエの儀式に、麻は絶対的に不可欠です。
麻文化の復活は、平成時代からも多くの有志によって試みられましたが、神道文化の一部として管理栽培されることが許されても、麻を日常生活で使うことは全くなく、その維持すら順調ではなかった。
それが、この令和の時代になって、ロックフェラーの凋落とともに、四国の徳島と、神社界の両方から、徳島の忌部を見直す動きになって始まっています。

まず、徳島です。ここは今、卑弥呼の邪馬台国が阿波にあったと主張する動きが全県で盛り上がっています。根拠となるのが、魏志倭人伝に書かれている「辰砂(水銀=丹生)」が、日本で唯一、吉野川水系で採れる事。さらに大陸の浙江省会稽からの方角と距離が記載通りの位置に当たること。そして、徳島産の青石が3世紀後半から近畿全域に広がっていること。また、2世紀末から3世紀初めの最古の前方後円墳(ホタテ貝型)が萩原2号古墳で、ここで出た画紋帯神獣鏡が、奈良のホケノ古墳でも同範鏡が出ている。しかも、現在の天皇家で行う大嘗祭で使われる、麻は、徳島の三木家が天武の時代から育て管理していた、というのが、主な理由です。
 阿波忌部の研究の第一人者の林博章さんが、令和の記念講演をしています。https://iwillbe.co.jp/awainbearchive/
徳島にある、阿波一之宮は鳴門に在る大麻比古神社で、そのすぐ横に、萩原2号古墳があります。明治時代になって、明治天皇の勅命で、忌部の三木家を管轄する神社として作られたのが、現在の忌部神社です。
今、日本の神社界(神道界)では、なんとか、縄文からの連続性を創り出そうとしており、このとき、重要なのは、この忌部と麻の関係なのです。
 脱プラスチックは、実は、日本列島での麻復権を、日本国民と日本国家に求める、世界人類からの要請と言えます。私は、にっぽん文明研究所の奈良泰秀さんと電話しました。阿波忌部と麻を、ひろく、世界全体の視野の中で捉え直してはどうか、と。
<奈良さんの講演>https://www.bing.com/videos/search?q=%e5%a5%88%e8%89%af%e6%b3%b0%e7%a7%80&&view=detail&mid=4FF24C4654FB4AD699DB4FF24C4654FB4AD699DB&rvsmid=3894ADAD1FB0C245E3BF3894ADAD1FB0C245E3BF&FORM=VDQVAP
ちなみに、縄文時代に列島に自生していた麻は「陶酔性」が極めて弱く、麻を儀式に使うようになったのは、明らかに大陸文化の影響で、麻の別品種が持ち込まれ、在来種と融合したと思われるのです。
 で、ここで問題。
麻を儀式に使うようになったのは、一体、いつからか?これと、神道の発生が重なります。神道は金属器(特に鉄器)が入って稲作の収穫が安定した後に誕生しています。これは、前漢武帝から王莽の時代です。
実はユーラシア全体で見れば、麻はエジプトやシュメルでも使われていた。こちらは、農耕が6000年前からスタートしています。日本では、糸魚川のヒスイを持ちあった頃です。
中国大陸では、2700年前の車師国(現在の新疆のイリ川上流)で麻が出土しています。
また、アレクサンダーが破壊したエフェソ神殿では、異次元との交流の儀式に、麻の持つ陶酔性が使われていたが、そのメソッドは、一旦、エジプトのアレクサンドリアに保存された後、実は、海路で、日本列島に入ったのではないか? それを伝えたのが、忌部ではないのか?忌部は、陶酔性のある麻をこのとき持ち込んだのではないか?
 始皇帝自身が即位したとき、陶酔性のある麻が儀式で使われ、それを、漢の劉邦が統治方式の重要事項として継承しているのではないか? 神戸平和研究所の杣浩二さんは、劉邦が、神に、丸焼きの獣を捧げる古代ユダヤの儀式「燔祭(はんさい)=ホロコースト」をしていることを確認しています。この場合、神にささげたのは、ブタの丸焼きですが。
 日本では、大嘗祭は、壬申の乱の後、天武のときにその儀礼方法が整備されました。当時は、旧暦の冬至の日に行った儀式でした。このとき、スメラミコトの精神に、神や天意を感じやすくするために、麻の陶酔性が使われ、この手法は、いまでも皇室の大嘗祭で密かに伝わる秘技となっています。

 目先の物質界だけでなく、永遠の時間軸を感じながら、異次元の何層もの存在とも交流できるように人間の精神を純化し、この三次元の地上世界に、より調和の取れた世界を創り出す、と決意するのが、本来のスメラミコトでしょう。
 陶酔性をもつ麻は、忌部が持ち込んだとしたら、彼らの列島への渡来はいつか? それは、早くて、紀元前の4世紀の終わり。その後、忌部はニギハヤヒの成立(新井説ではBC109)の時から祭祀に関わり、国家の行事として祭祀の主流になったのは、3世紀の崇神(ミマキイリヒコイニエ)の時から。忌部は崇神以降の4~5世紀に関東にまでその文化を広げています。
 その忌部氏が。現在のように四国の徳島に押し込められる事態は、7世紀の鎌足よりも前、5世紀後半に、雄略時代に新たに「春日」によって、現在に通じる祭祀形式が形成された時期ではないか、と考えます。
忌部は三輪山を離れて徳島に押し込められてからも、自分たちが「春日」よりも古い祭祀方式を伝える存在だとの自負を抱き続け、そのときに、旧約聖書にある「アーク」伝承をも自分たちは継承している、と主張し出し、その結果として継体天皇の時代に、美作神明社の地に、イサク時代の祭祀場を建設したのではないか。

ともかく、今、脱プラスチックと、忌部の復権。これは、麻文化の復活を私たちの日常生活に取り戻させます。それは同時に、列島での王権の発生の解明を急がせています。人類にはすでに遺伝子組み換え技術もありますから、完全に陶酔性を無くした麻を作って、日本全国の空き地た耕作放棄地で育て、それを、建築資材やバイオマスエネルギー、衣料品、日常用品にも、どんどん使えばいい。もちろん、花や実のなる他の植物も多く植えて、列島中の大地を、強い政治的決意をもって、まさに「花園」にすればいい。
私は久しぶりに、中山康直さんに電話しました。「あなたの時代がようやく来ましたね」と。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。