中国の外貨、本当はどうなの?すべてに本性が見えてくる。

1) 中国が、上海万博のテーマソングのパクリを告白。
  正式に、作曲者の岡本さんに、「使用許可」を願い出ました。
  これは、象徴的な事件です。 上海万博は、裏側では汚職の博覧会でしょう。
  その汚職や虚偽、インチキ、パクリ、ゆすり、タカリ、などなど、
  もう、面子を気にしていられないほど、 中国は今、内実がガタガタなのです。
  前回の3月の中国レポートに書きましたが、 中国は今、自分の国の共産党政府では
  統治できない事態が、あちこちに現れています。
  今、中国には、大学を出ても、まともに就職できない若者は、1000万人近くいます。
  彼らは、とにかく、海外のものでも、いいものはいい、という 当たり前の感性と判断を
  もっています。
  ただ、自分に、権力者とのコネがあれば、それを使うのは、この国に生きる人間の習性です。
  
  すでに、全国で120万人以上の数の役人(地方と国)が、海外に、相当額(大体、一件
  あたり、数億円)を持ち出して、流出している現状を、みんな知っています。
  この国庫資金の持ち出しですが、胡錦濤政権の「走出去」(海外進出せよ)の方針のもとに、
  企業買収や資源確保の名目で、 どんどん、加速していたようです。
  今年になり、全人代の後、一体、国庫に、いくら外貨があるのか、胡錦濤の命令で、
  中国の財務当局が、きちんと調べたらしいのです。
  その結果、 どうも、大変な事態になっていることが判明し、
  そして、今、さらに、緊急事態となって、政府が、海外に極秘にカネを借り出してると。
  当然ながら、人民元の切り上げなんて、とんでもないとなります。
  表面は、世界最大の外貨準備(2兆3千億ドル)をもっていることになっていて、
  いまでも、中国には、外国企業からの投資が続いていると考えられていますが、
  実際は、入る以上に、出るほうに、国を挙げて(役人個々人が)、急いでしまったようです。
 考えれば、当然です。
  中国の役人感情からしたら、トップが方針を出したのだから、自分の知り合いの企業人に、
 海外投資案件をどんどん作らせ、そのためのカネを銀行にまわさせ、実際に海外に送金する。
 そのときに、当然のことながら(中国の伝統習慣に基づいて)、こっそりと、自分の取り分を、
 隠しておく。 しかも、そのことを、関係者全員が行うから、 誰も とがめない。
 みんなが、ニコニコしながら、海外送金する。
 そして、中国の国や銀行の金は、消えてしまっても、
 個人の金は、海外のどこか別の銀行に、密かに送られ、そこに蓄えられている。
 こうした、事態になっているはずです。
 で、当然のことに、こうした事態を、かぎつける多く中国人(特に若者)がいて、
 告発をこころみますが、政府は、なかなか取り合いません。
 告発する側には、自分はその仲間に入れなかったという嫉妬もあれば、中には、既に、
 親族の海外での安定生活が確立したから、安心して、政府批判をする人間もいます。
 こんな情報は、メールでは流れますが、ネットの主流のブログで流されたら、大変です。
 一斉に、飛び交うと、一気に、国家の統治権の存続基盤がなくなります。
 衆目にさらされる前に、閉鎖する。
 グーグルを、締め出すのは、今の中国には、やむ終えぬことでしょう。
 しかし、だからといって、中国の問題は、何も解決しません。
 海外から資金を入れても、日本から 新しい技術を入れても、 
 この タカリと、役人によるだまし取り 体質からは、抜け切れないでしょう。
 
 今は、 万博までは、中国という国家を壊さないでおきたい。
 これに、日本も、アメリカも、東南アジア諸国も、協力している段階でしょう。
 ただし、今の中国には、このブログに書けないくらいの「悲しい現実」が あります。
 中国の民事訴訟なんて、ほんとうに、金次第で、判決が変わるのですから。
 中国の運命を決めるのは、世界を見ている、中国の若者です。
 彼らと、私たちが、同じ志で、未来を語れる日が来るでしょうか?
 
2) 一方、日本は、どうでしょうか?
 民主党政権になって、日本の役人と政府の実態が、ますます国民に知らされていきます。
 日本では、明治に近代国家になっても、役人の身分は、一般国民とは違っていて、
 死ぬまで生活保障をすることを、 役人たちが勝手に、制度化していたのです。
 制度化 とは、そのやり方を、法律で、保証したものです。
 これを、明治維新から始めて、戦後は、自民党政権で進められたのです。
 役人たちのもつ特別意識や、そうした理性を許していたのは、私たち日本人自身です。
 明治時代、庶民にとっては、役人は新しい支配者であり、江戸時代の「お代官様」
 と同じ存在 と考えるままでした。
 
 彼らは、アラヒトカミに仕える 別種の人間 とされたのです。 
 公僕ではなく、 神に通じる存在 と 自らを理解したのです。
 それが戦後になって、天皇が人間宣言し、民主主義の時代になっても、
 「主権者」の意味を、履き違えた国民ばかりで、  そのとき、官僚たちは、
 選挙区の声だという政治家の要求を捉え、それなりの法律を整えますが、 
 実際は、自分たちの都合のよい法案を作り、ええカッコしいの自民党の政治家を、
 いいようにほめ殺しして、自分の生活のために、使い切っていたのです。
 今、新しい政党が、どんどん生まれます。
  いいことです。
 大阪に、「自分の将来は、自分で創ろう」という、意志の集団が生まれました。
 この意識のあり方は、 各地域に伝播していきます。
 そのとき、政治家(首長と議員) を志す人間が、どんどんでてきます。
 
 その人間が、
 政治家としての地位や身分や、安定収入 を もとめるのものなのか、
 本気で、国家のあり方まで変えたい、と、真剣に生きているものなのか、
 はっきりしてきます。
 私の田舎(中野市)も今、市議会議員の選挙中です。
 国際環境の変化、
 消費者の動向
 国家の予算の仕組み、
 地方の独自財源の作り方、
 自分の生きている空間を、きちんと、自分のものにしたいのなら、
 こうしたことまで、きちんと考え、まず、どの地域も、国家とは別に、
 世界の情勢を反映した、自分独自のグランドデザインが必要です。
 まあ、じっくりと。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。