今日はエイプリル・フールの日なんだよね。新元号に、何が発表されても、なかったことになったりしてね。

昨日は久しぶりに京都で、15年前、2004年当時の仲間に会えました。この15年間に京都の町はすっかり変わりました。何が増えたかというと、圧倒的な外国人、なかでも、中国人旅行者の数です。そして、本日からは入管法が変わって、さらに多くの外国人労働者がこの列島で働くことになります。「311」以後、人口減も著しい日本列島なので、国籍の取得が大幅に緩和しています。どうも、「日本人」の定義そのものが変わりそうですね。
「神武天皇の血を、どこかの段階で引いているのが日本人」…こう強引に言ってきたのが、明治の皇国史観による「日本人」でした。そんな話に、国家権力による教育とメディアコントロールで徹底的な洗脳を受けてきたのが明治以降の列島民です。しかし、500年の時間をかけて「イエス・キリスト」の真実を徹底的に究明し、自然理性を発現させた西欧の人間にとっては、そうした「妄信・日本国民」を列島支配のために利用することはあっても、その考えそのものを受け入れるはずはありません。ラテン語聖書『ウルガタ』の内容を丸々信じていたのがヨーロッパ中世の千年間でした。そこでは、免罪符での収奪があり、「最後の審判」への恐怖と願望もありましたが、なにより、法王の言葉はそのまま神の言葉でした。ローマを離れた地方に行けば、同じように、神父の言葉は太陽のありがたさよりも尊い、として、それに従わない婦女子たちは、魔女だ、異教徒(ペイガン)だとして、すぐに「火あぶり」にされました。
さらに各地の教会では、「初夜」権といって、管轄するムラの娘の結婚に関するルールを神父がすき勝っ手に決めました。ここでは村中の誰もが望む美しい娘ほど多くの悲劇がありました。村人の嫉妬を消すためとか言って、性に関するルールを好きなように決めたのです。女性の尊厳を尊重せよというのは、中世1千年の悲劇の総括とその超克でもあるのです。
 一方、中国大陸において歴史上、唯一、女性で皇帝になったのが武照(武媚娘)です。最初は636年に唐の第2代太宗李世民の才人からスタートし、その太宗が崩御した時には慣例で一旦は出家したにも関わらず、第3代高宗李治の皇后(則天武后)になり、唐の宿敵だった高句麗が滅亡したあとは徐々に唐の中で政敵を粛清し、日本で持統が即位する690年に初の女性皇帝、武則天になった。彼女は秦が成立する前の周の「徳治」を理想として国名を「周」とし、ユダ族のシンボルであるライオン(獅子)ではなく、ユダ族が創り出した王権の「修正ややり直しを求める力」を意味するユニコーン(カイチ)を大切にしました。日本の神社の狛犬に、獅子(阿吽の「阿」…口を開いている)とカイチ(「吽」…口を閉じて角がある)があるのが本来の姿です。日本最古の狛犬が宮津の籠神社にあります。以下の写真は、京都八坂神社の内側にある、カイチ像です。

「大宝律令」成立の翌年、超イケメンの粟田真人が出航し、703年に洛陽で武則天にあって「国名を倭国から日本国にしていただきたい」と頼むと、女帝はすんなりOKをくれました。で、このときです。女帝は697年に製造させた大中小の海獣葡萄鏡を多くの枚数、粟田に持たせています。それが、日本の大三島大山祇神社や香取大社などで伝世されてきました。この鏡が作られた年に列島では文武天皇が即位しています。文武天皇の和風諡号が「豊祖父(トヨオホジ)」なのですが、なぜ、持統の孫とされる人物に、「豊」の「祖父」との諡号が送られたのでしょう。列島では文武即位の前年には高市皇子が粛清され、文武即位の翌年には北信濃の高社山の北側にある小菅神社に柿本人麻呂が訪れ、次のような歌を詠んでいます。

