村田光平先生からです。岸田政権は「原発カルト」から脱会し再エネ100%を目指せ(原自連提言)

2022/08/30 23:24 (9 時間前)に、村田光平先生から、以下を入電しました。。

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本30日、原自連は下記提言を発出しましたのでお届けいたします。

ルビコンをわたる迫力が感じさせる厳しい内容の画期的声明です。

日本が直面する危機の一側面に関してご報告した「すさまじい原子力村汚染」からの解放が待たれます。

著名な論客からもしドイツが脱原発を諦めることに踏み切れば今後数十年間脱原発は望めないとのメッセージが

先ほど寄せられました。下記声明にある通り火事場泥棒的な政策転換は止めることこそ哲学の教えだと確信いたします。

村田光平

(元駐スイス大使)

岸田政権は「原発カルト」から脱会し再エネ100%を目指せ

原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟

会 長 吉原 毅

顧 問 小泉 純一郎

顧 問 細川 護熙

副会長 中川 秀直

幹事長 河合 弘之

幹 事 飯田 哲也

事務局次長 木村 結

n 火事場泥棒的な政策転換は止め、原発再稼働せずに速やかに廃止せよ

ロシアによるウクライナ侵攻とエネルギー危機、そして国内の電力不足騒ぎなどに乗じて、原発再稼働に圧力を掛け、運転期間延長や次世代革新炉の開発・建設などを打ち出した岸田政権は、ドサクサ紛れの火事場泥棒的な政策転換であり、直ちに撤回すべきである。

ウクライナでは、ロシアに占拠されたザボリージャ原発が砲撃・断線などで、日本が福島原発事故で経験したメルトダウンの恐れに震撼として注視しているなか、当事者の日本が原発再稼働や新増設に前のめりになる姿勢は、「原発カルト」というほかない。

現実を直視すれば、原発に固執する合理的な理由は見当たらない。むしろ地震や津波への原発安全性は不充分であり、住民避難も現実的ではなく、核のゴミの行方すら見通しの立たない原発は、再稼働せずに速やかに廃止すべきである。

n 原発は電力不足には役立たない

そもそも、原発は電力不足には役立たない。電力不足は電力最大需要(ピーク)時の需給の過不足の問題であり、ベースロードの原発を再稼働しても役立たない。1年間のうち0.5%・約50時間の需要ピークを下げるかシフトするだけで、約10%(東京電力管内で約5百万kW)も最大需要は下がる。これに最も有効なのは、節電と蓄電池であり、国はすでに導入を始めている需要側応答(デマンド・リスポンス)や需要側の蓄電池の拡大を急ぐべきである。

n 原発は気候変動対策にも役立たない

気候変動対策は、中長期的、そして恒久的な対策が求められており、省エネと同時に、再生可能エネルギーへの転換が王道である。日本の原発はすでに相当に老朽化しており、今後は大量廃炉時代に直面する。一方で、原発の新増設をしようにも、欧米などの現実を見ても明らかなとおり、高コスト化と建設期間の遅延に次ぐ遅延で、ほとんど当てにならない。

さらに、原発自体が気候変動に対して脆弱である。高温化・暴風雨・洪水の瓦礫などで、現在のフランスで起きているように、予期しない長期間の停止を余儀なくされる。

n 小型原発は始める前に終わっている

国内外が小型原発(SMR)や次世代革新炉に注目しているが「根拠のない熱狂」である。一応実用化されている既存の大型原発さえ、英・仏・フィンランドなどで高コストと建設遅延で苦しんでいるのに対して、数十も炉型のあるSMRや次世代炉は、はるかに高いコストからの出発点となる。炉型もバラバラで需要もほとんどないため、量産効果によるコストダウンは望めない。原発に不可分の核のゴミも発生する。SMRは一箇所に大量立地が想定されているため、福島第一原発のような連鎖メルトダウンの恐れもありうる。

すなわち、小型原発は明らかに無駄な開発投資であり、即刻中止すべきである。

n 「再エネ100%が可能」が世界の科学者のコンセンサス

本年7月に、2050年までに世界全体を再生可能エネルギー100%とすることが経済合理的に可能であるという科学者によるコンセンサスが報告された(注)。人類にとって、無尽蔵かつ膨大にある太陽エネルギーで、温室効果ガスも放射能も出さない、地産地消も国産も可能であるならば、もはや原発など新規開発はおろか既存の原発再稼働も無用である。

国は、全力をあげて再生可能エネルギー100%を目指すべきである。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。