【トランプの女性版高市首相誕生へ? 高市「王国」となるか?! 「夢」と消えるか?】
(注)この記事は、9月6日に「瓊音倶楽部」のライン・グループでシェアさせて頂いたものです。
国民の意思を無視して石破降ろしをし、長期間テレビジャックをした自民党総裁選が終わり ました。個人的には、そのような総裁選の政局についてはあまり関わりたくないと思い静観 してきましたが、高市さんが総裁に選ばれたことで、これからは少しは関心をもって見ざるを得ません。いくら少数与党だからと言っても、野党の側は政権を自ら奪うつもりなど毛頭なく、野党の多くは、表向きには素振りにも見せませんが、連立入りを待ち焦がれている状況ですから、自民党が政権を維持することは間違いないためです。国民は、物価高による生活苦 もあって、早くこの状況を何とかしてほしいと予て思っているわけですが、与野党の状況からすると、国民に目線が向くことは全くなさそうで、自らの政権基盤強化・権力掌握に注力することになるでしょう。
昨日の日経新聞の「春秋」では、政治家に最も必要な素養として「信念、聡明、雄弁」という 永井柳太郎の言葉を紹介しています。不抜の信念、国民が要請することを読み取る力、 聡明さ、そして自分の考えを正確に理解させる雄弁が欠かせない、というもの。しかし、高市さんにこれがあるかどうかという以前の問題として、今まで高市さんがやってきたことなどに人としての問題はなかったのか?ということを考えざるえません。
海外では、高市さんのことを「Femail Trump」と評する人も出てきています。それはとりもなお さず高市政権が以前の安倍政権と同じようになるということです。今のトランプがやっている こと、やりかたは安倍さんととても似ています。どちらが先か、どちらかが真似た?という議論も出てきますが、どちらも基本同じような人物だったということでしょう。
しかし、高市さんが「Femail Trump」になるかどうかは日本にとってとても重要なことだと思います。
高市さんが「究極のポピュリスト」であることを祈るばかりです。そうであれば、トランプや安倍さんとは少し違ったことをやってくれるでしょうし、やり方も違ったものになるはずですが・・・
7日までには自民党の役員人事か決まるということですから、今日中にはあらかた明らかになることでしょう。すでに高市さんは「全員活躍」「全世代総力結集」と言っていますので、 「裏金議員」も含めて「褒章人事」になりそうです。それでは「解党的出直し」と言っていたのに、結局、「変われない」自民党だったということになるのではないでしょうか? 皆さんはどう 評価されるでしょうか?
ただ「変われない」だけでなく、安倍政権時代に先祖帰りするということになるとまた話は 違ってきます。世界的にトランプ現象が拡散中ですが、日本も兵庫県の「斎藤王国」だけで なく、高市王国誕生となるのでしょうか? そういう意味で、高市さんが「究極のポピュリスト」で、国民の考えをくみ取ってくれることを祈るばかりです。
なお、当面、少数与党ということで、連立工作が必要になります。今回は、公明党が3つの 懸念を高市さんに伝えたということになっていて、特に「裏金・政治資金問題」はかなり議論 になりそうです。公明党は予て連立離脱という話も出ていました。このところの選挙結果を 受けて、「解党的出直し」が自民党以上に必要になっていると思います。いっそのこと連立 離脱をした方が自党のため、そして日本のためにもなるのではないでしょうか?
さて、総裁戦では、一応、政策についての議論もありましたが、総裁選で勝つことが目的 でしたから、触れてはいけないような議題は議論の対象にはなりませんでした。ましてや今後の日本のビジョンなどについては全く議論されていません。ですから、総裁選での議論(?)は今後の政策にはあまり参考にならないかもしれません。高市さんはすでに、総裁選で初めに言ったことは参考にしないでと言っています。
細かいことはまた今後の動向から判断していくにしても、大まかは「方向性」について、 私個人が危惧することをいくつか挙げておきたいと思います。大きく分けると2つ、「政策」と「進めかた」があります。
「政策」についてですが、高市さんが究極のポピュリストであることを願います。つまり、国民の考えをくみ取ってくれることを祈りたいと思います。そうでないなら、また、安倍政権時代の政策に戻るのでしょうか? 「物価高政策」「経済政策(社会保障)」「外交・安全保障」「外国人政策」はどうなるのか?
「物価高対策」ですが、直接、国民に恩恵が向くような消費税の引き下げや給付金などでは なく、自治体向けの交付金拡充などが上がっています。
「経済対策」は給付付き税額控除などいつ実現するかわからないものがあげられています。
石破政権は苦し紛れということもあったかもしれませんが、「税と社会保障の一体改革」ということを議論するとしていたのですが、これは高市政権になってどうなってしまうのでしょうか?「給付付き税額控除」などもこの議論の中で検討したらいいと思うのですが・・・
「外交・安全保障」では、日米同盟に加えて他国との連携強化を訴え、安保関連3文書の 見直しも行うとのことで、どちらかと言えば緊張を高め、対米従属をさらに強くする方向の 政策です。
まもなく米国では新しい防衛政策が発表されますが、漏れ伝わるところでは、米本土の防衛に専念するような形の従来からするとかなり防衛線が後退するものになりそうです。そうすると今まで仮想敵国ということで対中国政策を米国のお先棒を担ぐことで進めてきた日本は はしごを外されて、かなり追加的な「人的」「金銭的」防衛負担を強いられることになる可能性大です。
「外国人問題」は最近の言動を見ればその方向性は明らかです。
「株高・不動産爆上げ」と喜んでいる人たちもいる、というコメントを頂きましたが、しばらくは そのような動きがあるかもしれません。おそらく、アベノミクスが行った「金融緩和」の継続と いうことでしょう。総理大臣や日銀総裁が変わっても「金融緩和」は10年以上続いています。「忠犬」植田総裁は高市さんには逆らわないでしょう(今までも政府の言いなりでしたが)。 結局、「円安」、「インフレ加速」、そして「財政拡張」によるさらなる円安・インフレ加速という 国民にとっては悪魔の逆回転の連鎖。そうならないことを祈ります。しかし、当面は「円安・ 株高」になる可能性は高くなりますが、その恩恵は一部の人たちだけで私のような「しもじも」には何も回ってきません。
日銀が政府に乗っ取られて久しいので、財務省解体デモではなく、「日銀解体デモ」を おこなって、金融正常化に向けて圧力を日銀にかけてほしいものです。「政府」(財務省ではなく)の言いなりになっているなら日銀の存在意義はありません。この財政・金融政策は一番気になるところです。
「進めかた」というのは「Femail Trump」と評される高市さんですから、あまり細かくお話しする必要はないでしょう。
<補足①>
「市場」の動きについては「別項」にて触れさせていただきたいと思います。
<補足②>
政治についての私の基本的なスタンスについて補足させて頂きます。私は政治記者では ありません。そしてまた政治の世界で仕事をしたり、特定の政党の支援・応援をスタッフの ような形でしたこともありません。従って、メディアなどで報じられた情報をもとに私なりの コメントをさせて頂くというものです。
<by 上野ワン太郎>