「浅葉野に 立ち神さぶる菅(スゲ)の根の ねもころ 誰が故 わが恋いなくに」

これを日本の国学者は単なる恋愛感情を歌ったものとしますが、理解が浅すぎます。天武が唐の高宗との本格対決を決意した680年には小菅神社の地に役小角を派遣しているのです。その役小角自身は、文武の治世が始まったあとの699年に関西から関東に追放され、大宝律令が完成した701年には関東の秩父に拠点を開いた。それが秩父今宮神社です。
 大陸と列島の関わりは、とにかく、深く、濃いのですが、これを唐の臣下になりながら二つに分けたのが天智であり、さらにその娘のウノササラ(持統)は、唐との決着を望む夫の大海人(天武)の「大望」を中断させてまで列島内を「平和な島国にする」ことに舵を切ったのです。そして吉野に31回も通って、不比等共に皇祖神アマテラスを創り出した。その上で、藤原京・平城京の支配者を高天原から来た雲上人として、日本列島だけの物語を不比等は創り出した。この時の最大の「発明」が、神々の世界である「高天原」と、リアリティーの日本列島「大八洲・秋津島」とを、つなぐ存在となった「カム・ヤマト・イワレビコ(神武)」でした。
 しかし、それを戦後、完全否定したのが三笠宮崇仁さんでした。三笠さんは、二代目の綏靖(カム・ヌナカワ・ミミ)を実在としているのです。この綏靖の和風諡号にある「ヌナカワ」が、縄文からのヒスイの女神だと知っていたのです。「ミミ」とは、「その人の思いや声に耳を寄せて聴く」という意味です。
 日本の鉱物科学学会はトランプが大統領に当選する直前の2016年9月24日に、翡翠を「日本の鉱石」に決定しました。列島の事実史をきちんと知っているのです。日本列島では、縄文時代から身体に多くの鉱物の飾りを身につける習慣があり、なかでも翡翠の勾玉がもっとも貴重であり、好まれていました。752年に完成した東大寺にはお水取りの二月堂とともに、三月堂(法華堂)がありますが、ここには高さ3・6mの不空羂索観音菩薩立像があります。この菩薩は頭に、2万点の宝石からなる宝冠を頂いていますが、そこで翡翠の勾玉が使われたのが最後となりました。以後、日本列島では、翡翠の勾玉どころか、玉石で身体を飾る習慣が完全に消し去られてしまいました。源平合戦や戦国武将の鎧兜にも、江戸時代の印籠を飾る根付にも、鉱物が使われてなかった。これはいったい何なのでしょう。
 何を、天皇家は嫌ったのでしょうか?玉石は天皇家だけが持つ、とした、その理由は何だったのでしょうか? 実は、それが「共振装置として鉱物」、なかでもイノチの情報をつかむ翡翠の機能にあったのです。
それが、トランプの登場前に日本列島で復活した。この意味を、今のカネまみれの権力者の代表である安倍様とその仲間たち(ここには役職とその俸禄を既得権益化した、NHKや官僚も含みます)、とくに日本会議の人たちは、全く知らない、理解ができないのでしょう。
 だから、エイプリル・フールになるのかもしれません。
ちなみに、中国大陸には史上唯一の女性宰相がいます。それが、北斉の最後の皇帝の後主高偉を指導した陸貞です。この陸貞が北斉朝廷を専横しているときに、自害を命じられたのが蘭陵王とよばれた、高長恭です。日本の主だった神社で「蘭陵王」を舞楽で舞う伝統が残されたのは、一体、なぜなのでしょう。
 私たちは列島で生きてきた先達達の「本当の智慧と力」をきちんと学び取れば、海外のいかなる人とも和解融合し、より高い次元での文化様式と、感動の現場。実態を実践できます。まず、自分の国家・統治体の成立の真実を知ろう。特に、明治にできた「神武を実在」とした「国体」こそが、私たち列島民の本当の力を歪めさせ、過度のマネー依存を生んできた業病の核心であることに、気づくとき、それが今です。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。